更新日:2020年12月18日
12月12日にニューヨークで開催されるフィリップスのオークション”RACING PULSE(レーシング・パルス)”に、ポール・ニューマンが所有し、着用していたロレックスのRef.6263 デイトナ “ビッグレッド”、スティーブ・マックイーンが映画『栄光のル・マン』で着用していたホイヤーのモナコ、そして映画「デイライト」で着用したパネライのルミノールなど全5本が出品される、と大注目を集めていました!気になる落札結果もお伝えします!
今回フィリップスオークション「レーシング・パルス」に出品される、ポール・ニューマンが所有していた「ロレックス デイトナ ”ビッグ・レッド” Ref. 6263」は、37mmのステンレススティールケース&オイスターブレスレット(78350)、手巻きCal.727を搭載した1980年頃の個体です。6時位置のサブダイヤル上に赤いDAYTONA表記のある通称“ビッグレッド”モデルです。
「オークション」「ポール・ニューマン」「デイトナ」。この3つのキーワードを聞くと、2017年10月にフィリップスで1,775万ドル(バイヤーズプレミアム込みで約20億円)という、腕時計史上最高額で落札された、ポール・ニューマンの“ポール・ニューマン デイトナ”(Paul Newman's 'Paul Newman')6239を思い出さずにはいられませんが、今回出品されるのは、1983年にポール・ニューマンが妻のジョアン・ウッドワードから、結婚25周年記念のプレゼントとして贈られたデイトナ6263で、いわゆる“ポール・ニューマン デイトナ”ではありません。
このデイトナ6263の裏蓋には“Drive slowly / Joanne”と刻印されています。
ジョアンが最初にポールに送った腕時計は1968年製のデイトナ6239、つまり2017年のフィリップス・オークションで1775万ドルで落札された、例の”ポールニューマン”デイトナで、その裏側にも、“DRIVE CAREFULLY ME”と刻印されていました。
ポール・ニューマンのスピードへの欲望を恐れる、愛ゆえの彼女の気持ちが表れていますね。というのも、その時計を贈る3年前の1965年に、彼は皮膚移植手術を必要とするほどの酷い事故に遭っていたのです。2度目に送られたデイトナ6263にも同様の気持ちが込められていたのでしょう。
この時計を受け取ったこともあり、ポール・ニューマンはエキゾチックダイヤルの”ポールニューマン”デイトナ6239を娘のボーイフレンドだったジェームズ・コックス氏に譲り、6263はポール・ニューマンがもっとも長く着用し、多くの着用写真が残っている腕時計となりました。
そしてポール・ニューマンの娘クレアは、彼が亡くなる直前の2008年に時計を受け取ったのです。今回のオークションに出品されたのは、ポール・ニューマン自身が設立したSeriousFun Children's Network(シリアスファン チルドレンネットワーク)、Safe Water Network(セーフウォーター ネットワーク)など、多くの慈善団体を支援するためとのこと。
予想落札価格はIn excess of $1 million、つまり100万ドル、日本円にして約1億円以上となっていますが、ポール・ニューマン自身が所有し、最も長い期間に渡って着用したデイトナですからね。軽く超えてくるのではないでしょうか。さすがに20億円の記録が塗り替えられることはないでしょうが、6239の時はいきなりスタート額10倍となる”10 million”の入札がありましたので、個人的には最初のベットがいくらなのか、気になるところです。
SOLD FOR $5,475,000!!!
「ポール・ニューマンのロレックス デイトナ ”ビッグ・レッド” Ref. 6263」は547万5000ドル、つまり約5.7億円で落札されました!
2017年のポール・ニューマンのポールニューマンデイトナ Ref.6239の1775万ドルに比べれば3分の1ほど、とはいえ5.7億円というのは十分にインパクトのある金額です。というか、通常の「ビッグレッド デイトナ 6263」の市場相場は750~1000万円前後であることを鑑みれば、とんでもない高額です!「ポール・ニューマンが所有していた」というだけでこれだけのプレミアムがつくって凄いことですよね!
1971年のクラシック映画『栄光のル・マン』の撮影に使用された6本のホイヤー モナコのうちの1本が、フィリップスのオークション”RACING PULSE(レーシング・パルス)”に出品されます。
今回出品される「ホイヤー モナコ Ref. 1133」は、39mmの防水スクエアケースにブルーダイヤルに2つのホワイトのインダイヤルを備えたクロノグラフです。
映画『栄光のル・マン』の撮影に使用された6本の時計のうち、4本はプロップマスターが保管、残りの2本はマックイーン自身が保管していました。そして映画の撮影最終日に、スティーブ・マックイーンは危険な撮影が無事終えられたことに深く感謝し、チーフメカニックを務めたハイグ・アルトゥニアン(Haig Alltounian)に“I want you to have this. Thank you for keeping me alive all these months.”という言葉と共に、この時計を贈ったのです。
ハイグ・アルトゥニアン氏はこのとき受け取ることを断り、奥さんや子供にプレゼントするよう提案したのですが(なんて謙虚な人でしょう!)、「もう遅いよ、君の名前を彫っちゃったから」と言われたそうです。そりゃもう有難く受け取るしかありませんよね!裏蓋にはしっかりと“To Haig Le Mans 1970”という文字が刻まれています。
ハイグ・アルトゥニアン氏はこの時計を2年ほど着用しましたが、その後は50年近く貸金庫に預け、ごく稀に眺めていたぐらいだそうで、一度も研磨されることもなく、時計自体も裏蓋の刻印も非常によい状態で保存されています。
予想落札価格については”Estimate On Request”と表示されています。「見積もり価格を公表されたくない」というのが委託者の希望だとか。さて、どんな結果になるのか、非常に楽しみですね!
SOLD FOR $2,208,000!!!
映画『栄光のル・マン』の撮影に使用されたスティーブ・マックイーンのホイヤー モナコ Ref. 1133は、220万8000ドル、約2億2945万円で落札されました!ヴィンテージホイヤーのオークション落札額としては過去最高です!
中古腕時計市場で売買されている「ホイヤー モナコ 1133」の販売額は大体150~300万円前後。状態が良かったことなどを加味しても、2億円を超えたこの高額落札には呆れにも近い驚きを禁じ得ないですね。6本存在すると言われている映画『栄光のル・マン』の撮影に使用されたスティーブ・マックイーンのホイヤー モナコ Ref. 1133の、これが最後の1本という点も影響したのかもしれません。時計というより熱狂的なスティーブ・マックィーンもしくはクルマファンの方が落札したんでしょうか。
これ以前のホイヤーの時計のオークション落札額は100万ドルにおさまっていましたが、最高額の記録が一気に2倍以上になってしまったわけですね!
「ロレックス サブマリーナ Ref.5517」は、70年代に英国軍のオーダーによってRef.5513をベースに製造された軍用時計で、「ミリタリーサブマリーナ」「ミルサブ」などと呼ばれています。軍用時計として供給されたという特殊な性質に加えて、戦後「軍仕様」を排除して一般用に改造されたものが多いため、オリジナルの状態の個体の流通量が極めて少なく、コレクターから熱狂的な人気を誇るモデルです。予想落札価格は$100,000 - 200,000、約1,040~2,080万円。
39mmのSS製ケースにハック機能付きの自動巻きCal.1520を搭載。 ケースとブレスレットを繋ぐバネ棒を溶接してラグの横穴が塞がれたいわゆる「はめ殺し」となっており、ブレスレットではなくナイロン製のNATOベルトを装備しています。さらに60分まで1分刻みの目盛りを配した回転ベゼル、6時位置上部にトリチウム夜光の使用を表す「T」マーク、裏蓋には矢印型のブロードアローマークなどの特徴があります。
SOLD FOR$567,000!!!
「ロレックス ミルサブ Ref.5517」は、予想落札価格 $100,000 - 200,000を大幅に上回る、56万7000ドル(約5899万円)で落札されました。
希少な5517リファレンスでこれまでに発見されたものの中でも史上最高に状態がよい、というほかに、現在は発行されなくなってしまった、ロンドンのRolex UK(Bexley)の当時のゼネラル・マネージャー、ヘンリー・ハドソン(Henry Hudson)氏のサイン入り証明書が付属していることも影響していそうです。
映画俳優シルベスター・スタローン(Sylvester Stallone )は今回のフィリップスオークション「レーシング・パルス」に 1996年の映画「デイライト」で着用したパネライ ルミノール、映画「エクスペンダブルズ3」で着用したリシャール・ミルなど合計5本の腕時計を出品します。
シルベスター・スタローンが出品するのは以下の通り、パネライ1本、リシャール・ミル4本。
スタローンが映画『デイライト』“Daylight”で着用したパネライのルミノール。1993年頃のモデルで44mmのSS製ケースに手巻き cal. 6497を搭載しています。予想落札価格:$40,000 - 80,000(約418〜836万円)。
【12/18追記】パネライ ルミノール(Panerai Luminor)ref. PAM 5218-201/A Luminor "Pre-Vendôme"は、 予想落札価格:$40,000 - 80,000 に対し、$214,200で落札されました!これはかなり跳ね上がりましたね!
スタローンとリシャール・ミルとのコラボレーションによって2018年に誕生した「リシャール・ミル トゥールビヨン クロノグラフ アドベンチャー RM25-01」は20本の限定エディションです。スタローン曰く「アクションのための時計」。51mmのカーボンTPT®とグレード5チタン製のケースにパワーリザーブ約72時間手巻きトゥールビヨンクロノグラフムーブメントを搭載しています。スタローン手書きのレターが添えられるとのこと。ちなみに定価は1億1060万円で、予想落札価格:$250,000 - 500,000 (約2615〜5230万円)ですから、定価より安いですね。
【12/18追記】リシャール・ミル トゥールビヨン クロノグラフ アドベンチャー RM25-01は、 予想落札価格:$250,000 - 500,000 に対し、$937,500で落札されました!
定価よりも安いものの、当初の予想落札価格よりは大幅にアップした金額での落札となりましたね。やはりこれほど新しい時計はまだプレミアがつきにくいようですね。2013年に発表された「リシャール・ミル トゥールビヨン スカル Ref. RM52-01」は、42.7mmのTZPナノセラミックケースに自動巻きムーブメントを搭載した30本限定モデル。限定シリアルは30本のうちの「13」で、こちらもスタローン直筆の手紙が添えられます!予想落札価格:$350,000 - 700,000 (約3661〜7322万円)。
【12/18追記】リシャール・ミル トゥールビヨン スカル Ref. RM52-01は、 予想落札価格:$350,000 - 700,000 に対し、 $998,000で落札されました!
SIHH 2013(ジュネーブサロン 2013)で発表された「リシャール・ミル トゥールビヨン ヨハン・ブレイク RM 59-01 AN CA」は、42mmのカーボンナノチューブを注入した透明な複合素材によるトノー型ケースに、スケルトン仕様の手巻きトゥールビヨンムーブメントを搭載した50本限定モデル。今回出品されたスタローン所有モデルの限定シリアルは11/50です。世界的スプリンター、ヨハン・ブレイクの母国ジャマイカの国旗へのトリビュート、そしてヨハン・ブレイクへのオマージュが込められたグリーンとイエローカラーは一度見たら忘れられないほどのインパクト。定価は53,865,000円、予想落札価格:$300,000 - 600,000 (約3137〜6276万円)。評価が難しいところなんですかね。
【12/18追記】リシャール・ミル トゥールビヨン ヨハン・ブレイク(Richard Mille Tourbillon Yohan Blake) RM059-01は、 予想落札価格:$300,000 - 600,000 に対し、$816,500で落札されました!こちらはモデル自体の人気が反映されたように思えますね。
映画『エクスペンダブルズ3(The Expendables III)』でスタローンが着用した「リシャール・ミル オートマチック クロノグラフ ダイバー Ref. RM032 AL TI」は、50mmのチタンケースに自動巻きムーブメント cal. RMAC2を搭載した、2014年発表モデル。こちらもスタローン直筆のお手紙つき。予想落札価格:$60,000 - 120,000(約627〜1255万円)。
【12/18追記】リシャール・ミル オートマチック クロノグラフ ダイバー(Richard Mille Automatic Chronograph Diver) RM032は、 予想落札価格:$60,000 - 120,000 に対し、 $151,200で落札されました!
スタローンが着用したモデルですので、今はさほどでもなくても、ゆくゆくはもっとプレミア価格になっていくかもしれませんね。12月12日にニューヨークで開催された(といってもオンラインですが)フィリップスのオークション”RACING PULSE(レーシング・パルス)”の注目モデル、高額落札モデルをご紹介して参りましたが、いかがでしたでしょうか。世界中がコロナ禍に見舞われているわけですが、やはりポール・ニューマンやスティーブ・マックイーンなど、”レジェンド”と呼ばれるような有名人に関連するモデルは、そんなことはどこ吹く風とでもいった様子で、本当に驚くような金額で落札されますね!
他にも”RACING PULSE(レーシング・パルス)”には、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲ、オメガ、カルティエ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ゼニス、IWC、F.P.ジュルヌ、A.ランゲ&ゾーネ、チューダーなど合計138点が出品されていました。 全ての時計はこちらのフィリップスの公式サイトで確認できます。Phillips "RACING PULSE"
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