更新日:2026年04月14日
2020年1月13日~1月15日に開催されたプレ・バーゼルともいうべきLVMHドバイ ウォッチウィーク2020(LVMH Group Dubai Watch Week 2020)で発表された新作です。キングゴールド製ケース、ベゼル、そしてダイヤルにも、合計657個ものレインボーカラージェムストーンがセッティングされ、同じくレインボーカラーのベルトと相まって、華やかでパワフルな印象に仕上がっています。
ウブロが掲げる「アート・オブ・フュージョン(素材の融合)」の到達点の一つが、このハイジュエリーモデルです。一見すると華美な装飾時計ですが、その裏側には、緻密な計算と驚異的な職人技が隠されています。
本作は、ウブロの「ハイジュエリー」コレクションに属する特別なピースです。通常のカタログモデルとは異なり、極めて限られた数のみが生産されるブティック限定クラスのモデルです。正確な「限定本数」が数万本単位で設定されることは稀で、その理由は「石の選別」にあります。
レインボーのグラデーションを実現するためには、色、透明度、サイズが完全に合致する宝石を数百個揃える必要があり、一つの個体を製作するまでに膨大な時間を要します。そのため、市場に出回る数は極めて少なく、手に入れること自体が一種のステータスとなる「マスターピース」なのです。
ウブロのハイジュエリー製作は、スイスのニヨンにある本社内の専門工房で行われています。ここでは、ジェムセッター(石留め職人)とエンジニアが隣り合わせで作業しており、その工程は「時計作り」というよりは「精密工学」に近いものです。
ウブロのレインボーモデルが他ブランドと一線を画す最大の理由は、石の「カラー・グラデーションの滑らかさ」にあります。工房には、数万個の貴石の中から色調を合わせる専門の「カラー・マイスター」が存在します。彼らは単に色を分けるだけでなく、石を横に並べた際に、隣り合う石との境界線が肉眼で認識できないほど自然に色が移り変わるよう、数週間かけて「セット」を組み上げます。一石でも色味がズレれば、そのセットは全て解体されるという妥協なき世界です。
宝石の側面に、0.1ミリ以下の細い溝を掘ります。少しでも力が入りすぎれば宝石は砕け、浅すぎれば固定できません。宝石を受け入れるケース側にも、精密なレールが刻まれています。ウブロは3Dモデリングを駆使し、複雑な形状のケースにどう石を滑り込ませるかを設計段階から計算しています。
宝石の下に金属が見えないよう、光が石を透過して反射する「道」を計算。これが、ウブロのジュエリーウォッチが「内側から発光している」ように見える秘密です。
ケース素材には、ウブロ独自の「18Kキングゴールド」を採用。通常のローズゴールドよりもプラチナを多く配合することで、赤みが強く、酸化(変色)しにくいという特性を持ちます。この温かみのあるゴールドが、レインボーの輝きをより一層引き立てます。
ベースとなるのは、ウブロの薄型ラインで重用される「HUB1100」。このムーブメントの採用により、宝石を多用しながらもケース全体のバランスを損なわない絶妙な厚みに抑えられています。毎時28,800振動(4Hz)という高精度を維持し、実用時計としての信頼性も確保しています。
シースルーバックからは、美しく仕上げられたムーブメントを鑑賞できます。ローターにはウブロのロゴがスケルトン加工されており、表側の重厚なジュエリー感とは対照的な、機械式時計らしいメカニカルな美しさを楽しめます。
| モデル | スピリット オブ ビッグ・バン キングゴールド レインボー 39mm
SPIRIT OF BIG BANG KING GOLD RAINBOW 39MM |
|---|---|
| 型番(Ref.) | 665.OX.9910.LR.0999 |
| ムーブメント | HUB1710 自動巻き |
| パワーリザーブ | 50時間 |
| ケース径 | 39 mm |
| ケース素材 | 18Kキングゴールド(サテン&ポリッシュ仕上げ)、カラーストーン164個 |
| ベゼル | 18Kキングゴールド(ポリッシュ仕上げ)、バゲットカットカラーストーン62個 |
| ダイヤル | 18Kキングゴールド(ポリッシュ仕上げ)、カラーストーン431個 |
| ストラップ | マルチカラーアリゲーター×ブラックラバー |
| 防水性 | 10気圧(100m防水) |
| 価格 | ¥10,791,000 (税込) |
多くのブランドがレインボーモデルを発表していますが、ウブロのそれは「強さ」が違います。
通常のラウンドカット(丸い石)ではなく、バゲットカット(長方形)を多用することで、光の反射が「点」ではなく「面」で捉えられます。これにより、時計を動かした際の色の変化がよりダイナミックに、そして建築的に映るのです。
「時計にこれほどの装飾が必要か?」という問いに対し、ウブロは「これこそが最高のエンジニアリングである」と答えているようです。緻密なジェムセッティングは、もはや複雑機構の一つと言っても過言ではありません。この時計を手に取ることは、地球が数億年かけて育んだ「石」と、人間が磨き上げた「技」のフュージョンを所有することと同義なのです。
ウブロ(HUBLOT)2020年新作モデルについてはこちら
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