更新日:2023年05月23日

【ロレックスのオーバーホールに出してみた】料金や期間と頻度、見積もりなど利用方法まで徹底解説

お気に入りの腕時計を長く大切に使用するには、日頃のお手入れと定期的なオーバーホールが欠かせません。オーバーホールとは、多数の部品で構成された複雑なムーブメントを完全に分解し、洗浄・点検・修理などを行うことです。破損している部品を交換することで重大な故障を予防するほか、潤滑油を注油して部品の摩耗を防ぎます。時計の正常な動作を守るためにも、時計の資産価値を保つためにも、とても重要な作業です。

ロレックス オーバーホール作業

引用: www.rolex.com

ロレックスの腕時計は資産としての価値も高く、できるだけ良い状態で保持しておきたいですよね。ここではロレックスのオーバーホールについて、実例のほか、料金や保証期間、頻度、見積もり、利用方法などを解説しています。「オーバーホールをする前に知っておきたいこと」をまとめていますので、「オーバーホールをするべきか?まだしなくていいのか?」「正規オーバーホールか、街の修理店?」とお悩みの方はぜひご参考になさってください。また、自分でできるお手入れ方法や使用上の注意点もまとめています。

ロレックス、オーバーホール、アフターサービス、分解

オーバーホールは時計の精度や防水機能を保つために必要なものですので、定期的に行うことが大切です。ロレックスの公式サイトでは、ロレックス正規品販売店またはサービスセンターにて、10年以内にオーバーホールを受けることが推奨されています。
一般的な時計ブランドは3~4年を推奨しているところが多いですので、長期使用に耐えうる確かな品質であることが窺い知れますよね!

もちろん、余裕のある方は4~5年に一度のペースで点検・メンテナンスしておくと安心です。モデルや使用状況によっても変わりますので、時計の機能に異常が見られたら、できるだけ早く点検を依頼しましょう。

正規品販売店で購入したロレックスウォッチには、購入日より5年間の国際保証が適用されます。
保証を受けるためには、ロレックス正規品販売店またはロレックスサービスセンターに行き、購入時に渡された保証カードと時計を提示することが必要です。保証カードは再発行できませんので、厳重に保管しておきましょう。

ロレックス 国際保証カード

引用: www.rolex.com

注意点として、通常の使用による消耗や誤った使用による故障、紛失・盗難などは保証の対象になりません。また、ロレックスの純正部品や付属品以外を使用している場合、第三者による改変が加えられている場合も保証対象外です。

ロレックスの正規品販売店またはサービスセンターでは、持ち込まれた時計の状態をしっかりと点検し、必要な修理内容と見積もりを提示しています。持ち主の了承を得た後、各作業に取り掛かります。

ロレックス オーバーホール 部品分解・洗浄

引用: www.rolex.com

ロレックスのオーバーホールでは、まず時計をケース・ブレスレット・ムーブメントに分けて、さらにムーブメントを細かな部品に分解していきます。それら一つひとつの部品を点検し、ロレックスの品質基準を満たさないものは新しい純正部品と交換します。
また、全ての部品を超音波洗浄して不純物を取り除きます。洗浄した部品を乾燥させ、ムーブメントの組み立ておよび注油を行います。ムーブメントの組み立てが終わったら、時計の要である時間の精度を調整していきます。

ケースやブレスレットには、元のデザインに準じてサテン仕上げおよびポリッシュ仕上げを行います。細心の注意と高度な技術を必要とする、難易度の高い工程です。
次にケースの洗浄・組み立ておよびパッキンの交換を行い、防水性能を検査します。その後、仕上がったムーブメントをケースに収め、長い時間をかけて精度の計測や性能の確認を行います。

ケーシングや性能検査が終わったら水中での耐圧検査を行い、ブレスレットを取り付けます。その後、最終品質検査を経て作業終了です。これらの作業に対し、2年間の国際サービス保証書が発行されます。

正規オーバーホールの作業日数は約1ヶ月間です。入念な点検や綿密な修理が行われるため、それなりの時間が必要となります。お急ぎの方は、早めの依頼を心がけましょう。

アフターサービスの料金は時計の状態や修理内容によって変動しますので、正確な金額が知りたい方はロレックスの正規品販売店およびサービスセンターにお問い合わせください。

ロレックスの正規オーバーホール、やはり気になるのはその「値段」ですよね。いくつか実例をご紹介して参りましょう。
ロレックスのオーバーホール料金は「基本技術料」と「交換部品代」を合計したもので、2023年3月頃に基本技術料が値上げされたようです。値上げ前の基本技術料は6~11万円前後でした。

オーバーホール料金はモデルによって金額が異なり、ケース素材がゴールドやプラチナ素材だとさらに高額になります。また、ムーブメントの種類によっても金額が変わります。

例えば同じ「デイトナ」でも、クロノグラフムーブメントの最高峰と言われる「エル・プリメロ」を搭載している「Ref. 16520」は他に比べてオーバーホール料金が高くなるようです。

ロレックス デイトナ 16520 ブラック&ホワイト

値上げ前の2020年の実例では、同モデルのオーバーホール料金が12万円(税抜)、リューズ・プッシャー・文字盤の交換も合わせると約22万8千円(税抜)でした。このように、交換する部品によっては20~30万円程度になることも珍しくありません。

また、2023年3月にエクスプローラーIをオーバーホールした際の基本技術料は、98,000円(税抜)でした。
また、SS×YGのデイトジャストをオーバーホールした際の基本技術料は88,000円で、18Kゴールド製のリューズ交換も行いましたので、部品代13,000円(税抜)を含め、合計107,800円(税込)となりました。こちらが実際の見積書です。

ロレックス オーバーホール見積

時計は納品時には小さな専用ポーチに収納されています。2年間のサービス保証書も付属します。

ロレックス オーバーホール納品

こちらのデイトジャストはフルーテッドベゼルに数字が刻まれた「ターノグラフ」で、ベゼルは研磨していませんが、その他の部分は綺麗に磨かれ、かなり全体的に綺麗になりました。オーバーホール前後を見比べてみましょう。

ロレックス オーバーホール前後比較 1

正面はちょっと明るさが違うので違いが分かりづらいかもしれません。

ロレックス オーバーホール前後比較 2

サイドは細かな傷が消えたことが分かります・・・よね?

ロレックス オーバーホール前後比較 3

裏蓋は結構黒ずんだようになっていましたが、こちらもピカピカに。

ロレックス オーバーホール前後比較 4

角度が違ってすみません。クラスプ部分はオーバーホール前はかなり擦り傷が目立っていましたが、こちらも綺麗にポリッシュされたことが分かります。やはり小傷が消えて綺麗になるとテンションが上がりますよね!

ちなみに、日本のロレックスでは修理対応が終了しているモデルも、スイスに送れば修理できることがあります(「スイス送り」)。しかし当然ながら修理料金は高額になり、計100万円以上かかることもあるようです。古いモデルをお持ちの方は留意しておきましょう。

ロレックスを大事に使うためには定期的なオーバーホールが推奨されるわけですが、資産価値を考えると、むやみやたらとオーバーホールすればよい、というわけでもありません。オーバーホールをしたことで、売却時に評価が下がるケースもいくつかありますので、ぜひオーバーホールに出す前に「これだけは知っておいて頂きたい!」というポイントをまとめました。

ロレックスの正規修理は「機能性を元に戻すこと」が目的ですので、劣化したパーツは原則交換となります。新品の純正部品と交換されるため、部品代が高額となるほか、ヴィンテージロレックスとしての価値を落とすこともあるので要注意です。ロレックスが「部品交換が必要」と判断する内容をご紹介しましょう。

ロレックス オーバーホール パーツについて
パーツ交換となるケース
  • クリスタル(サファイア)
    大きな欠けやヒビが生じた場合、強度が低下するので、破損の恐れがある場合は交換。
  • クリスタル(プラスチック)
    経年により防水性が低下するため、定期的交換が必要。
  • リューズとチューブ
    経年劣化や摩耗により、操作性や防水性が低下するため、定期的交換が必要。
  • 文字板
    表面の仕上げにヒビや剥がれが生じた場合、止まりの原因となるため交換が必要。

  • 夜光のヒビや表面の剥がれが生じた場合、止まりの原因となるため交換が必要。
  • バネ棒
    使用中の衝撃に耐えるための部品で、経年により強度が低下するため、定期的交換が必要。

特に気を付けたいケースとして、トリチウム夜光の文字盤や針などは、交換されてしまうと貴重なオリジナル性が失われてしまいます。パーツ交換を拒否するとオーバーホール自体を断られてしまいますので、その場合は諦めるか、民間の業者に頼らざるを得ない、というケースもあるのです。

ロレックストリチウム文字盤

また、ロレックスウォッチは文字盤を変更することが可能です。カタログに掲載されている同じ型番のものであれば、別カラー・別タイプの文字盤に交換することができます。
しかし2022年5月21日にサービスが改訂され、新たに購入した商品に対し、5年以内(保証期間内)は文字盤交換ができなくなりました。これは近年加熱する、ロレックスの転売対策の一環だと推測されます。

ロレックスの時計は文字盤のカラーによって大きく人気が分かれており、比較的入手しやすいカラーを購入し、人気カラーの文字盤に交換して転売するという手段が横行していました。この改訂により、5年間はこの手段が使えなくなります。また、人気モデルでは文字盤交換を受け付けないケースもあるとのこと。文字盤の在庫が無い場合も同様です。

ロレックス アフターサービス 研磨

引用: www.rolex.com

腕時計は研磨しすぎるとデザインが変わったり、ケースが痩せて防水性が下がったりする場合があります。大体5回程度が上限と言われており、薄くなりすぎたケースは研磨を断られることもありますので、留意しておきましょう。

1988年まで製造されていた手巻き式のデイトナなど、ヴィンテージロレックスのパーツは、日本の正規サービスセンターにも在庫がない可能性があります。修理に必要な純正パーツがない場合、ロレックスではオーバーホールを受け付けていません。スイス送りになった場合、膨大な費用がかかる可能性が高いです。
生産終了から時間が経っているモデルについては、民間業者への依頼も検討しましょう。

また、ロレックスでは改造品のオーバーホールも受け付けていません。文字盤やベゼル、針、風防など、どこか一部でも純正以外の部品を使用していたり、研磨の形跡が見られた場合、第三者に改造されたものとみなされ、受付拒否または保証期間内でも有償オーバーホールの対象となります。カスタムロレックスも同様です。

ロレックスに正規修理を依頼する方法は、持ち込みと郵送の二種類あります。近くに正規品販売店またはサービスセンターがある方は、時計を持ち込んで相談するとよいでしょう。持ち込みには、直接スタッフに相談できるという安心感もあります。

ロレックス オーバーホール 作業風景

引用: www.rolex.com

近隣にお店がないという方は、郵送での依頼も可能です。まず日本ロレックスに電話をして修理受付を行い、自宅に送られてきた時計輸送キットを用いてお手持ちの時計を梱包・発送します。
送付先は、東日本地区が東陽町サービスセンター、西日本地区が中津サービスセンターです。どちらも送付専用窓口ですので、来店窓口はありません。

一週間前後で見積書が郵送されてきますので、内容を確認して問題がなければ、承諾書類を記入・返送してください。確認が取れてから作業が開始され、卓越した技術者によってあらゆる点検・修理・調整が行われます。メンテナンスを終えた時計は「代金引換」で自宅に郵送されますので、受取りの際に代金(見積もり料金+送付手数料)を支払ってください。

なお、東京丸の内と広島にあるサービスセンターは、2023年6月30日で営業終了です。その他のサービスセンターの所在については、ロレックスの公式サイトで確認してください。

関連リンク→「ロレックスサービスセンターを探す」

ロレックス 正規販売店

一般的な時計修理店でのオーバーホールは、料金の安さや対応の柔軟さなど、様々なメリットがあります。ロレックスのようなメジャーなブランドであれば、受付可能な業者も多いです。正規修理に出せない事情がある場合は、民間も検討してみるとよいでしょう。

一般的な時計修理店でのオーバーホール料金は、ロレックスの正規修理に比べて安く設定されています。以下はメジャーな修理店の料金表です。
ロレックスはコレクションごとに料金が分かれていることが多く、デイデイト・デイトナは比較的高めに設定されています。また、使用されている素材やムーブメントによって金額が異なることもありますので、あくまで参考にしてください。

モデル A社 B社 C社 D社 E社
エクスプローラー \28,000~ \44,000~ \29,800~ \25,300~ \25,300~
デイデイト \35,000~ \42,900~ \49,800~ \28,600~ \33,000~
デイトジャスト \28,000~ \46,200~ \29,800~ \25,300~ \25,300~
ヨットマスター Ⅱはメーカー対応 \47,300~ \29,800~ \25,300~ \25,300~
サブマリーナ \28,000~ \44,000~ \29,800~ \25,300~ \25,300~
デイトナ \46,000~ \47,300~ \49,800~ \37,400~ \44,000~
ヴィンテージ \32,000~ - \59,800~ - \30,800~

ロレックスの時計をオーバーホールに出す場合、正規修理と一般的な時計修理店のどちらを選ぶべきなのでしょうか。ここでは双方のメリット・デメリットを紹介しますので、よく比較した上で、自分の条件に合う方を選びましょう。

正規オーバーホールの最大のメリットは、信頼度の高さです。ロレックスウォッチに特化した、確かな腕を持つ技術者が修理を担当してくれます。また、劣化した部品は新しい純正部品と交換してもらえるため、修理後も改造品として扱われる心配がありません。2年間の国際サービス保証も付いてきます。

ロレックス アフターサービス保証書

また、売却、という観点からすると、もし保証書をお持ちでない場合でも、ロレックス正規オーバーホールを受けられた、ということは実は「純正品である」とほぼ同義ですので、国際サービス保証書があれば売却の際にかなりプラスに働きます。

デメリットは料金の高さです。ロレックスの正規オーバーホールは、値上げ前の基本技術料のみで7~8万円ほどかかり、そこに交換部品代も上乗せされます。合計料金は10万円を超えることも多く、モデルによっては20万円を超えることもあります。そのほか、一部の部品交換を拒否するとオーバーホール自体を断られてしまうなど、要望が通らない部分もあるでしょう。

時計修理店の最大のメリットは、料金の安さです。正規オーバーホールに比べると、約半分程度の金額で依頼できる業者もあります。また、改造品など不備のある時計であっても受付してくれるところが多いため、柔軟な対応を求めている方はこちらを選ぶとよいでしょう。

デメリットは、一般的な時計修理店で修理された時計は改造品として扱われる恐れがあるという点です。
民間の業者がロレックスの純正パーツを入手できない場合、代用パーツを使用して修理されてしまうことがあります。代用パーツを使用した時計は改造品とみなされ、今後正規オーバーホールを受けられなくなってしまう可能性がありますので、注意が必要です。
また、部品の取り寄せに時間がかかり、納期が延びてしまう可能性もあります。

ロレックスの時計は資産として購入される方も多いため、正規以外で修理を受けることにより、資産価値が下がってしまう危険性があることにも留意してください。

ロレックス デイトジャスト 防水検査

引用: www.rolex.com

お気に入りの腕時計を長く大切に着用するためには、日頃の取り扱いやこまめなお手入れがとても重要です。ここではロレックスの公式情報をもとに、お手入れや保管方法、使用上の注意点についてまとめています。

★関連記事★

一生モノの腕時計の掃除、洗浄、保管お手入れとメンテナンス方法まとめ

腕時計のお手入れに関する掃除や保管方法、自宅で出来る簡単なメンテナンス方法と腕時計を掃除する際の注意点をまとめてみました!

腕時計は精密機械ですので、直射日光や磁気に当てないよう、また薬品・化粧品などに触れないように気を付けてください。オイスターケースは堅牢性が高いため、着用しながらゴルフやテニス、スキーなどのスポーツを行うことも可能です。

ロレックスのオイスターパーペチュアルウォッチは、少なくとも50mの防水性能を保持していますが、着水時はリューズをしっかりとねじ込むことを忘れないようにしましょう。海水や砂が付いた場合は、清潔な水で洗い流してください。

日常的に着用している自動巻きモデルについては、ゼンマイを巻き上げる必要はありません。しばらく放置した腕時計については、ゼンマイを巻く位置までリューズを緩めた後、時計回りに20回ほど回してください。

以上のことに留意した上で、使用中に時計が進む・遅れるなどの不具合が生じた場合は、すぐにロレックスの正規サービスセンターに問い合わせましょう。

ロレックスウォッチを新品同様に磨き上げたい場合は、ロレックス正規のサービスセンターに依頼してください。ご自身で研磨を行うと、不具合が起きる可能性があります。

日頃のお手入れとしては、マイクロファイバーなどの柔らかい布で定期的に拭き上げるようにしましょう。皮脂や汗などの汚れを取り除くことができます。また、海水やごみなどが付いた場合は、きれいな水で洗い流してください。洗浄前には、リューズをしっかりとねじ込むことを忘れてはいけません。

保管の際も、腕時計の大敵である直射日光が当たる場所や磁気が強い場所は避けるようにしてください。高所に保管していると、落とした時の衝撃によって時計が破損する危険性があるため、注意が必要です。

また、時計の隙間にホコリなどが溜まってしまわないよう、ケースやカバーを掛けて保管するようにしてください。保証書を同一箇所に仕舞っておけば、オーバーホールやメンテナンスに出す際に便利です。

ロレックスの正規オーバーホールは、2023年3月の値上げによってさらに高額となっています。また一般的な時計店によって修理された時計は、資産としての価値が下がってしまう恐れもあります。

値段が高いオーバーホールに出すかどうか悩んでいる方は、思い切って売却を検討してみてもよいでしょう。時計買取のピアゾでは、業界屈指9社のトップバイヤーとオークション形式で交渉を行い、時計の高価買取を目指しています。
長年オーバーホールに出していない時計や不具合のある時計についても、ぜひお気軽にご相談ください。

★こちらもおすすめ★

ロレックス買取について

ロレックス買取 時計買取ピアゾでは腕時計買取を専門とする9社無料一括査定が受けられます!買取実績掲載中!

姉妹サイト時計販売QUERIにて、高級ブランド腕時計を好評発売中!

ロレックスはもちろん、ロレックス、オメガ、タグホイヤー、オーデマ・ピゲなどの高級ブランド時計を独自ルートで激安価格にて販売中です!




最大9社に一括査定!最高額で賢く時計を売却しましょう

業者も利用するピアゾの時計一括査定サービスをぜひお試しください!

カンタン無料一括査定に申込む