更新日:2025年11月14日
クラシックなグランドセイコー エレガンスコレクションGMTに新たな文字盤を搭載した新作SBGM255”雪雫”とSBGM257”月雫”が登場しました。両モデルとも39.5mmのステンレススチールケースに機械式キャリバー9S66を搭載し、季節にインスパイアされた斬新な文字盤デザインを採用しています。
グランドセイコー SBGM255・SBGM257/横 39.5mm 縦 46.9mm 厚さ 14.1mm、ステンレススチール 裏ぶた:ステンレススチールとサファイアガラス、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9S66搭載。希望小売価格:各 704,000 円(税込)、2025年12月5日発売予定。
本ブログでは新作SBGM255”雪雫”とSBGM257”月雫”が静かに湛える魅力に、じっくりと迫ります。
グランドセイコー SBGM255とSBGM257は、優れた実用性と美しさを両立する「エレガンスコレクション」。自動巻きGMT機能を備えながら、上品なクラシックスタイルを完成させた、2010年登場の「SBGM021」のデザインを踏襲しつつ、新作にはそれぞれ春と秋に自然が見せる一瞬の輝きを映し出した模様付きの文字盤を採用し、伝統的な職人技とモダンで控えめな美学を組み合わせるグランドセイコーのアプローチが反映されています。
さっそくディテールに注目して参りましょう。
この2つのモデルは1960年の初代グランドセイコーの意匠を受け継ぐクラシカルで柔らかなラウンドフォルムと、ザラツ研磨による歪みのない美しい輝きが特徴です。丸みを帯びた39.5mmのステンレススチールケースは、どの角度から見ても柔らかく温かみのある丸みを帯びた形状が特徴で、ダークトーンのクロコダイルストラップもあいまって、クラシックでエレガントな雰囲気を醸し出しています。
ケースには熟練の職人技によるザラツ研磨が施され、歪みのない鏡面のような輝きとシャープな稜線が引き立ち、「光と影の調和」というグランドセイコースタイルを体現しています。
ラグからラグまでの長さは46.9mm、わずかに面取りされたラグは先端に向かって広がり、ザラツ研磨によって引き立てられた鮮明な稜線がシャープな印象を与えています。内面無反射コーティングを施したボックス型のサファイアクリスタルは、ヴィンテージウォッチのようなクラシックな外観を強調しています。この盛り上がった形状は、ベゼルを傷から保護する役割も果たしています。
ただ、ケース厚がSBGM221の13.7mmよりもさらに増して、14.1mmにもなる点については賛否両論あるのは事実です。クラシカルさが引き立つ、という見方もできますが、スーツの袖元の収まりが気になる、という方もいるでしょう。例えば、パテック・フィリップ ワールドタイムは10.23mm、スポーツモデルのロレックスGMTマスターIIでの約12mmですから、薄型が多い”ドレスウォッチ”として本作を見るのであれば、この厚みはややネックと言えるかもしれません。
スポーツコレクションのGMTモデルも厚さは14.4mmと変わらず、これは搭載ムーブメント(9S66)によるところですので、今後の改善が期待される点です。現状、グランドセイコーのラインナップでGMT機能付き、かつ少しでもケースの薄さを求めるならばクォーツキャリバー9F86搭載モデル(SBGN系)が選択肢となりますが、今のところエレガンスコレクションには展開していません。もちろん9Fクォーツも瞬間日送り機構も時針単独時差修正機能も搭載し、高い実用性も魅力のグランドセイコーが誇る究極のムーブメントです。これが搭載されればケース厚は12mm程度に抑えられると思いますが、さてエレガンスコレクションにクォーツGMTの需要があるのかどうなのか。
また、防水性の観点では、「日常生活防水」にとどまり、やや不満の声も聞かれます。SEIKOの規定する「日常生活防水」は、「日常生活での『水がかかる』程度の環境であれば使用できます。」となっており、水泳やスポーツなどには適しません。まぁ本作は革ベルト仕様ですので、そういった用途を求めている方はそもそもいないでしょう。時計にとって水は大敵です。手洗い程度ならさほど問題ないでしょうが、決して防水性能は高くない、という前提での使用を強くお勧めします。
さてようやく本作の最大の注目ポイントについて語ることができます。
早春の季語「雪雫」から着想を得て、春の陽射しに輝く雪どけの雫をダイヤルに表現した ---グランドセイコー公式サイトより
SBGM255”雪雫”は、淡いテクスチャーの文字盤を採用し、ブルーの24時間針が第2時間帯の視認性を高めています。「雪雫(ゆきしずく)」は「雪解雫(ゆきげしずく)」とも言い、積もっていた雪が解けて水滴となり、春の日差しを浴びて、きらきらと輝く様子を指します。長い冬が明け、春の到来を喜ぶ晴れやかさが伝わるようですね。
さてこの幾何学的な螺旋模様、今までありそうでなかったパターンですね。その繊細さはブレゲやパテック・フィリップと言った高級海外時計のギョーシェ装飾を思わせます。光の入射角によって多様な反射光を放ち、ダイヤルにはドレスウォッチ然とした上品な立体感が生まれています。
秋の季語「月雫」から着想を得て、月の光を浴びて輝く儚い露をダイヤルに表現した ---グランドセイコー公式サイトより
一方、SBGM257”月雫”は、ネイビーカラーの同じ幾何学的な螺旋模様の文字盤を採用し、ゴールドカラーのGMT針とのコントラストが秋の月光に照らされた露を想起させます。「月雫」、通常「月の雫」は「露」のことで、二十四節気では残暑が収まり、朝夕が涼しくなってきたその気温差によって露ができ始める頃を「白露(はくろ)」、秋分を経て、さらに寒くなる頃を「寒露(かんろ)」と呼びます。秋の月が長夜に零した「月の雫」、深まる秋を感じられる、なんともロマンチックな言葉ですね。
もっと気温が下がると「露」は「霜」へと変わり、その「儚さ」も、さらに風情を高めています。
どちらの時計にも、アプライドインデックスと3時位置に枠で囲まれた日付表示が採用されています。情感を込めた幾何学的ダイヤル模様の美しさを思えば、日付表示はなくてもよかったかも、と思うのは果たして筆者だけでしょうか。それともやはりトラベラーには日付は必須なのでしょうか。
グランドセイコーの職人技は文字盤だけでなく、針にも発揮されています。写真はSBGM221のものですが、秒針の先端は、ダイヤルに向かって手作業でわずかに曲げられています。これは針の先端とダイヤルの目盛との距をが近づけることで、より正確に時刻を読み取ることができるようにするためです。
筆者のお気に入りはホワイト系のSBGM255ですが、まさに秋深まる(というより秋どこ行った?)今の気分で選ぶならSBGM257でしょうか。
内部には毎時28,800振動の自動巻きGMTキャリバー9S66が搭載されています。24時間針によるデュアルタイム表示機能、そして秒針を止めることなく1時間単位で時針だけを調整できる12時間針を備えています。グランドセイコーは、このムーブメントの平均日差(最終組立前の12日間、6姿勢・3温度差での測定後)を+5~-3秒と評価していますが、通常の使用の精度(携帯精度)であれば日差+10~-1秒程度としています。
半導体の製造などで用いられる加工技術「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」をガンギ車とアンクルなどに採用することで、約3日間のパワーリザーブと安定性を確保しています。
SBGM255とSBGM257の価格は704,000 円(税込)。ちなみに海外定価は5,200ユーロ、5,400ドルです。 他のキャリバー9S66搭載モデルを見てみましょう。
過去に海外限定モデルとして発売され、現在はグランドセイコーブティックオンライン専用モデルとして販売されている「SBGM241」はやや安く、638,000 円(税込)ですが、こちらは例外的としておきましょう。ベースととなる「SBGM221」が671,000 円(税込)で、新作のほうが33,000円高く設定されているものの、突出している、というほどではありません。ダイヤルの意匠以外に、新作の方がわずかに厚みと重量(SBGM221は厚さ 13.7mm・88g、新作は14.1mm・92g)を増している点が認められ、細かな変更があったのではと推測します。
今回の新作ニュースを目にしたとき、恐らく思い出したグランドセイコーフリークの方もいらっしゃるであろうモデルが、キャリバー9Sの誕生20周年を記念して、2018年に発表された1,000本限定の「グランドセイコーエレガンスコレクション キャリバー9S20周年記念 限定モデル SBGM235」です。
グランドセイコー エレガンスコレクション キャリバー9S20周年記念 限定モデル SBGM235
グランドセイコーの「G」「S」と、グランドセイコー初の10振動モデル「45GS」を生み出した第二精工舎の「S」マークの3種を規則的に配置したオリジナルパターンの白いダイヤルにブルーの差し色が効いていて非常美しい1本です。
左)SBGM235 右)SBGM255
同じ39.5mmのSS製ケースにキャリバー9S66を搭載しており、ほぼ同スペック。1,000本限定という希少性もプラスされ、中古市場では110万円以上の値で流通しています。発売当時の定価は550,000 円+税ですから、グランドセイコーの時計としてはかなりプレミア化した部類に入るのではないでしょうか。見比べてみるとどうでしょう、SBGM235の特別感はさすがですね。SBGM255も写真の出来が良くないと思われ、実機はもっと、かなり、美しいです、と付け加えておきますね。
グランドセイコー エレガンスコレクション キャリバー9S20周年記念 限定モデル SBGM235は、横39.5mのステンレススチール製ケースに手巻き付き自動巻き Cal.9S66を搭載しています。
メカニカルGMTの発売10周年を記念して、2012年にマスターショップのみで販売された1000本限定の「SBGM031」も触れずにはいられないでしょう。
左)SBGM031 右)SBGM257
こちらは2012年とあって、懐かしの「SEIKO」ロゴ。濃紺のダイヤルにゴールドの差し色、という点はSBGM257と共通ですが、やはりダイヤルパターンが凝っている分、SBGM257のほうが洗練された印象ですね。SBGM031は中古市場でも40~60万円台で流通していますので、コーポレートカラーである深みのあるネイビーカラーも十分に美しく、シンプルさを好む方にはむしろおすすめと言えます。実はこちら、裏蓋のサファイアクリスタル越しには、陽極酸化処理によるブルーのチタン製回転錘が覗きます。近年では「キャリバー9S25周年記念限定モデル SBGM253」にも採用されていましたね。現状プレミア化はしておりませんが、通には刺さる?隠れた逸品でもあります。
気のせいと言えば気のせいかもしれませんが、いずれも本数限定モデルが今回ブラッシュアップしてレギュラーモデルとしてリリースされた、とも受け取れます。こういった流れがあるのであれば、個人的には海外限定のレアモデル(オセアニア限定”鳴門の渦潮”SBGH331、US限定モデルSBGK015”龍泉洞”など)のマイナーチェンジ版も期待したいところです。
目の肥えた海外時計ファンはどのような感想を寄せているのでしょうか。SNSに寄せられたSBGM255とSBGM257へコメントから評判を探ってみましょう。
「その鋭いフォルム。だからクールに感じる。」
「素晴らしい!GSシリーズ全般に言えることだが、スペック表だけでは真価はわからない。実際に腕に巻いてみるのが絶対必要だ!」
「美しいけれど、厚さ14mm以上?!」
「ムーブメントを薄くし、防水性能を向上させる必要がある。」
デザインに関しては洗練されたモダンな美しさを高く評価する声も多くある一方で、やはりケースの厚みと防水性に対する鋭い指摘も散見されました。こればかりは同意せざるを得ませんので、今後改良されていくのかどうか、GSのさらなる成長のカギを握る1つポイントかもしれません。
余談ですが、どう考えても公式の写真より、メディアサイトの実機写真の方が素敵に見えますね!w
エレガンスコレクションに投入された新作 SBGM255とSBGM257についてご紹介いたしました。
実はエレガンスコレクションのGMTモデルに今まであまり食指が動くことはありませんでしたが、本作で採用されたダイヤルデザインは「これがこのモデルの正解だったんだ!」と思うほど、”しっくり”来たんですよね・・・。ニュアンスで申し訳ないのですが、ちょっと”もったり”としたクラシカルさから脱却して、一気に洗練された印象です。
もしSBGM235を切望していて手に入れられずにいるならば、まずはこちらの時計を見に行ってみてはいかがでしょうか。

| モデル | エレガンスコレクション ”雪雫”
Elegance Collection Automatic GMT Snowdrop |
|---|---|
| 型番(Ref.) | SBGM255 |
| ケースサイズ | 横 39.5mm 縦 46.9mm 厚さ 14.1mm |
| ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレススチールとサファイアガラス |
| 中留 | ワンプッシュ三つ折れ方式 |
| ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9S66 |
| 精度 | 静的精度:平均日差+5秒~-3秒 携帯精度:日差+10~-1秒 |
| 駆動期間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
| 防水性 | 日常生活用防水 |
| その他 |
|
| 重量 | 92 g |
| 取扱店舗 | グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ |
| 発売日 | 2025年12月5日発売予定 |
| 価格 | 704,000 円(税込) |

| モデル | エレガンスコレクション ”月雫”
Elegance Collection Automatic GMT Moondrop |
|---|---|
| 型番(Ref.) | SBGM257 |
| ケースサイズ | 横 39.5mm 縦 46.9mm 厚さ 14.1mm |
| ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレススチールとサファイアガラス |
| 中留 | ワンプッシュ三つ折れ方式 |
| ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9S66 |
| 精度 | 静的精度:平均日差+5秒~-3秒 携帯精度:日差+10~-1秒 |
| 駆動期間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
| 防水性 | 日常生活用防水 |
| その他 |
|
| 重量 | 92 g |
| 取扱店舗 | グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ |
| 発売日 | 2025年12月5日発売予定 |
| 価格 | 704,000 円(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
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