ロレックス サブマリーナ 5512!サブマリーナ第三世代、ボンドモデルの候補にもなった時計とは!?
1959年に登場したRef.5512は、サブマリーナ史上初となるリューズガードを備えた世代として知られています。存在感を放っていたリューズを挟むように、保護ガードを設置しました。サブマリーナ=堅牢なダイバーズモデルというイメージを世に印象付けました。そのリューズガードは製造年によってフォルムが異なることが確認されており、希少性を見極めるポイントとなっています。
5512の外観変更は他にもあります。ケースは37mmから40mmへと大型化され、それに伴ってベゼルもリニューアルされました。
ベゼルエッジのみだったグリップを高める刻みが深くなり、上部まで入った仕様へと変更されました。
リューズも操作性が考慮され、直径7mmのものを採用しています。後に王冠マークの下に3つのドットが刻印されたトリプロック式に変化しています。
搭載ムーブメントは、クロノメーターのCal.1560、Cal.1570の2タイプで高精度化を果たすなど、デザインも機能も現行モデルに近づきました。
サブマリーナ |
説明 |
型番(ref) |
5512 |
ケースサイズ(mm) |
40㎜ |
ケース素材 |
ステンレススチール |
文字盤 |
サークルミラー マット |
ベゼル |
回転ベゼル |
防水性 |
200m防水 |
キャリバー(Cal.) |
Cal.1530 Cal.1560 Cal.1570 |
ムーブメント |
自動巻き 18,000振動(Cal.1530、Cal.1560) 19,800振動(Cal.1570) パワーリザーブ:約36~48時間 |
ブレスレット |
ステンレススチール |
製造期間 |
1959年~1977年頃 |
<サークルミラー+4ライン表記>
4行表記のサークルミラーダイヤルをセットしたサブ第4世代です。
PCG(ポインテッド・クラウン・ガード)は現行のリューズガードとは異なる形状で、国内市場では「とんがりリューズガード」の呼称で親しまれています。この時代のリューズガードには試行錯誤の形跡が見てとれます。PCGは第3期にあたり、希少性の高いディティールとして知られています。
リューズは1970年を境にしており、それ以前がクラウンマークのみが刻印されたツインロックタイプ、それ以降がクラウンマーク+3ドットを刻印したトリプロック式となっています。防水性はそれぞれ200mで違いはありません。
ダイヤルにはミラーダイヤルが採用されており、艶やかな光沢がヴィンテージ感を引き出しています。
ムーブメントに使用されているCal.1560は毎時1万8000振動で駆動するクロノメーターです。初期は切れ込みが入ったバタフライローターを使用していましたが、のちに扇形ローラーへと変更されました。マイクロすらスクリューによる不リースプラング方式をロレックスとしては初めて採用した自動巻きムーブメントです。
<サークルミラー+2ライン表記>
クロノメーターモデルとして広く知られている5512だが、当初はノンクロノメーターで製造がされていました。緩急針とミーンタイムスクリューで歩度調整を行うCal.1530を搭載していたため、6時位置の表記に「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」の文字が入らず、2ラインになっています。
このモデルは極めて短い期間しか製造されなかったため、そのレア度が注目され人気の高い第4世代となっています。
<マット+メーターファースト>
第1世代からミラーダイヤルだったサブマリーナが光の反射を抑えるマットタイプの文字盤へと変化しています。また、特徴的だったミニッツサークルも排除されています。ダイヤルの保存状態にもよりますが、ミラーよりも時刻を読み取りやすくなった印象を受けます。
6時位置の表記はクロノメーターを表す4ライン構成ですが、通常の防水表記「660FT=200m」と異なってメートルが先にくる「200m=660FT」表記となっています。これはメーターファーストと呼ばれ、わずかしか確認できないため価値が高いとされています。
これまでのCal.1560が毎秒5振動なのに対し、毎秒5.5振動のCal.1570へと変更されました。Cal.1520の試用版とされ、1960年代半ば~1980年代後半まで製造されたムーブメントです。
<マットダイヤル>
5512の最終型です。ダイヤルは定番のマットブラックで6時位置表記もCOSC認定を示す4行表記となっており、現在のサブマリーナとの共通点も数多く見つけられます。この時期になるとリューズはトリプロック式に切り替わっており、流通量は5512の中では多いとされています。