最低賃金とは
最低賃金とは労働者に対して支払われるべき最低の賃金(賃金の下限額)になります。地方によって、必要最低限の生活を維持できるであろうという金額から算出されておりますので、地方により最低賃金額は個々に設定されています。
この条件を満たしていない求人の募集は禁止されており、この賃金を支給していないと最低賃金法第40条により、刑事罰の内容としては50万円以下の罰金が規定されていますので、人を雇う側の企業としては遵守する義務となっています。
働く側の労働者にとっては、働いた際の最低賃金が保証されているという事は何だかメリットが多い話のように聞こえますが、実際はそうではないのでは?と、経済学観点では度々議論になっているのが現状です。
最低賃金の設定の是非は経済学上議論の的になっていますが、その反対・賛成の根拠はどこにあるのでしょうか?
まずは、経済学という学問分野の特異性から考察してみたく思います。
経済学の大前提にたっている行動原理を判り易くかつ大雑把に解説すると「人は個々の利益(利得=gain
やbenefitやprofitと言ったりもします)の最大化を追求する」という大前提で全てが議論・仮説・立証される原材料となっています。
「人は利益の最大化を追求する」とはどういう事なのでしょうか?
要するに、「人は自分にメリットある事しかしない」。
という、原理原則に則っているのです。
これを経済学観点からみた労働環境に当てはめると、労働者側からのメリットとは働いて得られる対価、すなわち金銭という事になります。(※あくまで経済学上の話をしてますので、金銭以外のメリットとして考えられる自己実現や承認欲求の充足等の心理的かつ感情的な部分は度外視して考察しています。)
労働者側の利益が働く事で得れる賃金ということだとすれば、雇う側(この場合は企業として説明します)の利益とは「労働者を雇う事によって得れる利益そのものや、利益を創出するための機会」といった事になります。
簡単にいうと、
働く側は働いて多くの利益を欲しい。=自分の給与(賃金)を多く欲しい。
雇う側は雇って多くの利益を欲しい。=会社の利益を多く欲しい。
あれ?
なんだか相反してる要求が二つ同時に存在していませんか?
給与を多くだしたら会社の利益は減りますよね?
でも、働く側は給与(賃金)を多く欲しがっています。
会社は利益を多く欲しがってますよね?
でも、そうすると労働者の賃金を抑えるしかありません。
なんだか困った話になってきました。
自分が労働者側の立場ならより多くの給与が欲しい。
自分が会社側の立場ならより多くの会社としての利益が欲しい。
立場変われば、見え方が180度変わる話です。
では、どのようにこの二つの事象がバランス良く成立しているかと言いますと、
経済学上の需要と供給という事を考えると上手く纏まりだします。
まず経済学の大前提を思いだしてください。
「人は個々の利益を追求する」
個々の利益。ここが重要です。
個々とは?
個人の事ですよね?
この一人一人違う個人は面白い事に色々な需要の元に利益を追求します。
架空人物Aさん
「俺、時給30000円欲しいから!」と何とも仕事内容が気になりますが利益を完全に賃金に置き換える人。
架空人物Bさん
「僕は、時給500円でも働いて社会の役に立ちたい」という、お金よりもその他の何かに利益を追求する人。
個性的な彼らの中での需要はそれぞれ、
Aさんは何でもよいから30000円の時給。
Bさんは500円の時給でも自分のヤリガイのある仕事。
では、彼らを雇うにはどうすれば良いでしょうか?
彼らが望んでいる仕事を供給すれば良いですよね?
Aさんには時給30000円の求人をだせばAさんを雇う事が可能です。
Bさんには時給500円でもBさんが望む価値を提供出来れば雇う事が可能です。
極端な話ですが、これが成立すれば需要と供給が満たされた。
という事になります。
そうです、荒唐無稽な30000円の時給も500円の時給でもそれをしたい人や、それを提供できる企業の思惑は賃金換算というところのみでは定量化できない思惑がまざり最終的に価格がきまるのです。
ようは、人は利益を追求するけど、利益ってお金だけじゃない時も多々あるよ!
人からみたら価値がよくわからない物でも自分の中では価値あるもの。そんなものがありますよね?
あくまで、価値=お金と捉えるのは、全ての要素を定量化して相対的・客観的ににみえやすくした物なのです。
要するに需要と供給は、特異な所で成立する事もあるんだね、という事をご理解頂ければ十分です。
さて、ここで最低賃金の何が問題になっているかと言いますと、完全競争モデルを前提としている経済学上では失業率は無い事になっています。
これは、雇用量と賃金は労働の需要量(求人量)と供給量の一致する点(均衡賃金)で決定するため、失業は存在しないとされている。
要するに完全競争モデルの経済学では、需要と供給が偏っているとそこで競争が起こり、そこで必ずみたされるという前提にたっています。
最低賃金は、社会保障上の観点が強く、この給与と賃金の需要と供給バランスがとれている均衡賃金以上を設定するというのが、この最低賃金を反対する人の大まかな意見です。※完全競争モデルを唱えている時点で、完全な資本主義経済追従者と観る事が出来ますので、言うなれば共産主義経済を反対している構造が見え隠れするもの面白いポイントです。
この均衡賃金以上を最低賃金として成立させるとどうなるかと言いますと、この平均水準以下の雇用が喪失するという状況になってしまいます。
言うなれば、最低賃金を下回る労働生産性しか持たない人は雇用機会を奪われ、失業が発生してしまい、最低賃金以下の技能しかない労働者は、雇用機会を喪失し、格差社会を推し進める要因になるのではないか?という事なのです。
例えば、最低賃金時給1500円だったとした場合、あなたが雇用側の企業担当者であれば、どのような人を雇いますでしょうか?
何もスキルもなく、週二日位の勤務で3時間位働きたい人と、専門的なスキルを有しており週五日働ける人どちらを雇いますか?
圧倒的に後者の方に雇用機会は多く生まれると思います。
その逆に、前者のような視点で仕事を探している人は、なかなか企業側に雇ってもらえないという状況が続くのではないでしょうか?
最低賃金1500円なら夢がるとデモをしていたようですが、この雇用機会と最低賃金の関係性をどのように捉えているのか色々と考えさせられます。
最低賃金が最高で25円上がるという経済ニュースが本日(2017/7/26日現在)駆け巡りました。
社会保障のはずの最低賃金ですが額面上だけをみると良い事に思えますが、需要と供給のバランスが少し可笑しくなるという観点で働き方と賃金について考えると、また違った捉え方ができると思います。
なぜ最低賃金を上げるのか?
では、なぜ最低賃金を上げるのでしょうか?
政府の意向として、今回の最低賃金を引き上げた理由は、購買力を上げて経済の好循環を生み出すという事を目標としているようです。
要するに、給与が上がればみんなお金を使って景気が良くなるんじゃない?って、事なんでしょうけど果たして、これが好景気に寄与するかは謎なロジックであります。
先ほどの、「最低賃金とは?」の章で説明させて頂いた中に最低賃金と雇用の話がありました。
そこで先述させて頂いている通り、最低賃金はあくまで社会保障制度の上に成立している話であり、しかも福祉介護や医療事業のように、政府の財源で行っている制度ではないという事が大前提に上げられます。
あくまで主導するのは民間企業という事であり、国の保険制度や社会保障制度とは大きく違い、民間企業主導ですとどうしても切り離せないのが利益の話に繋がります。
利益を追求する民間企業での人件費の高騰は、利益圧迫を意味しますので、採用活動にも非常に大きく影響するように思えます。
そうなると最低賃金が上がってはよいが、結局それに見合う人材がいない、いなければ現状のリソースを改良・改善して経営を行うという必然的な流れになると思います。
そうなりますと、そもそもの雇用機会の損失という事になり、トータル的には世の中にまわるお金の総額が減るように見えてしかたないのですがどうでしょうか?
そもそもが、こういった最低賃金を決定している期間を調べてみますと、適材適所の配置がなされているのか非常に疑問が残るのが印象的です。
最低賃金を決めている機関とは、厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」という所が決めているようですが、こちらの代表を務めている人が会長仁田道夫(東京大名誉教授)。東大を卒業後海外留学等を経て今の今まで研究に没頭されている、何とも輝かしい経歴の持ち主なのですが民間企業での労働経験はあるのでしょうか?現実的かつ単純な話で、給与上がったら求める人材の質を上げるから採用しない人も増えるよ!という、単純な論理数学で導きだせる回答が抜け落ちているように見えます。
最低賃金の話から少しそれてきましたが、結局「えっ?本当に最低賃金上げたら購買力上がるの?」といった理論の導線が弱いからこそ、何でまたそこまでして購買力の底上げという理論に拘るのか?
そういった、疑問が浮かび上がってきます。
購買力が上がるとどうなるか?
購買力=人が物を買う力の事ですから、購買力が上がると世の中で使われるお金の量が増えます!
お金の量が増えるとどうなるか?お金の供給量が多い状態とはどういった状態なのでしょうか?
また、そうなると何が経済的に良くなるのでしょうか?
インフレ(インフレーション)とは?
市場に流れるお金の量が増えるとどうなるか?
需要と供給の例で供給が上回りますので物の価値が上がります。
物の価値が上がるという事は、今まで100円で買えていたものが150円じゃないと買えなくなるという事です。
ちょっとニュアンスが違い一概に言えませんが、一応時計屋なので時計の例で説明させて頂くと、
2008年位には1,080,000円前後の定価だったロレックスデイトナ116520も2016年の生産終了時期には1,200,000円近くになっていました。これは約10%近く定価が上がっておりロレックス単位でのインフレといっても良いかもしれません。※大分強引なロジックですがあくまで例です。
市場にお金やマネーサプライを増やす事によって、市場での流動性を増やして経済の流れを良くしたい。
これがインフレーションの目標です。
でも、商品の値段が上がるのは嫌だ。安い方がいいじゃん!
はい、消費者・購入する側の率直な感想だと思います。
でも、こうなると
商品の値段が安くなる⇒企業の利益も減る⇒給与も安くなる。
といった、ロジックになってしまい経済全体にとっては良い事は実はないんです。
だから政府はインフレ目標2%という、全体で2%物価価値を上げたいですよ!と、アベノミクスと言われるお金をジャブジャブ撒く政策を行っているのです。これで実現したい事が、
お金の供給を増やす⇒物価が上がる⇒企業の利益が上がる⇒給与が上がる。
という、事を実現したいのですが実はここで大きな問題に差し迫ってきています。
「お金の供給を増やす⇒物価が上がる⇒企業の利益が上がる⇒給与が上がる」
この流れの中で、何か抜けている項目があると思いませんか?
それでは、また次の章でインフレーションに何故したいのか?という所を解説してみたく思います。
なぜインフレにしたいのか?
なぜインフレーションにしたいのか?さっき簡単に説明しましたが、それは勿論日本経済を良くしたい!
それが第一の目標です。
では、先ほどの項目で抜けているものはなんでしょうか?
もう一度、観てみましょう。
お金の供給を増やす⇒物価が上がる⇒企業の利益が上がる⇒給与が上がる。
気づかれましたか?
そうです、
お金の供給を増やす⇒物価が上がる⇒物価が上がった状態で人がモノを買う⇒企業の利益が上がる⇒給与が上がる。
人がモノを購買するという大前提が抜けているのです。
そして、なかなか今の人がモノを買ったり、不動産を買ったり、時計を買ったりして消費をしない。
日本の家計資産残高は1752兆円ともいわれており、何故か経済刺激策を行ってもあまり効果なく、家計に溜め込んでしまっているのです。
では、インフレにして何をしたいかというと、インフレは物の価値が上がる状態でしたよね?
これ逆を言うと、物の価値が上がってお金の価値が下がっている状態と言える訳です。
※ちなみに逆のデフレーションは物の価値が下がってお金の価値が上がる状態。
では、インフレ目標って掻い摘んでいうとお金の価値を下げる目標と捉えると少し面白いですね。
勿論下げるのが目標ではなく、やはり使って欲しいからインフレ目標を設定しているのです。
では、インフレがなぜ購買力に繋がるかというと、所有している現金資産がドンドン価値さがるから早く使ってねという事なのです。
政府が掲げるインフレ目標2%がどういう事かロレックス購入シーンを例に説明してみます。
貯金100万円で100万円のロレックスを買おうとしているCさん。
一年間の間買おうか買わないか悩んでいる合間にインフレ率2%達成しました。
貯金は100万円のままロレックスの価格は102万円になってしまいました。
去年100万円で買えたのが、今年は102万円になり買おうかどうか悩んでいる間に、日本円の価値が下がり2万円の出費を余儀なくされたのです。
なんだ、そんだけの事かと思うかもしれませんが、実はこれ結構気づかされる事が多いのです。
インフレ=物の価値が上がる状態という事でしたが、これは貨幣価値が下がる事も意味しているという話をしました。
では、先ほどの例をインフレで貨幣価値が下がったという事を主軸に話をしたらどうでしょうか?
貯金100万円で100万円のロレックスを買おうとしているCさん。
一年間の間、ロレックスを買おうか買わないか悩んでいる合間にインフレ率が2%になりました。
貯金は貨幣価値が下がったので98万円ロレックスの価格は100万円のままです。Cさんは20000円出費してロレックスを買いました。
数字と言い回しの妙ですが、実際に貨幣価値が下がった分をCさんが出費しトータル的に払う金額は一緒になっています。
インフレ目標とは、「貯めといても、そのお金の価値が下がるから早めに使ってね!」と、同意味なのです。
これが1752兆円を母数にした莫大な日本の貯蓄額に行われるとなると、2%というだけで約35兆円分の貨幣価値の喪失という事になります。
1752兆円の価値が32兆円目減りする・・・。3年続ければ国家予算に匹敵する恐ろしい大金です。
72で利率をわると、元の額が倍になるという簡単な複利計算方法でいくとインフレ目標2%を36年間続けた場合、1752兆円の資産価値は36年後876兆円に半減してしまいます。
円の価値が半減とは、極論的な理論上の概念ですが、数式的には成立する事象である、極端な話円の貨幣価値を下げるから早くみんなお金使おうね!という状態が、インフレ目標の本質的な部分という事なのです。
時計買取とインフレの関係性
時計買取に対してインフレーションというのはどのように影響するのでしょうか?
まず、時計買取とは時計を換金してお金にする事ですので、インフレ状態で物の価値があがっている場合は、買取価格も上がります。
買取価格が上がるという事は、時計買取で得られるお金の量も増えますので、時計を売りたい人にはまたとないチャンスが到来するのです。
そのかわり、貨幣価値が下がり物の価値が上がった状態ですんで、時計を買う際の購入額は上がってしまっている状態になっています。
いまから見れば最高の時計を買うタイミングであり、時計買取としては一番タイミング悪かった2008年前後に時計を購入している人にとっては、今の経済状況はまたとない絶好のインフレ時期で、時計買取により多くの利益を生み出している時計ユーザーの方も多々いらっしゃります。
いまその2008年~10年近くで時計を買ったユーザーの方は、時計の売却も是非とも検討してみてはどうでしょうか?
ご自身でもビックリされるくらいの腕時計の買取価格が付くかもしれませんよ?
時計買取はインフレの時にこうなる
インフレ時には時計買取価格は確実に上がります!
全ての腕時計の販売価格が上がりますので、仕入れ価格すなわち時計の買取価格が上がります。
ただ、これも経済学観点の理論上のお話ですので、このロジックにも限界とイレギュラーも存在するのも事実です。
物の価値は需要と供給によって決定されますが、元々の需要が無い不人気な腕時計モデル等は、いくらインフレの恩恵を受けようとも、時計としての買取価格があがるかどうかは非常に疑問の残る所です。
では、人気のある腕時計モデルだとどうなるかというと、これは大変な事です。
人気+物価価値の向上=バブルの到来!
バブル到来って大げさですけど、、、
温故知新でそんな経済知らない人も、平野ノラでかすめて初めて知った人も、当時の青春を謳歌して良く知っている人も、、。
実際に時計買取業界でこんな事になっている腕時計が「ロレックス」。
なんだ知っているよと言われるかもしれませんが、その急激なインフレ率たるやチョットここ最近異常じゃないかいと、時計買取業界では囁かれているのです。
例えば、生産終了と共にアインシュタインも真っ青の加速度的に腕時計としての買取価格を向上させまくっている「ロレックスデイトナ16520」P番および、A番、U番モデル。
なんか次にバブルを仕掛けれそうになるロレックスの腕時計は無いかね?と、時計買取業界が仕掛けてきた第2波が「ロレックスデイトナ116520」ランダムシリアル系。
2016年の初めから2017年7月の間に、ロレックスデイトナ16520 P番エルプリメロ搭載最終品番はあれよあれよと、買取価格が120万円から200万円超えるという完全なバブル経済の申し子になっています。デイトナ116520系もここ一年間で買取価格が125から150万円前後になるなど、つられてロレックスデイトナバブルのハイパーインフレ継続中です。
その次に時計買取業界が仕掛けるインフレ率がヤバイ完全バブル時計はグリーンサブマリーナ16610LV。
だいぶ昔に生産終了しており、ベゼルから文字盤種類まで色々と豊富に存在するのを背景に、色々な理由をつけて時計買取価格が高騰してます。
なかでもファットレディー&ビックスイスと呼ばれるモデルがインフレ&バブル経済の王道路線を突き進んでいる感じで、だれがその値段で買うのかと非常に疑問の残る300万円代を販売価格で突破したりしています。所有者がいないのに販売価格が高騰する、バブル経済を象徴する上海のタワーマンションみたいですね。
16610LVの所有者の方で売りたい方には絶好のチャンスが到来しています。
ただ、16610LVの査定ポイントは先ほど少しふれたとおり、ダイヤル種類が豊富にあり、どれがどれ位の価値があるか完全に理解している時計買取業者に頼んだほうが絶対に高く売れます。
16610LVの時計買取に関しては、ピアゾまでお気軽にお問合せ下さい。
そういえば、去年位にタワーマンション販売戸数が過去最高という、何とも人口減少とは真逆の不可思議なニュースを目にしましたがJREITの日銀定期購入と合わせて一体全体水面下では何がどうなっているのでしょうか・・。
話がそれましたが、まだまだある時計買取業界のインフレ時計第3位「ロレックス116600」。
Dブルー116660の陰に隠れて存在感薄かった印象ですが、生産終了発表と共に一気に時計買取業者が群がり、販売価格が上がっている事に目をつけたロレックスユーザーも購入にはしり大変な事になっています。
なにが凄いって、2017年3月位から数か月位でこのロレックス116600の買取価格が90万円位から116万円位まで一気に跳ね上がりました。いまは一旦落ち着いてきていますが、数カ月でここまでの値上げを記録する時計も、腕時計買取業界の中では珍しく、これからの買取価格=インフレ率が気になる一本です。
そして最後に、時計買取業界が注目している、これから来そうなロレックスインフレ時計は「ヨットマスター116622シルバーダイヤル」。
今の所、時計買取する時のインフレ率は10%位ですが、販売価格ではぐんぐんと上がってきており、前まではシルバーより人気だった116622ブルーダイヤルの販売価格をシルバーが超えました。
ほんの前までは、ヨットマスター116622シルバー文字盤の腕時計買取価格は60万前後だった事を考えると、最近の傾向だと徐々にですが、昔と比較すると1.5倍位の買取価格帯になっているのに驚かされます。
インフレ=物の価値が上がる。という事は、時計買取を考えている人には非常に魅力的な状態かもしれませんが、時計を買いたい人には一際大変な状況になってきているのは間違いなさそうですね。
最低賃金が上がるという事がどのように時計買取価格に影響するか
最低賃金がインフレ誘導の政府主導の施策の一つという事で、インフレとはという所にはじまり、インフレと時計買取の関係というお話を書き連ねてきました。
では、最初の表題に戻り最低賃金と時計買取価格とはどのような関係性にあるモノなのでしょうか?
最低賃金の性質として、政府が社会保障の一環で行う景気刺激策の一つという所はご理解頂けたと思います。
しかしながら、完全競争モデルを前提とする経済学観点からは、最低賃金に満たない人材に対して雇用機会の喪失が発生する事も想定されるという事から否定されてきました。
実際、雇用機会の喪失=給与獲得の喪失と紐付けると、日本国民全体の給与所得は下がる事が考えられますので、経済全体では不況になるのでは?と考えるかもしれませんが、勿論そのような単純な所で経済は推移しませんので、一つの仮説が検証してみたいと思います。
まずは、最低賃金と雇用機会の喪失ですが、これは確実に選別が厳しくなりスキルを有している、及び優秀な人材はこの最低賃金に関係なく雇用機会に恵まれ収入も増大していきます。
最低賃金の底上げと共に、雇用機会を喪失する可能性のある人材に関しては、残念ながら現状を打破できる可能性はどんどん低くなっていくかもしれませんので、仕事や給与での選択肢の狭さでいづれ妥協が必要なポイントが多々出てくるかもしれません。
これが何を意味するかというと、単純に収入格差に結び付くと思います。
どこにいっても通用するような人材は、特段求人面で困る要素がなく、むしろ最低賃金が上がる事によって採用を踏みとどまり浮いた分の人件費をその優秀な人材に還元しようという動きがでるかもしれません。
よって収入格差は広がり、富むものはさらに富み嗜好品にお金を掛ける余裕が出来てきますので、時計等のブランド品の需要が向上し、その分腕時計の販売価格の向上と、そして買取価格の向上なんていう所につながるかもしれません。
よって、最低賃金と時計買取価格は全く関係は無いとは言い切れず、むしろその逆で栄えるべき人にお金が集中する構造が出来上がり、時計等のブランド品の需要が増えて販売価格の向上と時計買取価格の向上につながるかもしれませんね。
最低賃金と時計買取価格の今後
最低賃金価格も今後は実態経済に反し、失業率等を無視して上昇は続くとみられます。
インフレ目標も政府と日銀主導で底上げが続く施策が実行されるでしょうし、そうなると物価が上がりますので、時計買取価格も今後も引き続き上昇していくかもしれません。
物を買うには価格が上昇しており、給与の額面こそ高くなっている人もいれば、そのまま、もしくは落ちている人もいる。賃金格差がより明確化してきている社会が来るかもしれません。
ただここでも注意してほしいのが、給与の額面がインフレ目標に則り上がったとしても、物の値段も上がっている。
お給与 月収100万円の人が、一か月貯金して100万円のロレックスを買える今現在、
将来インフレ50%になりその人が、現在と全く一緒だとすると
お給与 月収150万円の人が、一か月貯金して150万円のロレックスを買える未来。
不思議と買える物は一緒なのです。問題は、最低賃金が上がる事によって雇用喪失した人は、そもそもの給与がありませんので、100万円のものが150万円に値上がるという何とも、酷い格差社会の到来になります。
最低賃金からみるインフレーションと時計買取価格の今後の動向。
最低賃金の底上げというニュースを観ながら、色々な事と経済的な事を結び付けて夢想するのも面白いかも知れません。