更新日:2026年03月06日
毎年この日が近づくたびに、時計界は静かに息を呑みます。ウォッチズ&ワンダーズ・ジュネーブ(W&W)の開幕です。今年は2026年4月14日~4月20日、スイス・ジュネーブ「パレクスポ(Palexpo)」にて開催されます。60を超えるブランドが新作を披露するこの舞台で、最大の注目を浴びるのは常にロレックス(ROLEX)——世界でもっとも多くのコレクターを持ち、もっとも多くの予想を外させてきた、時計界の王者です。
2025年、ロレックスは業界の想定を大きく裏切りました。ランドドウェラーという、まったく新しいコレクションの誕生です。インテグレーテッドブレスレット、ハニカムダイヤル、そして何より革命的なキャリバー7135と「ダイナパルス エスケープメント」——スイスレバー式を創業以来使い続けてきたロレックスが、まったく別の原理を持つ脱進機を量産ラインに投入したという事実は、単なるモデルチェンジではなく、ブランドの変容を意味していました。
では2026年、時計界の王者は何を告げるのでしょうか。業界内の観測、ロレックスが取得した特許情報、そして過去の新作パターンを精密に分析しながら、我々の独自予想を加えた完全版をお届けします。
まず手始めに、複数の海外サイトとコミュニティを分析した結果、「ロレックス新作として登場する可能性が高い」との共通認識が高いモデルを「コンセンサス予想」としてご紹介します。
2023年に突如カタログから姿を消したミルガウスの復活を予想する声は、現在世界中の時計専門メディアで圧倒的な多数を占めています。我々も昨年の予想記事からミルガウスを挙げていましたが、今年は感情論でも郷愁でもなく、二つの具体的な「証拠」が存在します。
証拠1:特許番号US 12,428,335 B2
2025年9月30日、ロレックスはカラーサファイアクリスタルの新たな製造手法に関する特許を取得しました。インスタグラム上のリサーチャー「@niccoloy」によって発見されたこの特許は、サファイアクリスタル全体を成長段階で着色する従来手法に代わり、薄い表面層のみを着色する、より実用的かつ拡張性のある技術を確立するものです。
ロレックスの近代モデルの中で、カラーサファイアクリスタルを持つモデルはただひとつ——2007年に登場し、2023年に廃番となったミルガウス ref. 116400GV です。「GV」はフランス語で「緑色のガラス」を意味する「Glace Verte(グラス・ヴェール)」の頭文字であり、緑がかったサファイアクリスタルを持つこのモデルの象徴的な呼称となっています。
化学?物理?ともかくこういった分野は全くの門外漢なので、Gemini氏に解説してみてもらいましょう。
スキップしたいかたは次項「証拠2:ダイナパルスの「体質的な親和性」」へどうぞ。
ロレックスが取得したこの特許(US 12,428,335 B2)の戦略的意義と技術的ブレイクスルーを解説します。
時計愛好家やビジネスマンの間で、ロレックスの「ミルガウス(GV)」が採用しているグリーンサファイアガラスは有名ですが、実はあれは非常に製造難易度が高く、長らくロレックスにおける「唯一のカラーガラス」でした。
今回の特許は、その「カラーガラス」をより高精度に、かつ多様なバリエーションで展開するための「材料工学的なイノベーション」に関するものです。
1. 従来の課題:美しさと機能の両立これまで、サファイアガラスに色をつけるには主に2つの手法がありました。
ロレックスはこの「二者択一」の状況を、第3の道で解決しようとしています。
2. 技術的コア:表面組成の「改質」この特許の肝は、コーティング(上に塗る)でも全体着色(混ぜる)でもなく、「表面近傍の組成を化学的に変化させる」という手法にあります。
この技術が実用化されることで、以下のような価値がブランドにもたらされます。
この特許は、単なる「色付きガラス」の製法ではありません。ロレックスが誇る**「実用時計としての堅牢性」を一切妥協することなく、装飾品としての「審美性」を次なるステージへ引き上げるための布石**と言えます。
将来的に、ミルガウス以外のモデル(例えばデイトナやサブマリーナーの記念モデルなど)に、これまで見たこともないような色彩を放つサファイアガラスが採用される可能性を秘めた、極めて重要な技術資産です。
・・・だそうです。AI解説なのでどこまで正しいのか、残念ながら筆者は検証するすべがありませんので、ご参考までに、ということで。
証拠2:ダイナパルスの「体質的な親和性」
ランドドウェラーに搭載されたダイナパルス脱進機は、シリコン製の部品によって構成され、強磁場への耐性を持つことが公式に確認されています。ロレックスがミルガウスを抗磁性ウォッチとして再登場させる際、このダイナパルス技術——あるいはそこから派生したノーデイト版キャリバー(仮称:7130)——を搭載すれば、「1,000ガウス」という今となっては時代遅れのスペックを大幅に更新できます。METASのマスタークロノメーター認証(オメガが1万5,000ガウスで取得しているもの)に相当する数値を示す可能性すら、複数のアナリストが指摘しています。
これは我々が最も「見たい」予想であり、同時に実現するとすれば業界を震撼させる一手になります。
現在、METASのマスタークロノメーター認証(耐磁性1万5,000ガウスを含む)はオメガが積極的にマーケティング活用してきた認証であり、チューダーも既に取得しています。しかしロレックス本体はこの認証を取得しておらず、「耐磁性」を正面から訴求する競合ポジションを持っていません。
ここにミルガウス復活が重なった時、ロレックスが「ミルガウスにMETAS認証を取得させる」という選択肢は、技術的にも戦略的にも筋が通ります。チューダーがMETASマスタークロノメーターを取得している以上、ロレックスにとってMETAS認証は「できない」ものではなく「あえてやっていない」ものです。ミルガウスというプロダクトの哲学的文脈(科学者のための時計)と、METAS認証という科学的精度保証の組み合わせは、ブランドコミュニケーション上の完璧な一致を示しています。
実現すれば、オメガとの正面対決を意味するこの一手は、現在のジャン=フレデリック・デュフールが掲げる「ロレックスの変容」の最も鮮烈な証拠となるでしょう。
ピアゾ編集部でも昨年の予想記事(『ミルガウス・ヨットマスターII、新世代ムーブメント搭載モデルが登場か?』ですでに言及していますが、新しい「ミルガウス ”マスタークロノメーター” Ref.126400」、そろそろ登場してほしいですね!
予想される姿
デザイン的には、ロレックスが「直接的なヴィンテージ復刻」を行うことはほぼないでしょう。ただしコレクターが愛したイナズマ針(ライトニングハンド)はおそらく復元されます——理想的にはレッドで。ケースサイズは40mmが妥当な線で、ダイナパルス搭載により13mmだった厚みが10mm前後に抑えられる可能性があります。サファイアケースバックも十分あり得ます。1956年という「70周年」のファクターを前面に押し出した、ロレックスとしては珍しいコミュニケーション戦略を展開するかもしれません。
ランドドウェラーが2025年にデビューした時、ラインナップは意図的なほど絞られていました。2サイズ(36mm・40mm)、4素材(オイスタースチール×ホワイトゴールド、エバーローズゴールド、プラチナ)、各素材にダイヤルカラー1種のみ。これは新コレクションの「第1章」に過ぎないという解釈が自然です。
2026年に予想されるのは、まずダイヤルカラーの追加です。初年度に採用されたのはいずれもライトトーン寄りの配色であり、次なる一手としてダークトーンへの展開が最も自然な方向性でしょう。ダークブルーは深みのあるハニカムテクスチャとの相性が際立って高く、我々が最も推したいカラーです。グレーやグリーンという選択肢も十分にあり得ますし、ブラックであればよりシックでフォーマルな表情をコレクションに加えることになります。
MONOCHROME Watchesはブラック、ピスタチオグリーンのパターン、あるいはポリッシュ仕上げのスティール製ベゼルにサーモンピンクダイヤルなどのイメージを紹介しています。
いずれにせよ、ハニカムモチーフを維持した上でのカラー展開が最有力であることは変わりません。コミュニティが望む「ハニカムなし」のクリーンなダイヤルの可能性も完全には否定できませんが、それはコレクションのアイデンティティを揺るがすリスクを伴うため、少なくとも2年目という早いタイミングでの実現は低確率でしょう。
ここで改めて問うべきことがあります——「ランドドウェラーとは何か」ということです。
このモデルはロレックスが「ラグジュアリースポーツウォッチ」という分野に対して示した、満を持しての「答え」です。オーデマ ピゲ ロイヤルオークのタペストリーダイヤルと統合型ブレスレット、パテック フィリップ ノーチラスの水平エンボスダイヤルと均整の取れたフォルム——これらが数十年をかけて確立した独自のデザイン言語と同様に、ランドドウェラーのハニカムダイヤルとインテグレーテッドブレスレットも、ロレックスならではのデザイン言語として定着させていく必要があります。ダイヤルカラーの拡充はその「定着」のプロセスであり、単なるバリエーション追加ではなく、コレクションの文化的地位を確立するための戦略的な一手として読み解くべきでしょう。
より可能性が高いのは素材の拡充です。Wristlerが指摘するイエローゴールドのランドドウェラー、あるいはオイスタースチール×イエローゴールドのイエローロレゾールモデルは、ロレックスの通常の展開パターンに完全に一致します。また、宝石を控えた新ダイヤル設計——数字インデックスなし、よりクリーンな文字盤——が上位素材のみに適用される可能性もあります。
複数の海外時計専門メディアが2026年の最重要トピックとして挙げるのが、GMTコレクション全体の再編です。その中心にあるのが、長年コレクターに愛されてきた赤青ベゼル——通称「ペプシ」(Ref. 126710BLRO)の行方です。
2026年2月末にWatchProが正規ディーラーへの確認取材によりペプシの廃番を正式に確認した、最新ニュースを伝えています。
”Rolex has informed its authorised dealers there will be no more deliveries of the steel GMT Master II with red and blue Pepsi bezel, WatchPro can confirm.
Customers on waiting lists are also being notified that they will have to consider alternative models.”
「ロレックスは正規代理店に対し、赤と青のペプシベゼルを備えたスチール製 GMT マスター II の納品は今後行わないと通知した。
順番待ちリストに入っている顧客にも、代替モデルを検討するよう通知されている。」
なぜペプシが終わるのか——製造面の現実
セラクロムベゼルにおいて、赤と青の二色を精確に焼き分ける工程は、ロレックスの単色ベゼルと比較して製造難度が格段に高いです。近年、一部の正規ディーラーサイトから在庫情報が消え始めているという観測事実も、廃番シナリオを裏付ける状況証拠として指摘されています。Gear PatrolやEverest Bandsをはじめ複数のメディアが、この製造上のボトルネックをペプシ廃番の主因として指摘しており、「市場への供給が年々細っている」という声はコレクターコミュニティ内でも広く共有されています。
赤青ベゼルのスクラップ率の高さから製造コストが上がる、という事実からすると、ミッドナイトブルーダイアルまたはメテオライトダイヤルのホワイトゴールドモデル Ref.126719BLROだけを残すのか、こちらも廃番となるのか、という点にも要注目です。
後継モデルは何か——三つのシナリオ
問題は「ペプシの後に何が来るか」です。我々は以下の三シナリオを想定しています。
最も期待されているのは、コーク(黒×赤)ベゼルの現代的復活です。ピアゾ編集部を含め、複数のメディアが数年来予想し続けてきたこのシナリオは、ペプシ廃番という「痛み」と抱き合わせで発表されることで、ニュースインパクトを最大化できます。オイスタースチール×ジュビリーブレスレットとの組み合わせが最も期待されるところですが、記念モデルとしてホワイトゴールド(とメテオライトのような特別なダイヤル)で登場する可能性もあります。
ただあまりにもここ数年この期待の声が続いているため、ロレックスが「大方の予想通り」のモデルを投入してくる可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
次いで可能性があるのは、別カラーのツートンベゼル——たとえば現状はレフティのみ展開のブラック×グリーン”スプライト”の通常展開や、ブラック×グレー”ブルース・ウェイン”のように意表を突いた全く新しいカラーの組み合わせなど、製造難度を下げつつ視覚的インパクトを維持できる配色です。あるいは、ブルーの単色ベゼル”ブルーベリー”の復活も長年期待されていますが、実はロレックスの公式カタログに掲載された事実はなく、これもあまり実現可能性は高くなさそうです。
三つ目として、GMTライン全体のケースサイズ・素材見直しも排除できません。現行40mmという寸法が定着して久しいですが、ランドドウェラーが36mmと40mmの二サイズ体制を採用したことで、ロレックスが「36mmのスポーツウォッチ」という市場を明確に意識し始めたことが窺えます。Becker Timeは「37mmか38mmのGMTは爆発的な人気を呼ぶだろう」と述べており、チューダーのブラックベイ54(37mm)の成功を先例として挙げています。歴史的に見れば、オリジナルのGMT-マスター(Ref. 6542、1954〜55年)は38mmケースでした——つまりよりコンパクトなGMTへの回帰は、ヴィンテージ文脈における「正当性」も持っています。
GMTコレクションの刷新は、単なるカラーバリエーションの入れ替えではなく、ロレックスのスポーツラインが向かう方向性を示す試金石となる可能性があります。
複数のメディアが「もっとも欲しいアップデート」として挙げるのが、デイトナへのジュビリーブレスレットの追加です。GMTマスターIIがジュビリー×スポーツウォッチという組み合わせを定着させた今、デイトナへの展開は「次の一手」として論理的に見えます。
ロレックス コスモグラフ デイトナ 現行モデル(Ref.126500LN)をオイスターブレスレット仕様にしたAI作成イメージ。非公式。
チューダーのブラックベイクロノへのジュビリーブレスレット展開(2025年W&W)が、ロレックスのデイトナへの同様の展開を予兆するとすれば、このシグナルは無視できません。
ただし、現行のデイトナがオイスターフレックスに注力している戦略的方向性、またプラチナ製ジュビリーブレスレットの製造難度を考えると、実現するとすればSS×パンダダイヤルの「クラシック版」か、ゴールドモデルへの限定的な展開が現実的な線でしょう。MONOCHROME Watchesがジュビリーブレスレットを装着したデイトナのイメージ画像を作成していますが、それを見る限りSSパンダは微妙、イエローゴールドモデルが一番しっくり来ている印象を受けますね。
Coronet Magazineは、今年のW&Wにおける最大の問いは「どのモデルが新キャリバー7135を搭載するか」であると指摘しています。同誌はデイデイトが有力候補である理由として、現行モデルのムーブメントである3255が今やカタログ中で最も古いムーブメントであることを挙げています。(厳密には主にレディースモデルに搭載されるキャリバー2236が2014年導入でさらに古いですが、Coronet Magazineはメンズラインを文脈としているのでしょう。)
デイデイトが候補として浮上する理由は、年齢だけではありません。デイデイトは毎日深夜ちょうどに二枚のディスクを同時に駆動する必要があり、そのうちの一枚は曜日を文字で表示するために長い距離を回転しなければなりません。このエネルギー消費の大きさこそ、7135のダイナパルス脱進機が持つ30%のエネルギー削減効果が最もよく活きるポイントです。実際、ロレックスがかつて3200番台ムーブメントをデイデイトに最初に搭載したのも、この同じ理由によるものでした。
さらに、ロレックス自身がデイデイトについて「イノベーションの最前線にとどまり続けることを望む」と述べており、70周年という節目と新キャリバーの組み合わせが、サファイアケースバックを含む大規模なアップデートへとつながる可能性があります。
7135搭載候補——デイデイト以外のシナリオ
ただし、デイデイトが「最有力」であることは、「唯一の候補」を意味しません。ダイナパルス脱進機は磁場への高い耐性を持ち、METASレベルの耐磁性能を持つ可能性があることを踏まえれば、ミルガウスへの搭載(後述)も同様の合理性を持ちます。また、キャリバー7135の5Hz高振動数は、クロノグラフムーブメントに搭載されれば1/10秒計測を可能にするという指摘もあり、将来的なデイトナへの展開という長期シナリオも排除はできません——ただしこれは2026年の射程には入らないでしょう。
最も現実的な結論は、デイデイトへの7135系ムーブメント搭載が2026年の「技術的メインイベント」となり、ミルガウスへの別派生キャリバー(ノーデイト版・仮称7130)投入がそれに続く——あるいは同時に発表される——という二本立てのシナリオです。どちらの方向へ転んでも、ダイナパルスという技術革命の「第二章」が幕を開ける可能性のある年であることに変わりはありません。
2025年末、チューダーはレンジャーのライトダイヤルをリリースしました。エクスプローラーIとレンジャーの歴史的・デザイン的親縁性を考えれば、ホワイトあるいはシルバーダイヤルのエクスプローラーI(36mmまたは現行39mm)の投入は、このロジックに完全に合致します。
2025年注目のTUDORレンジャー新作。79930/79950のサイズ・文字盤カラーの違いやスペックを徹底解説します。
コレクター視点から言えば、現在のエクスプローラーI(Ref. 224270)はブラックダイヤルのみのラインナップで、「もっと欲しいもの」のひとつとして「ホワイトダイヤル版」が常に語られてきました。
ヴィンテージの文脈では、Ref. 6610に「アルビノ」と呼ばれる白ダイヤルの個体が極めて稀少に存在します。ロレックスはツールウォッチのホワイトダイヤル版をきわめて少数製造したことで知られており、こうしたアルビノ個体は非常に稀少で、ほとんどのヴィンテージリファレンスで確認されている個体数は一桁台前半にとどまります。ロレックスはその製造を公式に認めておらず、特注品として製作されたと考えられています。しかしその稀少性こそが、コレクターの間で伝説的な地位を確立しており、フィリップスをはじめとする主要オークションハウスに出品されるたびに高い注目と落札額を記録する、まごうことなきコレクターピースとなっています。
ロレックス エクスプローラー Ref.6610 アルビノ。極めて稀少な白ダイヤル仕様。
この「アルビノ神話」が示すのは、エクスプローラーIのホワイトダイヤルに対する潜在的需要の深さです。ロレックスが公式にホワイトダイヤルを投入すれば、ヴィンテージへの敬意と現代的な解釈を同時に体現するモデルとして、コレクターから強烈な支持を受けることは想像に難くありません。モダンなケース・ムーブメントに、クリーンなライトダイヤルを組み合わせた「エクスプローラー I ”ポーラーダイヤル”」は、エントリーライン(価格帯)を守りながらコレクションに新鮮さを吹き込む、もっともコストパフォーマンスの高い一手です。
2025年、イエローゴールドのパーペチュアル1908にセッティモブレスレットが採用されました。これがコレクターの間で予想外の高い評価を受けたことは広く知られています——Revolution WatchやSJX Watchesをはじめ複数のメディアが「本物のヴィンテージウォッチのような感触」と評するなど、会場での反応は予想以上に好意的なものでした。
ロレックスの展開パターンとして、ひとつの素材でブレスレットを導入した後、ホワイトゴールドとプラチナへ順次展開することはほぼ定石です。2026年にこれが完成する可能性は高いでしょう。
弊社は昨年の予想記事より「ムーンフェイズ搭載版1908」の予想を立てて参りました。現在の1908コレクションは、デイトジャスト/デイデイトとは異なる「ドレスウォッチとしての感度」を持つポジションを確立しつつあります。ムーンフェイズという詩的なコンプリケーションは、コレクション的にも、マーケティング的にも、1908に最もふさわしい追加機能です。パテック・フィリップの「カラトラバ」に対するロレックスなりの回答として、プラチナ×メテオライトダイヤル×ムーンフェイズという究極仕様で投入するシナリオは、現在のCEO ジャン=フレデリック・デュフールが志向する「チャレンジングなロレックス」像と完全に一致します。
毎年のW&Wにおいて、ほぼ唯一の「確実事項」として業界が認識しているのが、デイトジャストとデイデイトへの新ダイヤル・素材投入です。Becker Timeは「デイトジャストとデイデイトに新ダイヤルが加わることはW&Wの数少ない確実事項のひとつ」と明言しており、Chrono24 Magazineも「例年通り、デイトジャストやデイトナへの新ダイヤルカラーや素材の導入は今年も行われるだろう」と述べています。
2025年はデイトジャスト 31にレッドオンブレダイアルが、デイデイト 36にオリーブグリーンダイヤルが追加されました。
ロレックス デイトジャスト 31 現行モデル (Ref.278288RBR )。2025年に追加されたレッドオンブレダイアル
2026年に期待される具体的なアップデート
複数のメディアが、オンブレダイヤルの追加バリエーションや、ジェイドやマラカイトなどの半貴石拡充の導入を予想しています。
特にデイトジャストは「パームモチーフダイヤル」「フルーテッドモチーフダイヤル」「フローラルモチーフ」がなくなってやや寂しい印象もあり、ここらでなにかしらのテクスチャダイヤルに期待がかかります。
デイデイトについては、予想⑤で論じたキャリバー7135搭載という「技術的アップデート」と、この新ダイヤル投入という「意匠的アップデート」が同時に実現すれば、70周年にふさわしい大規模なリフレッシュとなります。毎年の定例アップデートとはいえ、今年のデイデイトに関しては例年以上の注目が集まることは間違いありません。
サブマリーナ(2003年の50周年記念モデル「カーミット」)、GMTマスターII(2005年の50周年記念モデル Ref. 116718LN)、そして2016年のデイデイト60周年記念モデルにも採用されたロレックスのコーポレートカラーであるグリーンは有力候補ですが、デイデイトではすでにグリーンラッカー、グリーンオンブレとオリーブグリーンと展開しているのでやや飽和状態。翡翠、エメラルド、マラカイトなどの半貴石ダイヤル、あるいはカタログに掲載されないシークレットモデルとして登場した「パズルダイヤル」のような遊び心溢れるデザインも候補となりそうです。(というか、見たいです!)
現在ロレックスがチタンを採用しているのは、ヨットマスター42とディープシー チャレンジのわずか2モデルにとどまっています。Becker Timeは「RLXチタン合金のスポーツモデルへの展開拡大は、今年最も驚きの少ない予想のひとつ」と述べており、Chrono24 Magazineも「チタンの新バリアントはポートフォリオをさらに現代化する可能性がある」と指摘しています。
ロレックス ヨットマスター 42 RLXチタン(Ref.226627)とディープシーチャレンジ RLXチタン (Ref.126067)
チタンはステンレススチールと比較して約40%軽量でありながら高い強度と耐食性を持ち、スポーツウォッチ素材としての合理性は明白です。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ユリス・ナルダンなど競合ブランドが既にチタンをポートフォリオに積極採用している中、ロレックスがこの素材を主要スポーツラインに展開するのは時間の問題とみられています。
最有力候補モデル
最も注目されるのはサブマリーナーとデイトナへのチタン展開です。Becker Timeは「チタン製サブマリーナーやデイトナが登場すれば、正規ディーラーで小さな暴動が起きるだろう」と表現するほど、コレクターの需要が高いと指摘しています。軽量化の恩恵が最も大きいダイバーズウォッチであるサブマリーナーはとりわけ機能的な必然性が高く、デイトナはレーシングウォッチとしてのスポーティな文脈との親和性が際立ちます。
また、ランドドウェラーのチタンバージョンという可能性も排除できません。新コレクションの「第1章」が貴金属中心だったことを考えれば、チタンという現代的素材の導入は「第2章」としての差別化として機能します。ただし現時点でこれを示唆する具体的な情報はなく、サブマリーナーやデイトナへの展開より後になるとみるのが現実的でしょう。
なお、我々の独自予想としては「ディープシー」へのチタン実装説を推しておりますので、詳細は後述します。→オリジナル予想④:ディープシー RLXチタン——「136667」という必然へ。
以下は、複数の根拠を組み合わせることで浮上してくる編集部独自の予想です。と言っても予想という予想は出し尽くされている感もあり、実現可能性はかなり低そうな案も多くなりました。
予想レベル:ドリーム枠(実現確率:5〜10%)、しかし論理的には最も刺激的
コンセンサス予想③でGMT刷新の三シナリオを示しましたが、弊社オリジナル視点として加えたいのは「36mmスモールケース」という選択肢です。
ランドドウェラーが36mmと40mmの二サイズ体制を採用したことで、ロレックスが「36mmのスポーツウォッチ」という市場を明確に意識し始めたことは間違いありません。歴史的に見れば、オリジナルのGMTマスター(Ref. 6542、1954〜55年)は38mmケースでした——つまりスモールGMTへの回帰は、ヴィンテージ文脈における「正当性」を持っています。
ペプシ廃番後の後継として、あえて40mmから外れた36mmの新リファレンスを投入し、「ヴィンテージラバー」と「小ぶりウォッチ愛好家」という二層を一度に掴む戦略は、マーケティング的な合理性があります。ブレスレットはジュビリーを採用し、よりドレッシーな方向性を打ち出す——スポーツウォッチとドレスウォッチの境界を曖昧にするという、ランドドウェラーが既に示した路線の延長です。
ヨットマスター37
ベゼルを持つスポーツウォッチに36mmは小さすぎる?ええ、正直に申し上げれば、その通りだと思います。ただ37mmのヨットマスターに範を取れば、GMTマスターIIスモールサイズも単色ベゼルでモノトーンに統一するなど、デザイン性を工夫すれば、女性の潜在的な需要に応える1本になりえるのではないでしょうか。
予想レベル:中程度(実現確率:35〜40%)
これを出すなら70周年を迎えた2025年だったろう、というのは重々承知ですが、「予想③:GMT-マスターII コレクション刷新」で現実的に考えうる案を1つ提示します。面白みには欠けるものの、イエローゴールドケースにグリーンダイヤルは現実的な路線と言えるでしょう。2005年に50周年記念モデルとして登場した116718LN(2019年生産終了)はグリーンダイヤル&ブラックベゼルでしたが、ここはレフティと同じ緑×黒ベゼル、そして現在の仕様らしく、当時はなかったジュビリーブレスレットでしれっと復活したら面白いですよね。
GMTマスターII Ref.126718VTNR(仮)のAI生成イメージ。イエローゴールドケース、グリーンダイヤル、グリーン×ブラックベゼル、ジュビリーブレスレット。
116718LNと同じブラックベゼルの方が締まる気もしますが、どうでしょうか。
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予想レベル:大胆(実現確率:15〜20%)
1926年、ハンス・ウィルスドルフが特許を取得した完全防水ケース「オイスター」は、2026年に100周年を迎えます。サブマリーナー、デイトナ、GMTマスターII——ロレックスのスポーツラインはすべて、このオイスターケースという一枚の土台の上に建っています。パーペチュアル1908を除けば、プロフェッショナルモデルに限らず、ロレックスが現在販売するほぼすべての時計がオイスターの直系の子孫です。100年という節目は、時計史上でも類を見ない意味を持ちます。
初期モデルには八角形(オクタゴン)やクッション型のケースが存在し、アンティーク市場では貴重なコレクターズアイテムとなっています。
他メディアの見立て——「何もしない」が大勢
複数の権威ある媒体は、記念モデルの登場に懐疑的です。Everest Bandsは「どのモデルをオイスター100周年の代表に据えるかというロジックが成立しない——すべてのロレックスがオイスターだから」という本質的な問いを立て、記念モデルよりも展示・アーカイブイベントという形での100周年祝賀が賢い選択だと結論づけています。Chrono24 Magazineも「オイスターパーペチュアルコレクションが誕生したのはオイスターケース特許より後のため、OP100周年モデルは論理的に成立しにくい」と指摘しています。Coronet Magazineへのインタビューに基づく報道として、ロレックスは「周年を新作発表の理由として使うことに抵抗を示している」とも伝えられています。
実際、2025年はデイトジャストが80周年、GMTマスターが70周年を迎えましたが、記念モデルはリリースされませんでした。
一方でSJX Watchesは、オイスター100周年を2026年の最大の節目として認識しつつも、「ランドドウェラーやダイナパルスほど技術的に革命的なものにはならないだろうが、それでも予想外で、発売と同時に完売するだろう」と、何らかのリリースに一定の期待を示しています。
独自予想——「時計」ではなく「素材・機構」で100年を語る
我々が提示するのは、特定モデルへの記念仕様という形を取らない、より根本的な一手です。
ロレックスが100周年に選ぶとすれば、「新しい時計」ではなく「新しい素材」または「機構」の発表ではないでしょうか。
ロレックスはこれまで独自素材の開発に並々ならぬ投資を続けてきました。904Lステンレススチール(ロレックスが「オイスタースチール」と呼ぶ素材)、エバーローズゴールド、RLXチタン、セラクロム——いずれも独自に開発・命名した素材です。オイスターケース100周年という節目に、「次の100年のオイスターを守る素材」として新合金あるいは新表面処理技術を発表し、それを複数のスポーツモデルに順次展開していくというロードマップを示すシナリオは、ロレックスの歴史的な行動パターンと完全に一致します。
実はこの「新素材」案を後押しするのが、@niccoloyによる具体的な特許発見です。
2025年12月、Gear Patrolはインスタグラム上の特許リサーチャーNick Gould(@niccoloy)が発見したロレックスの新たな特許出願を報じました(出典:https://www.gearpatrol.com/watches/rolex-case-patent/、2025年12月7日)。
この特許の書誌情報は以下の通りです。欧州特許庁(EPO)への欧州特許出願であり、公開番号EP4657177A1、出願番号24212496.4、出願日2024年11月12日、公開日2025年12月3日。発明者はフランス・アヌシー在住のBruno Lisiecki氏で、出願人はROLEX SA(ジュネーブ)。
なお本出願はWIPO経由のPCT出願(PCT/EP2024/065047、2024年5月31日)を優先権の基礎としており、同日(2024年12月5日)には関連PCT出願4件が同時公開されており、この技術がロレックスにとって単発ではなく体系的な開発であることを示しています。
なお公開番号末尾の「A1」はEPOにおける「公開済み未審査出願」を意味し、現時点では審査・登録前の段階です。ただし特許の登録と製品の実用化は必ずしも連動しません。ロレックスは出願と並行して製造技術の開発・検証を進めているはずであり、業界では特許登録を待たずに製品として発表するケースは珍しくありません。優先権の基礎となったPCT出願が2024年5月31日であることを踏まえれば、ロレックスはすでに1年半以上この技術を開発していることになります。
発明の名称はフランス語で「COMPOSANT HORLOGER LÉGER ET DÉCORÉ(軽量かつ装飾的な時計部品)」。出願内容は以下の通りです。
ロレックスによる特許出願内容の一部抜粋
図面にはプロフェッショナル・オイスターケースを想起させるケース外形が描かれており、側面に縞模様状の溝が走り、そこに別素材が充填される構造が示されています。具体的には、金属合金またはセラミック製の多孔質構造体(「シェル」)の内部に3Dラティス構造の補強体を設け、その多孔質構造にエラストマーやゴム系弾性素材を100〜250℃・50〜200バールの条件で射出充填することで、軽量かつ耐衝撃性に優れた「一体型モノブロック構造」を形成するという製造手法です。
外観面では二種の素材がケース表面で交互に現れることで独自の意匠効果も生まれます。なお欧州調査報告には、オーデマ ピゲ(EP3778940A1)やスウォッチグループの先行特許も列挙されており、この複合構造ケース技術が業界全体で競合する開発領域であることも見て取れます。
さらに詳しい解説はまたもやGemini氏にお願いしてみました。詳細は結構、という方は【こちらへ】読み進んでください。
この特許の名称は「軽量で装飾された時計コンポーネント」です 。一言で言えば、「金属のスケルトン(骨組み)の中に、別の素材を流し込んで一体化させる」という技術です 。
1. 技術の核心:ハイブリッド構造の採用従来の時計ケースは、金属の塊を削り出すのが一般的でした。しかし、この特許では以下の2ステップで部品を製造します。
この技術により、ロレックスは「高級時計の常識」を塗り替えようとしています。
この特許で興味深いのは、製造工程において「3Dプリント後の粉末除去」の効率まで考慮された設計(特定の楕円形状の孔など)が含まれている点です 。これは、ロレックスが単なるコンセプトではなく、高品質な製品を安定して量産する体制を既に見据えていることを示唆しています 。
結論:ロレックスが目指す「実用ラグジュアリー」の深化この特許は、私たちが慣れ親しんだ「重厚な金属の塊」としての時計から、「知的に設計された複合構造体」としての時計への転換を意味しています。
将来的に、ゴールドの輝きを持ちながらチタンのように軽く、かつスポーツモデルのような耐衝撃性を備えたデイトナやサブマリーナーが登場するかもしれません。それは、常に「実用性」を追求してきたロレックスが、材料工学の力で到達しようとしている次なる頂点と言えるでしょう。
これをオイスター100周年の文脈で読み解くとすれば、ロレックスが「次の100年のオイスターを守る構造」として、素材の組み合わせによる全く新しいケース製造手法を発表するというシナリオが浮かび上がります。ロレックスはこれまで独自素材の開発に並々ならぬ投資を続けてきました——904Lオイスタースチール、エバーローズゴールド、RLXチタン、セラクロム——いずれも独自に開発・命名した素材です。この特許が示すのは「新合金」ではなく「複合構造による新しいケースそのもの」であり、その革新性はさらに一段深いところにあります。
素材そのものが主役であれば、「どのモデルを100周年の代表に据えるか」というロジックの問題も自然に解消されます。すべてのオイスターモデルが、いずれその構造を纏う候補となるからです。
この予想が「地味すぎる」と感じる向きもあるでしょう。しかしロレックスが最も得意とするのは、派手な発表ではなく、10年後に「あの時が転換点だった」と気づかせる静かな革新です。100年という節目に選ぶとすれば、それはロレックスらしい、もっとも長い射程を持つ一手かもしれません。
もっともらしくお伝えしましたが、これらはあくまで憶測で、可能性の1つに過ぎません。この特許が実用可能なレベルまで到達しているのかも知る由もありませんが、ただこういった研究をロレックスが進めている事実は確かで、今年でなくても、いつか「新しい素材」が現れることは間違いないと言えるでしょう。
予想レベル:やや大胆(実現確率:25〜30%)
コンセンサス予想⑦でRLXチタンのスポーツモデルへの展開拡大を論じましたが、我々がオリジナル視点として最も強く推したいモデルが、ディープシーのRLXチタンバリエーションです。
この予想を論じる前に、2024年のW&Wで行われたひとつの重要な変更について触れておく必要があります。ロレックスはこの年、ディープシーの文字盤表記を「SEA-DWELLER」から「DEEPSEA」へと書き換えました。一見マイナーな変更に見えますが、これはコレクション戦略における決定的な転換点でした。
ディープシーの「独立宣言」とダイバーズ三層構造の完成
ディープシーはかつて「Sea-Dweller Deepsea」という名称で登場しており、シードウェラーの派生モデルとして位置づけられていました。文字盤から「SEA-DWELLER」の文字が消えたことで、ロレックスは「ディープシーはシードウェラーの上位版ではなく、全く別のコレクションである」という明確なメッセージを発信したことになります。
この変更によって、ロレックスのダイバーズウォッチ・カテゴリーは論理的な三層構造へと整理されました。サブマリーナー(300m防水、ブランドの象徴)、シードウェラー(1,220m防水、ヘリウム排出バルブ装備のプロダイバー向け)、ディープシー(3,900m防水、リングロックシステム、深海技術のショーケース)——という明確な役割分担です。この三層構造の確立は、将来的なディープシー独自の展開——素材、デザイン、機能の各面での大胆な進化——を可能にする土台となっています。
この文脈の中で、ディープシーのRLXチタンバリアントという予想が浮かび上がります。理由は明快です。現行のディープシー(Ref.136660)はステンレススチール製で重量が約215gに達し、ロレックスのスポーツラインの中でも突出して重いモデルです。チタン化による恩恵——40%前後の軽量化——が最も劇的に現れるのは、このディープシーをおいて他にありません。ダイバーズウォッチとしての機能性という観点からも、軽量化は着用快適性の大幅な向上に直結します。
リファレンス番号については、ディープシーチャレンジのRLXチタンモデルがRef.126067であることを踏まえると、ディープシーのチタンver.にはRef.136667という番号が割り当てられる可能性が高く、番号体系としての自然な流れと一致します。
さらに、ロレックスがRLXチタンを初めて量産ラインに採用したのはヨットマスター42(2015年)であり、その後ディープシー チャレンジ(Ref.126067、2023年)へと展開してきた流れがあります。ディープシー チャレンジがチタン製であることを考えれば、メインラインのディープシーがチタン化される「技術的・素材的な土台」はすでに整っています。
オイスター100周年という節目において、ロレックスが「次の100年のオイスターを守る素材・構造」を示すとすれば、その象徴的なモデルとしてディープシー RLXチタンは——重量・機能性・素材革新という三つの文脈を一身に体現する存在として——もっとも説得力のある候補です。
ロレックス新作予想記事においては表裏一体という側面もある廃番の予想。ロレックスは廃番になると、中古流通価格が跳ね上がる傾向があるため、コレクターのみならず、投資家にとっても重要視されている情報です。
GMT-マスターII「ペプシ」(BLRO):コンセンサス予想③で詳述した通り、廃番の可能性が複数メディアにより指摘されています。後継モデルの登場と抱き合わせになるかどうかが最大の焦点です。
シードウェラー「レッドライン(シングルレッド)」:Wristlerは「多くの人がジェームズ・キャメロン(ディープシーのDブルーダイヤルモデル、Ref.136660)を選ぶため、シードウェラー『レッド』が廃番になる可能性が高い」と指摘しています。
しかし我々はさらに踏み込んだ問いを立てたいと思います——シードウェラーというコレクション自体の存在意義が、中長期的に問われる段階に来ているのではないか、という問いです。
2024年にディープシーの文字盤表記が「SEA-DWELLER」から「DEEPSEA」へと変更されたことは、オリジナル予想④で論じた通り、ダイバーズの三層構造を確立するための「独立宣言」でした。この再編の中で、シードウェラーは「サブマリーナーとディープシーの間」という位置に収まりましたが、その立ち位置は決して安泰ではありません。
サブマリーナーは300m防水のアイコンとして文化的地位が確立しています。ディープシーは深海技術のショーケースとして独自の存在意義を確立しました。では1,220m防水のシードウェラーは何者か——プロの飽和潜水士向けという実用的文脈は存在するものの、コレクターとしての購買動機は「サブマリーナーより大きく、ディープシーより安い」という消去法的なものにとどまっている、というのが正直な評価です。
2026年の廃番予想としてはシングルレッドモデルの整理が最も現実的ですが、5〜10年という時間軸で考えれば、シードウェラーというコレクション自体がサブマリーナーへの統合、あるいはより明確な役割定義(飽和潜水の職業用途に特化したプロフェッショナル仕様への特化など)を迫られる可能性は排除できません。三層構造の「中間層」であることは、ブランドポートフォリオにおいて最も脆弱な位置でもあるからです。
今年のW&Wを読み解くにあたって、技術面と経営面のふたつの変数を意識する必要があります。
技術面では、ダイナパルスという革命的脱進機が「ランドドウェラーの独占物」として留まるはずがありません。予想⑤で論じたように、デイデイト70周年との組み合わせは、この技術の「第二の着地点」として最も説得力があります。ダイナパルスがどのコレクションへ水平展開されるか——これが2026年の最も本質的なテーマです。
経営面では、ジャン=フレデリック・デュフールのリーダーシップのもとでロレックスが見せた「予想不可能性」は、2025年の段階で既に証明されています。ランドドウェラーは、業界のほぼ全員が予期しませんでした。2026年も、私たちの予想を覆す「第6のサプライズ」が存在する可能性を、謙虚に認識しておかなければなりません。なぜならこれまでもずっとそうだったのですから。
4月14日、ジュネーブ。クラウンが静かに新たな世界を開きます。
本記事は、MONOCHROME Watches、Chrono24 Magazine、Gear Patrol、Coronet Magazine、Wristler、Becker Time、Everest Bands、SJX Watchesなど海外主要時計専門メディアの公開情報およびロレックス公式ニュースルームの情報をもとに、ピアゾ編集部が独自の分析・見解を加えて執筆したものです。記載内容はすべて予想・推測であり、ロレックス社の公式発表ではありません。
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