更新日:2026年04月14日
ウブロが掲げる「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」は、単にゴールドとラバーを組み合わせることだけではありません。それは、伝統的な機械式時計の機構を、21世紀のインダストリアル・デザインへと昇華させる挑戦でもあります。その到達点の一つが、この「ビッグ・バン メカ-10 ブラックマジック(Ref. 614.CI.1170.RX)」。
時計愛好家であれば、ウブロの歴史が「ユニコ(UNICO)」の登場以前と以後で大きく分かれることをご存知でしょう。この「メカ-10」は、クロノグラフではない「手巻き」の自社製ムーブメントとして、ブランドの地位を確固たるものにした記念碑的モデルです。
「メカ-10」コレクション自体は2016年に発表されましたが、このオールブラックの装いを持つ「ブラックマジック」は、ウブロの真骨頂として継続的に高い支持を得ている基幹モデルです。
このモデルの着想源は、子供向けの組み立て玩具にあります。穴の開いたプレートや歯車を組み合わせる遊び心を、1000万円クラスのハイエンドウォッチで大真面目に再現するという、ウブロらしいウィットに富んだ出自を持っています。
ケース素材には、ジルコニウムをベースとしたハイテクセラミックを採用。驚くべきは、表面に施された「マイクロブラスト加工」です。通常のポリッシュ(鏡面)ではなく、細かな粒子を吹き付けることでマットな質感を生み出し、光を吸収するような深い黒を実現しています。これにより、45mmという大ぶりなサイズでありながら、引き締まった印象を与えます。
一般的なスケルトンウォッチが「既存のムーブメントを削る」のに対し、メカ-10は「見せることを前提に構築」されています。文字盤側からは、水平に往復するラック(歯状のパーツ)や、2つのバレル(香箱)が剥き出しになっており、時計を「機械」として愛でる喜びを最大化しています。
本作の核となるのは、自社開発・製造の手巻きキャリバー「HUB1201」です。時計好きが最も惹かれるのは、その特異なスペックでしょう。「メカ-10」の名の由来は、10日間の駆動時間にあります。直列に配置されたダブルバレルが、安定したトルクを供給。特筆すべきは、6時位置に配置された「ラック式パワーリザーブ・インジケーター」です。
このメカ10キャリバーは丸形のビッグ・バンモデルにはすでに搭載されていましたが、今回この45mmの「スピリット・オブ・ビッグ・バン」コレクションを表現するトノー型におさめるため、リファインされました。ケース素材はチタニウム、ブラックセラミック、キングゴールドの3種類で展開し、2020年8月発売予定です。
| モデル | スピリット オブ ビッグ・バン メカ-10 ブラックマジック
SPIRIT OF BIG BANG MECA 10 BLACK MAGIC 45MM |
|---|---|
| 型番(Ref.) | 614.CI.1170.RX |
| ムーブメント | HUB1233 手巻き、スケルトンパワーリザーブ |
| パワーリザーブ | 約10日間 |
| ケース径 | 45 mm |
| ケース素材 | ブラックセラミック(マイクロブラスト加工) |
| ベゼル | ブラックセラミック(サテン&ポリッシュ仕上げ、マイクロブラスト加工) |
| ダイヤル | マットブラックスケルトン |
| ストラップ | ブラックラバー |
| 防水性 | 5気圧(50m防水) |
| 価格 | ¥3,179,000 (税込) |
多くのブランドが自動巻きの利便性を追求する中で、ウブロは「手巻き」という儀式を、10日に一度の至福のひとときへと変えました。リューズを巻き上げる際、水平に動くラックや、連動する歯車の動きを視覚的に楽しむ。それは、かつて私たちが玩具のゼンマイを巻いた時の興奮を、大人の知性で再体験させてくれるものです。
「ブラックマジック」が放つ、光を拒絶するかのようなマットブラックの静寂。その中で脈打つ、10日間の生命力。この二律背反する要素を腕に纏うことは、所有者にしか味わえない贅沢なパラドックスと言えるでしょう。
ウブロ(HUBLOT)2020年新作モデルについてはこちら
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