先日見かけた新品の
ロレックスヨットマスターロレジウム116622のラグ裏に、見慣れない
刻印を発見しました。
刻印されている文字は
Ste (クラウンマーク) R
と読めます。
単純に「Ste」はケース素材の
ステンレススティールを意味する刻印かな、と思いますが、
「R」ってなんでしょう??
しかもよく見ると、eの上にちょんと点がある
éのようにも見えます。
フランス語の「アクサン」(アクセント)のような。
スイスならフランス語使いますから、あり得るかな、と思いますが、
Stéって単語はなさそうですし、フランス語ならステンレスのことは"acier"と言いますし、
むむ。謎が深まります。
ロレックスの他の個体を調べてみても、この刻印があるのは
今のところ
ロレックスヨットマスターロレジウム116622だけのようなんです。
しかも、保証書が今年スイスで発行された個体のみ。
(ちなみにダイヤルカラーはブルー・ダークグレーのどちらにもありました。)
ロレジウム116622だけ、ってどういうことが考えられるでしょうか。
ちなみにロレックスヨットマスターロレジウム116622は、
ケース素材が
ステンレススティール(SS)、ベゼルが
プラチナ(Pt)の組み合わせで、
これを
ロレジウム(Rolesium)と呼ぶのですが、
これは2018年現在ロレックスのラインナップのなかで
ヨットマスターにだけに存在する特別な組み合わせです。
ちなみにデイトナやGMTマスターⅡなど他のモデルに見られるSS×ゴールドの組み合わせは
ロレゾール(Rolesor)と呼ばれます。
ロレジウムモデルにだけこの刻印が見られるのであれば
Ste (クラウンマーク) Rの「Ste」はやはりステンレススティールで、
「R」はロレジウム(Rolesium)の「R」なのではないでしょうか?!
あくまでピアゾスタッフの妄想です。はい。
でも、イエローゴールドやローズゴールドと違って、プラチナって一見、ステンレスと見分けにくいという側面もありますしね。
オールスチールのヨットマスターって今のところありませんけどね(^^;)
また、先にも述べました通り、現段階では
保証書がスイス発行の個体のみでこの刻印が確認されており、
同じ時期の他国の保証書の個体には刻印がありませんでした。
スイス本国では他国よりも早く、最新仕様のものが出回りますので、
これが最新の仕様なのかもしれません。
あくまで可能性の1つですが、これからたくさんの個体が出てくれば自ずと判明するかと思われます。
しかしSteで、ステンレス、っていうのも、なんだかなぁ、そんなとこで切る?!みたいな疑問を感じなくもないですが(^^;)
以下ではロレックスのケース裏側に刻まれる刻印やホールマークについておさらいしたいと思います。
貴金属は、純度が高いほど柔らかいため、時計素材にもよく使用されるゴールドもプラチナも、純度100%のままではケースとしては硬度が足りない上に、傷がつきやすくなってしまいます。
そこで、硬さを補強するため他の金属が混ぜられていますが、その割合(品位)を表すのに、
ゴールドの場合は、一般的に24分率が、 プラチナとシルバーでは1000分率が使われます。
例えば、18金(K18)は純度が18/24ということで、1000分率で表すと750/1000となります。
ロレックスの腕時計もゴールドやプラチナモデルにはこの品位を表す刻印がラグ裏にあります。
例えばこちらの写真はホワイトゴールド製のデイトナ 116519の時計裏側の写真ですが、
とっても小さくて分かりづらいですが、18金を表す750の数字が刻まれています。
時計だけではなく、ジュエリーなど貴金属製品に刻印される
ホールマークは、
貴金属の種類、貴金属の純度、産地(検査を受けた場所)、年代、製造メーカーなどを示しています。
その形状やルールは国によって違いますが、
スイスの場合、国内で製造された時計のうち、ゴールド、シルバー、パラジウム、プラチナのケースのものに刻印することが義務づけられています。
ちなみにスイスのホールマークは
犬のセントバーナードで、首の部分には分析所の場所を表すアルファベットが刻まれます。
「G=ジュネーブ(Geneve)」「Z=チューリッヒ(Zurich)」といった具合です。
ロレックスの腕時計も例外ではなく、
例えばこちらの写真はホワイトゴールド製のデイトナ 116519の時計裏側の写真ですが、
とっても小さくて分かりづらいですが、ラグ裏にセントバーナードのホールマークが刻まれています。
わ、分かりますでしょうか?(^^;)ワンちゃんの横顔が・・・。
このセントバーナードのマークが採用されたのは1995年からで、その前はスイスを象徴するヘルヴェティアの女性の横顔でした。
お持ちのロレックスが金無垢やプラチナかどうか分からない、なんて場合は、
こういった刻印を探してみるもの一つの方法ですね!