更新日:2022年03月08日
今回はスイスウォッチの中でも売上10億ドルを超える高級時計ブランドと、コロナの影響についてお伝えしていきます。さまざまなビジネスに大きな影響をもたらしたパンデミック。どんな結果になっているのでしょうか?!ぜひチェックしてみてくださいね。
モルガンスタンレー証券とスイスの大手コンサル会社 LuxeConsultの調査と推定によると、
2020年度のスイスウォッチの売上は、2019年度に比べ激減しているとのこと。
また、この売上の変動はコロナウイルスによるパンデミックの影響が大きいとされています。
次の表はコロナウイルス蔓延前の2019年度とパンデミックが起こった2020年度の売上を比較したものです。
2019年に10億ドル以上の売り上げを獲得している八つのブランドは以下の通り。
それに対し、2020年度ではTissotとTAG Heuerがこの10億ドルグループから抜けてしまいました。
Tissot(ティソ)は1.13億ドルあった売上が一年で$668万ドルに。
TAG Heuer(タグホイヤー)は1.06億ドルが634.5万ドルとなっています。
売上が減少してしまったTissoやTAG Heuerですが、欧米や欧州では絶対的な人気を誇るブランド。
特に日本を含むアジア圏でも人気の高いTAG Heuerは近年環境問題への取り組みが評価され、ヨーロッパでの人気も高まっているそう。
こうした理由から、パンデミックの影響を受けつつも、徐々に売上が回復していくことが予想されています。
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時計界の王様といわれるROLEXはやはりその名にふさわしいダントツの売上を誇っています。
2019年度の約60億ドルに届く売上に比べると、やはり2020年度の売上はコロナの影響を受けてはいるものの、
約50億ドルを目前となっており、2位のOmegaとその差を大きく離しています。
また、スイスウォッチの小売り販売マーケットでも圧倒的なシェア率を誇っているROLEX。
スイスウォッチの全販売数を100%とみたとき、2位はOmega8.8%、3位はCartier6.7%なのに対し、ROLEXは大差をつけた、
24.9%のシェアを保持しています。
実は、パンデミック前の2019年では22%だったROLEXのシェア率。コロナが蔓延した2020年に24.9%に増えているのです。
もちろん総売り上げが減少していることから、販売本数的に増えたのではことがわかります。
しかし、このような情勢の中でもエンドユーザーの注目を途切れさせないROLEXは、パンデミックのさなかでも絶対的王者に君臨しているのですね。
2019年にあとわずかの売上で10億ドルグループに入れなかったブランドがIWCです。
IWCは2019年度に957万ドルまで売上を伸ばしており、多くの専門家が2020年度には10億ドルのグループに仲間入りすると予想していました。
ただ、やはりどのブランドにも例外なしにパンデミックが影響し、IWCも2020年度の売上は581万ドルに下がってしまいました。
それでも専門家たちはIWCが今後早い段階で10億ドルのグループに参戦するといわれています。
実はIWCはSDGsに特化したビジネスモデルへ切り替えをおこない、
高級ブランド時計から遠ざかっている若い世代のエンドユーザーから高い関心を集めているのです。
パンデミックの影響で社会的情勢だけでなく、エンドユーザーのニーズも大きく変化している中、2021年度のIWCの売上にも注目していきていですね。
日本よりもSDGsの動きが活発化している海外では、高級時計ブランドにもサスティナブルな活動が浸透してきています。
今回はスイスウォッチが受けたコロナによる被害や影響についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
やはり絶対的王者ROLEXの圧倒的な売上とシェア率に、今後急伸が予想されるIWCなど。
コロナの影響が今度どのように市場を変化させていくのか、目が離せませんね!
今後も新しい市場情報をシェアしていきますので、ぜひチェックしてみてください。