更新日:2026年09月28日
ブライトリング ナビタイマー B01 クロノグラフ 43 ウルトラマン リミテッド AB01389D1G1A1、43.00mm、ステンレススチール、自動巻き(Cal.B01)、約70時間パワーリザーブ、30m防水、1,966,800円(税込)、世界160本限定、2026年10月1日発売予定
2026年9月15日、ブライトリングがウルトラマン生誕60周年を記念した日本限定モデル「ナビタイマー B01 クロノグラフ 43 ウルトラマン リミテッド」を発表しました。世界160本限定、価格は196万6,800円(税込)。文字盤には日本限定モデルとして初めてムオニオナルスタ隕石が採用されています。高級時計とキャラクターコラボという組み合わせは目新しいものではありませんが、このモデルには「なぜ今、なぜブライトリングが、なぜ隕石なのか」という文脈が重なっており、単純な話題性だけでは片付けられない一本に仕上がっています。
改めて確認しておくと、ナビタイマーは1952年、回転計算尺付きベゼルを備えたパイロット向け計器として誕生したモデルです。飛行距離や燃料消費量、単位換算までを手首の上でこなせる「フライトコンピューター」として、コレクターからの信頼を積み重ねてきました。
一方のウルトラマンは1966年放送開始。「M78星雲から来た宇宙人」という設定を持つ、日本特撮の象徴的ヒーローです。今回のコラボは、この「宇宙からやってきた存在」という共通項を軸に構成されており、文字盤の素材選定にもその意図がはっきりと表れています。
過度に主張しないデザイン処理は、ナビタイマーというモデルが本来持つ「道具としての誠実さ」を損なわない範囲でのコラボレーションを志向した結果と言えるでしょう。
多くの時計愛好家が「高級時計×ウルトラマン」と聞いてまず思い浮かべるのは、オメガのヴィンテージ・スピードマスター、Ref. ST 145.012-67ではないでしょうか。
1968年に製造されたこの145.012は、Cal.321搭載の手巻きクロノグラフで、42mmのステンレススチールケースを持つ、いわゆる「プレ・ムーン」期のスピードマスターです。通常のモデルと異なり、ごく一部の個体にオレンジ色のセンターセコンド針が採用されており、この仕様の個体が1971年放送の特撮テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』にMAT(科学特捜隊)の装備品として登場したことから、コレクターの間で「ウルトラマン」という愛称で呼ばれるようになりました。
145.012全体の製造本数は約3,000本とされていますが、そのうちオレンジハンド仕様が何本存在するかは正確には分かっておらず、この希少性こそが本機をヴィンテージ・スピードマスター市場屈指の人気リファレンスに押し上げています。近年のオークションでは、状態の良い個体に数百万円規模の値が付くことも珍しくありません。
『帰ってきたウルトラマン』で使用された「スピードマスター」とスピーディ チューズデー2” ウルトラマン
この元祖145.012-67へのオマージュとして、オメガが2018年に現代の技術で蘇らせたのが「スピードマスター “スピーディ チューズデー2” ウルトラマン」(Ref. 311.12.42.30.01.001)です。9時位置のサブダイアルに隠されたウルトラマンのシルエット(蓄光仕様)や、3時位置のサブダイアルにおける「変身可能時間3分間」を示す赤いマーキングなど、原作愛に満ちたディテールを盛り込みつつ、元祖モデルの象徴だったオレンジのセンターセコンド針を踏襲しています。世界2,012本限定で発売時点ですでに完売しており、現在は生産終了。中古市場では定価を上回る水準で取引されています。
つまり、オメガの取り組みは「元祖145.012-67→現代の公式オマージュ311.12.42.30.01.001」という、一本の血脈を辿るストーリーになっています。一方で今回のブライトリング版は、そうした劇中実機の系譜とは異なる文脈——ウルトラマンというキャラクター設定そのもの(宇宙由来)を隕石という素材で語る——というアプローチを取っています。両モデルを並べてみると、同じ「ウルトラマン」というモチーフでも、アプローチの違いが際立ちます。
| 項目 | ブライトリング ナビタイマー B01 43 ウルトラマン | オメガ スピードマスター スピーディチューズデー2 ウルトラマン |
|---|---|---|
| 型番 | AB01389D1G1A1 | 311.12.42.30.01.001 |
| 発表年 | 2026年 | 2018年(元祖145.012-67は1968年) |
| コラボの切り口 | 「宇宙からの飛来」というテーマ性(隕石文字盤) | 劇中に実在したヴィンテージ機(145.012-67)の意匠を再現 |
| ケースサイズ | 43mm | 42mm |
| ムーブメント | 自動巻き Cal.B01 | 手巻き Cal.1861 |
| 限定本数 | 世界160本 | 世界2,012本 |
| 流通状況 | 2026年10月発売予定 | 発売時完売、生産終了 |
オメガ版(および元祖145.012-67)が「劇中の実機・意匠を再現する」という直球のアプローチだったのに対し、今回のブライトリング版は、ウルトラマンというキャラクターの設定そのものを素材選定で語るという、一段抽象度の高いアプローチを取っています。ロゴや意匠を前面に出さない分、ナビタイマーというモデルの品格を保ちながらコラボを成立させている点は、既存のブライトリングファンにとって好感を持てるポイントと言えるでしょう。
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もう一つ、「メテオライト(隕石)文字盤のクロノグラフ」というカテゴリーに注目してみましょう。実はメテオライト自体は、高級時計業界において決して珍しい素材ではありません。ロレックスは「コスモグラフ デイトナ」のホワイトゴールドモデル(Ref. 126519LN-0007)にメテオライトを採用していますし、オメガも「スピードマスター ムーンフェイズ メテオライト」(Ref. 304.30.43.52.06.001、304.30.43.52.01.001)を2025年に発売しています。
他にもオメガの「スピードマスター グレーサイド オブ ザ ムーン メテオライト」(Ref.311.63.44.51.99.001)や、ゼニスの「クロノマスター スポーツ」(Ref. 03.3120.3600/76.M3100)なども思い当たりますが、現在は生産終了となっています。
| 項目 | ブライトリング ナビタイマー B01 43 ウルトラマン | ロレックス デイトナ 126519LN-0007 | オメガ スピードマスター ムーンフェイズ メテオライト |
|---|---|---|---|
| 型番 | AB01389D1G1A1 | 126519LN-0007 | 304.30.43.52.06.001 |
| ケース素材 | ステンレススチール | 18Kホワイトゴールド | ステンレススチール |
| ケースサイズ | 43mm | 40mm | 43mm |
| 文字盤素材 | ムオニオナルスタ隕石 | メテオライト(産地非公表) | 鉄隕石(ガルバニックグレー加工)+月隕石(ムーンフェイズ表示部) |
| ムーブメント | 自動巻き Cal.B01(COSC認定) | 自動巻き Cal.4131(クロノメーター) | 手巻き Cal.9914(マスタークロノメーター認定) |
| パワーリザーブ | 約70時間 | 約72時間 | 約60時間 |
| 防水性 | 30m | 100m | 50m |
| 限定生産 | 世界160本(限定) | 非限定(カタログモデル) | 非限定(ブティック限定販売) |
| 参考価格(税込) | ¥1,966,800 | ¥7,342,500 | ¥2,871,000 |
こうして並べると、メテオライトというジャンル全体の中での今回のモデルの立ち位置が見えてきます。まず価格面では、18Kホワイトゴールドケースを採用するロレックスの約734万円が突出しており、素材コストの差が色濃く反映されています。一方、スチールケース同士で比較すると、オメガのムーンフェイズ メテオライトが約287万円であるのに対し、ブライトリングのウルトラマンモデルは約197万円。ムーンフェイズという複雑機構を持たない分の価格差はあるものの、メテオライト文字盤搭載モデルとしては比較的手が届きやすい価格帯に位置していると言えます。
また希少性という観点では、ロレックスとオメガのいずれも「非限定・カタログ(あるいはブティック常時取扱い)モデル」であるのに対し、ブライトリングは世界160本という数字を明確に打ち出している点が対照的です。永続的に入手し得るメテオライト文字盤クロノグラフに対して、期間・本数ともに限定された一期一会のモデルという性格の違いは、購入を検討する際の重要な判断材料になるはずです。
なお余談ながら、ブライトリングがメテオライト文字盤を採用するのは今回が初めてではありません。2025年7月発表の「アーリング・ハーランド シグネチャー クロノマット」(同じムオニオナルスタ隕石を使用)、2026年4月発表の「ナビタイマー コスモノート アルテミスII」といった、ブランドの近年のメテオライト採用モデルに続く最新作となります。
| モデル名 | ナビタイマー B01 クロノグラフ 43 ウルトラマン リミテッド |
|---|---|
| 型番(Ref.) | AB01389D1G1A1 |
| ケース素材 | ステンレススチール |
| ケースサイズ | 直径 43.00mm × 厚さ 13.69mm |
| 文字盤 | ムオニオナルスタ隕石(メテオライト) |
| ムーブメント | Cal.B01(ブライトリング マニュファクチュール、COSC認定) |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| カレンダー | 日付表示機能 |
| 振動数 | 毎時28,800振動(4Hz)/47石 |
| 防水性 | 30m(3気圧) |
| 限定本数 | 世界160本(ONE OF 160刻印) |
| 付属品 | 専用ボックス、ウルトラマンシリーズ60周年記念ロゴピンズ |
| 日本定価(税込) | ¥1,966,800 |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
ナビタイマー B01 クロノグラフ 43 ウルトラマン リミテッドは、オメガが145.012-67から2018年のスピーディチューズデー2まで受け継いできた「劇中機の忠実な再現」とは異なるアプローチで、ウルトラマンという素材と向き合った一本です。メテオライト文字盤というカテゴリーで見ても、ロレックスやオメガに比べて手が届きやすい価格帯にありながら、世界160本という希少性を備えている点は、既存のナビタイマーファンにとって検討に値するポイントと言えるでしょう。「宇宙から来たヒーロー」というモチーフを、派手な演出ではなく素材そのもので静かに語る——そうした姿勢自体が、このモデルの最大の見どころかもしれません。
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