更新日:2026年01月29日
カルティエ(Cartier)の腕時計の中でも、「タンクソロ(Tank Solo)」は長年にわたり“手の届く名作”として高い人気を誇ってきました。シンプルで完成度の高いデザイン、豊富な流通量、そして比較的安定した価格帯。そうした理由から、初めてのカルティエとして選ばれることも多いモデルです。しかし近年、中古市場ではタンクソロの中でも特定の仕様や文字盤デザインを持つ個体が、徐々に高額で取引されるようになってきています。
その中心にあるのが、「インデックスアニメーション(アニメーション文字盤、animation)」、あるいは「ピアノ(piano)」と呼ばれる独特な文字盤を持つ W5200017 と W5200018 です。これらは単なる仕様違いではなく、文字盤デザインそのものを特徴とする型番であり、一般的なタンクソロとは異なる市場評価を受け始めています。
本記事では、タンクソロのレアモデルがなぜ評価され始めているのか、そして今なお手頃に購入できる個体との違い、さらには売却を検討するうえでのポイントについて、信頼できる市場データをもとに丁寧に解説します。
タンク ルイ カルティエの魅力をはじめ、その他のシリーズに比べて高価な理由や、モデルの選び方、資産価値などについて解説します。
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1920年製の初代モデル
カルティエの「タンク」は1917年に誕生し、時計史において最も完成度の高い角型時計のひとつとされています。その中でタンクソロは2004年に登場した比較的新しいラインで、クラシックなタンクの意匠を保ちながら、現代的なサイズ感と実用性、そして価格のバランスを重視したモデルです。サイズはXL、LM、SMと広く展開し、エントリーモデル的な位置づけで長く愛されましたが、2021年、タンクマストシリーズの登場と入れ替わるようにしてカタログから姿を消し、現在は生産終了となっています。
ステンレススティールケースを中心に、クォーツムーブメントを多く採用したタンクソロは、「資産価値」というよりも「実用品」「ファッション性」に重きを置かれて語られることが長らく一般的でした。そのため中古市場でも、安定はしているが大きく値上がりするモデルではない、という認識を持たれてきた側面があります。
実際、多くのタンクソロは現在でも「カルティエの中では手頃」という評価のもと、幅広い価格帯で取引されています。この点は今も変わりません。
一方で、長期間にわたり生産されたモデルであるがゆえに、タンクソロには細かな仕様違い、文字盤デザインの差異が存在します。基本的にはステンレススティールケース&クォーツ、という組み合わせが多いですが、タンクソロの中には、一部ゴールド製のものや、自動巻きモデルなども存在します。
そんな中でも、流通量が少なく、近年になって評価が見直され、まさに現在、中古市場で価格差が生まれ始めているのが、この“他とは違う”タンクソロなのです。
その代表格として今回は「アニメーション」あるいは「ピアノ」と呼ばれる、特別な文字盤を持つW5200017 と W5200018 をご紹介します。
W5200017 と W5200018 は、2010年頃に一般的なタンクソロと同じケースデザインを採用しながら、特徴的な文字盤で展開されたモデルです。中古市場では、この文字盤が「インデックスアニメーション(アニメーション文字盤)」あるいは「ピアノ」と呼ばれています。
「アニメーション」や「ピアノ」という呼称は、カルティエが公式にモデル名として定義しているものではありません。中古市場や時計専門店、愛好家の間で使われている通称です。なお、海外では”piano”の方が多数派のようです。
「ピアノ」という呼び方は、文字盤の質感や視覚的なコントラストが、ピアノの鍵盤や塗装を連想させることに由来するとされます。また静的な印象になりがちなローマ数字インデックスをダイナミックに配置したことで動きを感じさせることから、「アニメーション」とも表現されてきました。
通常のタンクソロの文字盤は、フラットで均一なシルバーダイヤルに、ローマ数字インデックスを配した非常にオーソドックスな仕様です。それに対し、アニメーション/ピアノと呼ばれる文字盤は、質感や仕上げに明確な違いがあり、同じタンクソロでありながら印象が大きく異なります。
両者の違いはサイズです。
W5200017(3169)はラージモデル(LM、27x35mm)で、W5200018 (3170)はスモールモデル(SM、24x31mm)です。いずれもステンレススティール製ケースにクォーツムーブメントを搭載しています。
ここ数年、カルティエに対する評価は世界的に見てもぐっと上昇しています。
世界有数の高級時計オンラインマーケットプレイスであるChrono24によると、2024年のブランド別動向でカルティエは+約1.0%の値上がりを記録(同年市場は概ね横ばい)。これは主要ブランドの中でプラス側に入る数字です。また、モルガン・スタンレー発表による2024年の推定売上高ランキングで、カルティエはロレックスに続き堂々の2位。カルティエはリシュモンの中核ブランドとして、売上・利益成長の牽引役を果たしています。
カルティエの時計と言えば、「タンク」「サントス」「パンテール」「バロンブルー」などのアイコニックなデザインがいくつも思い浮かびます。いずれも国際的な人気が高く、カルティエにおける価値の基本はブランド力と「時代を超越したデザイン」にある、と言えます。カルティエの時計は卓越したデザイン言語を持ち、認識性が高いことが価格維持・上昇につながっているのです。これは同じくタイムレスなデザインが魅力の1つでもある、ロレックスのデイトナやサブマリーナ、GMTマスターなどにも通じる点ですね。
カルティエの時計全体に対する評価が成熟に向かう一方で、ヴィンテージモデルでは「希少性とデザインの特異性」が価値を大きく左右し、通常の中古時計とは別の価格帯で取引されるケースが見られます。
例えばクラッシュ(Crash)やクッサン バンブー(Coussin Bamboo)など、独特なデザインのヴィンテージはコレクター間で高騰しており、海外オークションでも軒並み高額落札されています。
2025年11月、約2150万円で落札された「カルティエ クッサン バンブー」
「希少なカルティエ」に対する需要は確実に高まってきている、と言えるでしょう。
さて、タンクソロ全体は流通量が多いモデルですが、W5200017・W5200018は決して数が多いとは言えません。そのため、市場では「よく見かけるタンクソロ」と「なかなか出てこないタンクソロ」が明確に分かれ始めています。
Chrono24や国内の中古時計販売サイトを見ても、これらの型番は常時豊富に並ぶモデルではなく、状態の良い個体は比較的早く売れていく傾向があります。
以前は、同じタンクソロとして一括りにされていたこれらのモデルも、近年は中古市場に対する関心の高まりや情報の蓄積によって、文字盤デザインに注目する購入者が増えています。その結果、W5200017・W5200018は「少し高くても選ばれるタンクソロ」として、市場での立ち位置を変えています。ほんの数年前までは20万円前後で販売されていましたが、2025年12月現在、販売価格は100万円前後まで高騰しています。オークションピースほどの高額にまでは届かないにしても、数年前の5~6倍の価格まで上昇している、というのは驚くべき事実だと思いませんか?
誤解してはいけないのは、タンクソロ全体が高騰しているわけではない、という点です。標準的な文字盤仕様のタンクソロは、現在でも比較的手頃な価格帯で安定して流通しています。
そのため、カルティエのデザインを楽しみたい方にとっては、依然として魅力的な選択肢であることに変わりはありません。
スティール製モデルで、SMサイズなら27万円台~、LMサイズなら30万円台から入手可能です。
これからタンクソロを購入する人にとっては、依然として現実的な価格帯のモデルが多く残っている一方で、W5200017・W5200018のようなレア性を持つ型番は、将来的な評価を意識した選択肢になり得ます。
珍しい文字盤を備えた個体はすでに価格が上がり始めている一方で、まだ市場全体に広く認知されているとは言い切れません。そのため、専門店で丁寧に見比べることで、将来的に評価される可能性を秘めた個体に、比較的現実的な価格で出会える余地も残されています。
アニメーション文字盤(ピアノ)以外にも、通常仕様とは異なる特徴を持つタンクソロがあります。これらのモデルは現時点では通常仕様モデルとあまり変わらない価格で流通しており、将来的な価値は未知数ですが、いくつかご紹介しましょう。
その名の通り、パイソンモチーフのダイヤルにパイソンストラップを合わせたモデル。蛇好きの方には刺さりそうですね。海外では脱皮による「再生・復活・不死性」「成長」「永遠」の象徴、あるいは「幸運」「金運」「知恵」をもたらす縁起の良いモチーフとされています。神の使いとされ、「守護」「魔除け」の意味も持ち、特に日本では弁財天と結びつき「商売繁盛」や「金運上昇」、欧米では「永遠の愛」の象徴として、ジュエリーや時計、ファッションアイテムに蛇モチーフが用いられることも多くあります。
ブルガリの「セルペンティ」などが有名ですね。
ただ一方でこの生物を忌み嫌う方もいらっしゃるデザインですので、こればかりは好き嫌いが分かれるところです。
カルティエにおけるパンテール(豹)は、単なる装飾モチーフではなく、メゾンの美学と精神そのものを象徴する存在です。しなやかでありながら圧倒的な存在感を放つ豹の姿は、カルティエが目指してきた「大胆さと洗練の両立」を視覚的に表現しています。特に、自立した現代的な女性像と強く結びつくモチーフとして位置づけられています。
1914年、ルイ・カルティエが豹の斑点を抽象化したデザインを発表したことが始まりとされ、その後、ジャンヌ・トゥーサン(カルティエの伝説的クリエイティブディレクター)がこのモチーフを本格的に発展させました。彼女は「ラ・パンテール(豹)」の異名を持ち、パンテールをカルティエのアイコンへと昇華させた人物です。
当初ジュエリーを中心に用いられ、次第に立体的なブローチや彫刻的な作品へと発展し、メゾンの高度な宝飾技術の象徴となりました。1980年代には「パンテール ドゥ カルティエ」ウォッチが登場し、ジュエリーと時計の境界を超える存在として定着します。
そんなデザインの系譜の1つとなる本作。インデックスを廃し、ダイナミックに豹柄を描いた文字盤が個性的ですね。
カルティエの頭文字「C」とクリエイションの「C」、この2つの意味の「C」を重ねたお馴染みのロゴが文字盤に大胆にあしらわれたタンクソロ。
2006年にクリスマス限定モデルとして発売されたW1019455、W1019555。レイルウェイ ミニッツトラックを省き、インデックスを4つに絞ることで、背景の模様を引き立たせていますね。W1019455はオレンジ、W1019555はシルバーを基調としています。
こちらのモデルは弊社の姉妹サイト、「ブランド時計販売のクエリ」でも販売しております。在庫限り、早い者勝ちですので、ご興味のある方はお早めに。
中古市場では現在、タンクソロを一律に評価するのではなく、仕様や状態によって価格を分ける動きが明確になってきています。これは、珍しい文字盤を持つ個体にとっては追い風です。
需要が顕在化し、かつ供給が限定的な状況では、価格は比較的安定しやすくなります。W5200017・W5200018は、まさにその局面に入りつつあり、売却を検討する価値は十分にあると言えるでしょう。
一方で、こうした特徴を理解していない買取店では、「通常のタンクソロ」として評価されてしまうこともあります。売却を検討する際は、カルティエの時計買取実績が豊富で、文字盤仕様など細かく見てくれる専門性の高い業者を選ぶことが、納得のいく結果につながります。
カルティエ タンクソロは、これまで「手頃で安定した定番モデル」として語られてきました。しかし現在、その中でも珍しい文字盤デザインを持つ個体が再評価され、中古市場で高額化し始めています。W5200017やW5200018は、その象徴的な存在です。
一方で、まだ手頃な価格で楽しめるタンクソロも数多くあり、購入を検討している方にとっては選択肢の幅が広い状況でもあります。タンクソロの中には、ゴールドケースにスティール製の裏蓋をセットしたものや、自動巻きムーブメントを搭載したXLモデルなども存在し、それらも現行モデルの近しい仕様のカルティエウォッチと比較すれば、かなりリーズナブルな価格で購入することができます。金取引価格や定価も年々上昇しており、それも今のうちかもしれません。
そして、すでにタンクソロを所有している方、特に文字盤に特徴のある個体をお持ちの方にとっては、今が一度価値を見直す良いタイミングと言えるでしょう。
「ただの定番」だと思われていたタンクソロが、いま静かに“差がつく時計”へと変わりつつあります。その違いを知ることが、賢い購入と納得の売却への第一歩となるはずです。
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