更新日：2024年08月02日
先日、グランドセイコーの海外展開モデルが日本国内で発売される、というニュースをお伝えしたばかりでまたタイムリーなニュースが飛び込んできました！グランドセイコーは米国市場向けに2つの44GSモデル、「ヘリテージコレクション US限定モデル SBGA507 SBGA509」を各300本限定でリリース。スプリングドライブが製造される「信州 時の匠工房」の南東にある、諏訪湖の”Sunset（日の入り、夕暮れ）”と”Sunrise（日の出、朝日）”をモチーフにした色合いが特徴です。
グランドセイコー SBGA507 SBGA509／横 40.0mm 縦 46.2mm 厚さ 12.5mm、ステンレススチール製ケース、スプリングドライブ 自動巻（手巻つき）キャリバー 9R65搭載。希望小売価格： USD $5,600。US限定各300本。US内グランドセイコーブティック、公式オンラインにて発売中。
いずれも直径40mm、厚さ12.5mmのステンレススティール製ケースに、72時間のパワーリザーブと月差±15秒の精度を誇る自動巻きスプリングドライブキャリバー9R65を搭載しています。
今回の最大注目ポイントは、グランドセイコーがGrand Seiko USAの設立を祝して2018年にリリースした3つの記念モデルでも話題となった”Kirazuri”ダイヤルを今回も採用している点です。
日本ではなかなか入手の難しそうなモデルではありますが、詳細をお伝えして参ります。
グランドセイコー（GRAND SEIKO）は、海外限定で展開しているモデルの一部をグランドセイコーブティックオンラインにて限定販売開始！
SBGA509
SBGA507
グランドセイコーはアメリカ市場での販売強化戦略の足掛かりとして、2018年10月1日、セイコーウォッチはアメリカ市場で100％出資の販売会社「グランドセイコー・コーポレーション・オブ・アメリカ」（ニューヨーク州）を設立し、 アメリカ市場での販売強化戦略の第一弾として2018年に発売された3本のUS限定モデルは、浮世絵の技法である「雲母摺（きらずり）」に着想を得た美しい光沢のある文字盤を採用していました。
「雲母摺（きらずり）」に着想を得たUS限定モデルが登場！グランドセイコー ヘリテージ コレクション U.S.リミテッドエディション 2018は、SSモデルが6,800ドル（約76万円）、18KRGモデルが29,500ドル（約330万円）、プラチナモデルが53,000ドル（約593万円）です。
3本の中で唯一のスティールモデルであるグランドセイコー SBGA387は、特に熱狂を持って迎えられました。時代を先取りしたティファニーに近いライトブルーの文字盤は、グランドセイコーファンか否かを問わず、大きな反響を呼んだのです。しかし本当に目を引いたのは、その輝く質感です。
”Kirazuri”は「“sparkling painting”（きらめく絵画）」と翻訳され、ダイナミックな輝きとブルーの色合いが組み合わさり、グランドセイコーの人気に火をつけるのに一役買いました。
余談ですが、中古市場でSBGA387は一時14,000ドルにも達し、発売から既に6年が経ち、ライトブルー系文字盤のGSもいくつかリリースされたことも影響してか、ようやく8,000～9,000ドル前後に落ち着いてきています。
そして今回の新たなUS限定の”Kirazuri”モデルの登場です。用意されたのは2色で、1つは諏訪湖の夕暮れをイメージした「SBGA507」、もう１つは諏訪湖から昇る朝日をイメージした「SBGA509」です。
SBGA509の絶妙な色合いは、グランドセイコーの”桜”モデルに魅せられた方には特に魅力的に映るでしょうね。サーモンピンクやローズに近いトーンでしょうか。ゴールドのGSロゴが控えめに見えます。
他のグランドセイコーのピンクより、フェミニンさが抑えられているようにも感じます。
一方、ブルーもグランドセイコーとしては十八番というか定番色ではありますが、きらずりの質感に乗るとまた違った印象を与えます。
独特の風合いのあるきらずり文字盤の表面は、リネン（麻）のようでもありますね。
秒針や普段主張しすぎ感のあることもあるパワーリザーブ表示もブルーで統一され、シックさを増しています。
ブルーのSBGA507は夕空、ピンクのSBGA509は早朝の日の出にインスピレーションを得ている、とのことですが、なるほど、好対照の2本ですね。
搭載されるムーブメントは、自動巻きスプリングドライブムーブメント「キャリバー9R65」です。
キャリバー9R65が初めて発表されたのは20年前の2004年ですが、今でも時計業界において最も革新的なキャリバーの1つであり、通常はクォーツ時計でしか実現し得ないとされる月差+/-15秒という高精度と約72時間のパワーリザーブを提供しています。
2024年はスプリングドライブムーブメント「キャリバー9R」の誕生20周年となり、本作もこれを祝したモデル、という位置づけでもあるようですね。国内でも「グランドセイコー ヘリテージコレクション キャリバー9R 20周年記念限定モデル SBGA497」は「穂高連峰の朝焼け 」をテーマとしたピンクの雪白ダイヤルが注目を集めましたが、一言に”ピンク”と言っても色々あるな、とつくづく感じさせられますね。
ピンクの雪白ダイヤルを備えた「グランドセイコー ヘリテージコレクション キャリバー9R 20周年記念限定モデル SBGA497」は41mmのブライトチタン製ケースに キャリバー9R65を搭載。希望小売価格： 869,000 円（税込）、2024年3月8日（金）発売。
「赤×黒」のGMT搭載モデル「グランドセイコー スポーツコレクション キャリバー9R 20周年記念限定モデル SBGE305」は40.5mmのステンレススチール製ケースに キャリバー9R66を搭載。希望小売価格： 847,000 円（税込）、2024年6月発売。
ちなみに本作は裏蓋がサファイアクリスタルバック仕様と公表されていますが、グランドセイコーは一切その写真を提供しておりませんので、どういったデザインになっているかは不明です。グランドセイコーの裏スケモデルは、ガラス部分の獅子の紋章や文字の刻印が、特にムーブメント鑑賞に邪魔になる場合もあり、クレームがあったかどうかは分かりませんが、最近はプリントなしのものが増えてきているように感じます。前述の20周年記念モデルSBGA497も、特にガラス部分にはプリントはありませんでしたので、本作も恐らくは”ただの透明なガラス”だけであると予想（というか期待）されます。
SBGA387 と同様に、SBGA507 と SBGA509 は、直径 40mm、厚さ 12.5mm、ラグからラグまで46.2mmと非常に着け心地の良い、100m 防水のステンレススチール製”44GS”ケースを採用しています。44GS の特徴である幅広のラグは、歪みのないザラツ鏡面研磨で仕上げられており、時計を正面から見るとケースは陰影を帯び、文字盤がより引き立ちます。
ブレスレットは、主にブラシ仕上げの表面と、2列の細い高光沢仕上げの中央リンクで構成されている定番のスタイルです。中留はワンプッシュ三つ折れ方式を採用しています。
最近は簡単に長さが調節できるアジャスター方式を採用するブランドが増えていますが、グランドセイコーもダイバーズだけでなくすべてのモデルにアジャスターつきのブレスレットを導入してくれることを祈るばかりです。
グランドセイコー SBGA507 と SBGA509 をご紹介しました。どちらも最近コレクターも増えつつあるアメリカという広い市場に対して、 300 本限定なので、”SBGA387の熱狂”を考えても早々に売り切れるのではないかと思います。
しかも5,600 ドルという価格は、SBGA387 の 6,800 ドルよりも大幅に安いわけですから。
US限定が出るならば、海外の他の地域からも限定モデルが出るのでは、と期待も膨らみますね。今後も最新情報が入りましたらお伝えして参ります！
| モデル | ヘリテージコレクション US限定モデル
Heritage Collection Kirazuri USA-exclusive Limited Edition |
|---|---|
| 型番（Ref.） | SBGA507 SBGA509 |
| ケースサイズ | 横 40.0mm 縦 46.2mm 厚さ 12.5mm |
| ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた：ステンレスとサファイアガラス |
| ムーブメント | スプリングドライブ 自動巻（手巻つき）キャリバー 9R65 |
| 精度 | 平均月差±15秒（日差±1秒相当） |
| 駆動期間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
| 防水性 | 日常生活用強化防水（10気圧） |
| 耐磁性 | あり |
| 生産本数 | US限定 各300本 |
| 取扱店舗 | USのグランドセイコーブティック、一部の正規販売店、およびオンラインショップ |
| 価格 | USD $5,600 |
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