更新日:2020年08月03日
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、様々なビジネスがオンラインへと移行しており、時計業界も例外ではありません。新作発表をオンラインで行われるのはもちろん、リテールにおいては、パテックフィリップが正規店にオンライン販売を一部解禁したり、様々なブランドが相次いで公式オンラインショップをローンチしたり。そして高額な商品が投入されるオークションの世界も、さらにオンライン化が加速しているようです。
2020年7月31日、有名なオークションハウス、サザビーズが開催したオンライン・オークションにて、 1969年頃のロレックス デイトナ ポール・ニューマン ”ジョン・プレーヤー・スペシャル”6264が、$1,545,723 USD(バイヤーズプレミアムを含む)、日本円にして約1億6000円超で落札されたのです。事前の落札予想価格は$400,000 ~ $800,000 USDでしたので、2倍近い金額まで跳ね上がったということですね。サザビーズによるとこれは「オンライン・オークション」の落札額としては過去最高であり、「ロレックス デイトナ ポール・ニューマン ”ジョン・プレーヤー・スペシャル」としても、また「英国で落札された腕時計」としても記録を破る金額だったとのことです。
「ジョン・プレーヤー・スペシャル」というのは、70年代に活躍したイギリスのレーシングチーム「ロータスF1チーム」のマシンにちなんでつけられたものです。当時ロータスのスポンサーだったイギリスのたばこメーカー、ジョン・プレーヤー・スペシャル /John Player Special(略:JPS)の名前が、ブラックの駆体にゴールドの文字でペイントされており、このカラーリングからゴールドとブラックの組合わせであるデイトナもそう呼ばれるように至ったのです。ペプシ、バットマンなどもそうですが、ロレックスをこういった愛称で呼ぶ傾向は他のブランドではあまり見られない現象ですよね。
ロレックスデイトナRef.6264は、1960~70年代にかけて製造されましたが、ほとんどがステンレススティール製ケースで、18Kゴールド製の個体は世界で10本以下とも言われています。そしてダイヤルは人気の”ポール・ニューマン”。つまり今回出品された18Kゴールド製ケースの6264は、恐ろしくレア、ということです。ムーブメントには手巻きキャリバー727を搭載しています。
7月24日から31日にかけて、出品はたった1ロットのみ、という形で行われたオンライン・オークション。参加者は5人、17入札で、驚愕の価格を記録し、終了しました。コロナ禍にあっても、なんというか、影響がないところにはない、ということなんでしょうか。