更新日:2026年04月06日

【2026年最新】オメガの資産価値とは。定価超えの「プレ値モデル」はどれだ?

オメガの資産価値とは。定価超えの「プレ値モデル」はどれだ?

高級腕時計を選ぶとき、「リセールバリュー(再販価値)」を気にする方は少なくないはずです。ただ、オメガ(OMEGA)の中古市場を正直に見ると、ロレックスのように「現行のレギュラーモデルが軒並み定価を超える」という状況にはありません。オメガでプレミア価格(いわゆる「プレ値」)がつくのは、特定の条件を満たした一部のモデルに集中しているのが実態です。

本記事では、単なる「高額ランキング」ではなく、なぜその時計が高騰するのかというメカニズムに着目しました。
2026年3月時点での中古市場(Chrono24や国内大手買取・販売店の取引実績)をもとに、オメガのプレ値モデルを以下の4つのジャンルに分けて解説します。

  1. 宇宙開発とポップカルチャーの融合(アポロ&スヌーピー系)
  2. 希少素材とカルト的デザイン(特殊ダイヤル・地域限定系)
  3. 枯渇する歴史的遺産(ヴィンテージ)
  4. 相場の底上げによる手堅い資産(旧レギュラー)

今高騰しているモデルから、「今後高く売れるモデル」を知るヒントを探ります!

なお、本記事に掲載している定価・中古実勢相場はすべて2026年3・4月執筆時点のデータです。市場状況やオメガの価格改定により変動する場合がありますので、最新の相場は各販売店・買取店にてご確認ください。

目次

オメガのプレ値市場を最も力強く牽引しているのが、このジャンルです。NASAの公式装備品としての歴史的な実績と、世界中に熱狂的なファンを持つキャラクターが掛け合わさることで、想像を超えるリセールバリューが生まれています。

オメガ スピードマスター スヌーピーアワード 3578.51.00
リファレンスナンバー 3578.51
キャリバー Cal.1861(手巻き)
当時の定価(目安) 約367,500円
2026年3月現在の実勢相場 1,800,000円〜2,600,000円(※付属品の有無・状態により変動)

【なぜ高騰するのか】

2003年に世界限定5,441本で発売された、すべての伝説の始まりである初代スヌーピーモデルです。アポロ13号の絶体絶命の危機において、軌道修正のためのエンジン噴射時間をスピードマスターで正確に14秒間計測し、乗組員を無事帰還させた功績に対し、NASAからオメガへ贈られた「シルバー・スヌーピー賞」を記念して製作されました。

9時位置のスモールセコンドと裏蓋のサファイアクリスタルに、宇宙服を着たスヌーピーの公式パッチが描かれています。また、限定数の「5,441」という数字はアポロ13号の活動時間である「142時間54分41秒」に由来しており、細部へのこだわりもコレクター心をくすぐります。

発売から20年以上が経過して状態の良いフルオリジナル個体が激減していること、そして近年の第2・第3世代スヌーピーの高騰に牽引される形で、「歴代スヌーピーモデルの原点」としての歴史的価値が改めて見直されています。近年やや下落傾向があるものの、現在でも当時の定価の5〜7倍という相場を強固に形成しています。

スピードマスター アポロ13号 45周年記念 スヌーピー アワード 311.32.42.30.04.003
リファレンスナンバー 311.32.42.30.04.003
キャリバー Cal.1861(手巻き)
当時の定価(目安) 766,800円
2026年3月現在の実勢相場 7,000,000円〜9,000,000円(※要注意)

【なぜ高騰するのか】

2015年に世界限定1,970本で発売された、第2世代のスヌーピーモデルです。文字盤の0秒から14秒の間には「What could you do in 14 seconds?」の一文が刻まれており、これはアポロ13号が月軌道上での爆発事故から地球へ帰還する際の軌道修正に要した時間を示しています。裏蓋にはダークブルーのエナメルを背景に、シルバー925製のスヌーピーメダリオンが嵌め込まれています。

「1,970本」という徹底した生産本数の少なさと、随所に込められたストーリーの深さが評価され、現在は定価の約9〜11倍という圧倒的なリセールバリューを誇るオメガ最強クラスのプレ値モデルです。ただし、実勢相場が高騰しすぎて在庫は滞留傾向で、実際の買取価格は実勢相場に対して6割前後にとどまる可能性が高いでしょう。

オメガ2020年新作 スピードマスター シルバー スヌーピー アワード 50周年記念モデル Ref. 310.32.42.50.02.001
リファレンスナンバー 310.32.42.50.02.001
キャリバー Cal.3861(手巻き)
当時の定価(目安) 1,130,000円(税込)/発売当時
1,683,000円(税込)/2026年4月時点
2026年3月現在の実勢相場 2,300,000円〜2,600,000円

【なぜ高騰するのか】

2020年発表の第3世代スヌーピーモデルです。過去のスヌーピーエディションと大きく異なる点は、「限定生産」ではないにもかかわらずプレ値が定着していることです。

その理由は、搭載されている精巧なオートマタ(からくり)機構にあります。クロノグラフを作動させると、裏蓋のスヌーピーが月の裏側を周回し、地球がスモールセコンドと連動して自転するという凝った演出が施されています。この複雑な機構が製造工程を大幅に制限するため、旺盛な需要に供給がまったく追いつかない状況が続いており、2022年頃から下落傾向にはあるもの、以前として定価超えが定着しています。

オメガ スピードマスター スピーディチューズデー2  リミテッドエディション ウルトラマン Ref.311.12.42.30.01.001
リファレンスナンバー 311.12.42.30.01.001
キャリバー Cal.1861(手巻き)
発売当初の定価 767,000円
2026年3月現在の実勢相場 1,700,000円〜2,300,000円

【なぜ高騰するのか】

2018年、世界限定2,012本でオンライン販売され、わずか1時間53分で完売した伝説的なモデルです。本作は、1971年放送の『帰ってきたウルトラマン』に、オレンジ色のクロノグラフ秒針を持つ1967年製スピードマスターが登場していた歴史的背景へのオマージュとして企画されました。
この劇中時計は当時の制作スタッフの私物であったとされており、「オレンジ色の秒針が地球防衛チームの制服カラーにマッチする」という理由から小道具として採用されたという、特撮と時計ファン双方の心をくすぐる逸話を持っています。

このジャンルは、生産本数の少なさや特殊な素材・デザインが、発売後に海外の時計フォーラムなどで再評価され、後から爆発的に高騰した「知る人ぞ知る名機」たちです。

オメガ スピードマスター アポロ・ソユーズ 35周年記念 メテオライト Ref.311.30.42.30.99.001
リファレンスナンバー 311.30.42.30.99.001
キャリバー Cal.1861(手巻き)
当時の定価(目安) 約891,000円
2026年3月現在の実勢相場 2,200,000円〜3,000,000円

【なぜ高騰するのか】

1975年に実施されたアメリカとソ連の共同宇宙ミッション「アポロ・ソユーズテスト計画」から35周年を記念し、2010年に世界限定1,975本で発売されたモデルです。

最大の見どころは、文字盤に本物の「メテオライト(隕石)」を使用している点。隕石特有の結晶模様(ウィドマンシュテッテン構造)により、1,975本すべてが世界に一つだけの顔を持ちます。ロレックスのデイトナ等でも高い人気を誇るメテオライト文字盤と、オメガを象徴する手巻きスピードマスターの組み合わせは唯一無二であり、コレクター間で絶大な支持を集めています。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル ジャパンレーシング Ref.3570.40
リファレンスナンバー 3570.40
キャリバー Cal.1861(手巻き)
当時の定価(目安) 約304,500円
2026年3月現在の実勢相場 1,100,000円〜1,500,000円

【なぜ高騰するのか】

2004年に日本市場限定でわずか2,004本のみ生産された幻のモデルです。1960年代後半に存在した「グランプリ・ダイヤル」と呼ばれる、オレンジとレッドの差し色が効いたレーシング仕様の文字盤を忠実に復刻しています。

発売当時の定価は30万円台と一般的なレギュラーモデルと同等でしたが、海外のスピードマスター愛好家たちから「なぜ日本でしか手に入らないのか」と強い需要が集まり、現在では定価の3〜4倍以上で取引される人気プレ値モデルへと成長しました。

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オメガ スピードマスター シューマッハ レジェンド 世界限定500本 Ref.3853.32
リファレンスナンバー 3853.32
キャリバー Cal.3301(自動巻き)
当時の定価(目安) 約470,000円
2026年3月現在の実勢相場 1,150,000円〜1,400,000円

【なぜ高騰するのか】

F1の皇帝ミハエル・シューマッハを讃えた限定モデルです。最大の特徴は、オメガの限定品としては異例とも言える「世界限定わずか500本」という極端な少なさにあります(ほぼ同デザインのRef.3559.32は6,000本限定)。

アイボリー文字盤にブラックのインダイヤルを配した「パンダダイヤル」が、ロレックスのいわゆる「ポール・ニューマン・デイトナ」を彷彿とさせるとして再評価されたことも高騰の一因です。フレデリック・ピゲをベースとした高品位なムーブメントCal.3301を搭載している点も、コレクターから高く評価されています。

オメガ スピードマスター レーシング タンタン Ref.311.30.42.30.01.004
リファレンスナンバー 311.30.42.30.01.004
キャリバー Cal.1861(手巻き)
当時の定価(目安) 約453,600円
2026年3月現在の実勢相場 1,400,000円〜2,000,000円

【なぜ高騰するのか】

2013年に発表された、文字盤外周に赤と白のチェッカーフラッグ柄を配したモデルです。「レーシングダイヤル」として通常モデル扱いで発売されましたが、ベルギーの人気コミック『タンタンの冒険』へのオマージュだったという開発秘話が時計愛好家の間で広まり、「幻のタンタン・モデル」としてカルト的な人気を獲得しました。

製造期間が1〜2年と短かったこともあり、現在では定価の3倍以上の相場が形成されています。

発売当時の価格と比較すること自体が無意味なほど、数十年の時を経て「文化財的な価値」を獲得した歴史的遺産たちです。伝説のクロノグラフムーブメント「Cal.321」を搭載したモデルや、著名なコレクターが命名した幻のモデルなど、世界中のマニアが血眼になって探しています。

オメガ スピードマスター 第3世代 エド・ホワイト Ref.ST105.003
リファレンスナンバー ST 105.003
キャリバー Cal.321(手巻き)
当時の定価(目安) 数万円(1960年代当時)
2026年3月現在の実勢相場 2,500,000円〜4,000,000円(状態・付属品により大きく変動)

【なぜ高騰するのか】

1963年から製造された第3世代スピードマスターです。NASA宇宙飛行士のエド・ホワイトが、1965年のアメリカ初の船外活動(宇宙遊泳)の際に着用していたことから「エド・ホワイト(Ed White)」の愛称で親しまれています。

リューズガードを持たない「ストレートラグ」ケースの最終形であり、伝説のコラムホイール式ムーブメント「Cal.321」を搭載。オリジナルパーツ(キャタピラブレス、段付き文字盤、ドットオーバー90ベゼルなど)を備えた個体は年々市場から姿を消しており、状態の良いものはヴィンテージ市場においてきわめて強固な資産価値を誇ります。

本モデルの相場が250万円から400万円以上と非常に幅広い理由は、「オリジナルパーツの残存率」にあります。針やベゼルが後年のものに交換されている個体は200万円台で取引されますが、1960年代当時の「DONベゼル(Dot Over Ninety=90の斜め上にドットがあるベゼル)」や「キャタピラブレスレット」、さらには文字盤が美しくブラウンに退色した「トロピカルダイヤル」を備えた個体となれば、400万円に迫る、あるいはそれを超えるオークション級の価格で取引されます。

オメガ スピードマスター 第4世代 プレ・ムーン Ref.ST145.012
リファレンスナンバー ST 145.012
キャリバー Cal.321(手巻き)
当時の定価(目安) 数万円(1960年代当時)
2026年3月現在の実勢相場 1,200,000円〜2,500,000円(※パーツの整合性・ブレスレットの有無により大きく変動)

【なぜ高騰するのか】

1967年頃から製造された第4世代です。現代のスピードマスターに受け継がれる「ツイストラグ(非対称ケース)」と「リューズガード」を初めて備えながら、ムーブメントには旧来の「Cal.321」を搭載した最後の世代にあたります。

アポロ11号の月面着陸(1969年)以前に製造されていることから「プレ・ムーン」とも呼ばれ、時計の機能美と歴史的意義のバランスを兼ね備えた一本として、ヴィンテージ入門機でありながら「上がり時計」としても高く評価されています。

オメガ スピードマスター ホーリーグレイル オートマティック Ref.ST376.0822
リファレンスナンバー ST 376.0822
キャリバー Cal.1045(自動巻き・レマニア5100ベース)
当時の定価(目安) 約200,000円前後(1987年当時)
2026年3月現在の実勢相場 2,500,000円〜4,000,000円(※箱・保証書の有無により大きく変動)

【なぜ高騰するのか】

1987年に非常に少数しか製造されなかったとされる幻のオートマティックモデルです。スピードマスターの著名なコレクターである故チャック・マドックス氏が、あまりの入手困難さから「ホーリーグレイル(HOLY GRAIL、聖杯)」と命名したことで、世界中のマニアにその存在が知れ渡りました。

プロフェッショナルと同じ非対称ケースに、名機と名高い「レマニア5100(Cal.1045)」をセンタークロノグラフ仕様で搭載。デイデイト表示を備えた独自の文字盤レイアウトは唯一無二であり、市場に出現すれば即座に高値がつくコレクターズアイテムです。

なお、オリジナルブレスレットが付属する完品個体は希少で、ブレスレットが別のものに交換されていたり、箱・保証書がない「本体のみ」の個体は200万円台半ばまで価格が下がる傾向があります。

爆発的な高騰や希少性による熱狂とはまた別の文脈で、「手堅い資産価値」を持つのがかつての定番レギュラーモデルたちです。現行モデルの定価上昇に伴って割安感が生まれ、当時の定価を超えながら安定した相場を保つ「実用できる資産」として注目されています。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル 手巻き Ref.3570.50
リファレンスナンバー 3570.50
キャリバー Cal.1861(手巻き)
当時の定価(目安) 約430,000円(販売時期により変動)
2026年3月現在の実勢相場 500,000円〜700,000円

【なぜ高騰するのか】

1996年頃から2014年まで長期間製造された第6世代です。現行モデルの正規価格が100万円を大きく超えたことで、旧型の中古相場が全体的に底上げされました。流動性(換金のしやすさ)が高く、数年使用して手放してもほぼ購入額に近い金額で売れる可能性が高い点も魅力です。

プロ目線で特に注目すべきは、1997年頃までに製造された「トリチウム夜光」搭載の初期個体。経年変化でインデックスがアンティーク調にエイジングするため、後期のルミノバ夜光モデルより数万円〜10万円ほど相場が高い傾向があります。

オメガ スピードマスター オートマティック リデュースド Ref.3510.50
リファレンスナンバー 3510.50
キャリバー 自動巻き Cal.1140、3220など
当時の定価(目安) 262,500円
2026年3月現在の実勢相場 300,000円〜450,000円

【なぜ高騰するのか】

1988年から2006年頃まで製造された自動巻きモデルです。ケース径39mmというコンパクトなサイズ感と、手巻きの煩わしさがないという実用性から、近年「手頃で使いやすいオメガ」として若い世代を中心に再び注目を集め、定価超えを達成しました。

ただし、購入前に必ず知っておきたい注意点があります。 本モデルのムーブメントは、ベースキャリバーの上にクロノグラフモジュールを重ねた「二階建て構造」を採用しているため、オーバーホール(分解掃除)のコストが高額になりやすいという側面があります。購入価格の安さだけでなく、維持費のリスクも十分に理解した上で選ぶことをおすすめします。

最後に、時計市場の熱狂を象徴する「究極のオメガ」の事例を3つ紹介します。世界の主要オークションにおいて、100万スイスフラン(約1億円)のラインを超えた高額落札の事例です。

スピードマスター Ref.2915-1
  • 落札額: 約311万5,500スイスフラン (約3億8700万円)/ 2021年 フィリップス(フィリップス オークション)
  • 背景と注意点: 記録上はオメガ史上最高の落札額ですが、2023年にこの個体が複数の異なる年代のパーツを組み合わせた「フランケンウォッチ」(部品の混合個体)であったとの指摘が市場関係者から上がり、ヴィンテージ市場に大きな波紋を広げました。 夢のある記録である一方、ヴィンテージウォッチ購入の際にオリジナリティの確認がいかに重要かを如実に示す事例でもあります。
エルヴィス・プレスリー所有 オメガ(Ref. H6582/D96043)
  • 落札額: 約181万2,500スイスフラン(約1.98億円) / 2018年 フィリップス
  • 背景: エルヴィス・プレスリーがかつて所有していた18Kホワイトゴールド製の時計。文字盤には「TIFFANY & Co.」の銘が入ったダブルネームモデルです。著名人の所有歴(プロヴェナンス)が価値に直結した、典型的な高額落札の事例です。(※多くのメディアでは「150万スイスフラン(約1.6億円)で落札」と記載されますが、本記事では他の時計と揃え、バイヤーズプレミアムを追加した価格を記載します。)
トゥールビヨン 30 I(1947年製プロトタイプ)
  • 落札額: 約142万8,500スイスフラン(約1.6億円) / 2017年 フィリップス
  • 背景: オメガが1947年に製造した、世界初の腕時計サイズのトゥールビヨンキャリバーを搭載したプロトタイプ。天文台コンクールでの精度競争を目的に作られた、オメガの技術力を証明するミュージアムピース的な一本です。

ここまで紹介してきたプレ値・ヴィンテージモデルとは異なり、現行の現役ラインナップは基本的に「定価超え」ではなく、「値崩れしにくい」という観点でリセールバリューを評価します。オメガ全体の中古相場は定価の50〜70%台が一般的とされる中、スピードマスターは特に安定した評価を受けています。

スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル(現行)

スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル 現行人気モデル
主なリファレンスナンバー 310.30.42.50.01.001(強化プラ) / 310.30.42.50.01.002(サファイア) / 310.30.42.50.04.001(ホワイト)
キャリバー Cal.3861(手巻き)
現行定価(目安) 約1,111,000円、1,276,000円、1,287,000円
中古実勢相場(目安) 850,000円〜1,000,000円前後、ホワイトは1,089,000円〜1,298,000円前後

【リセールが安定している理由】

2021年にフルモデルチェンジした現行ムーンウォッチです。Cal.3861へのアップグレードにより、METAS認定のマスタークロノメーター規格(15,000ガウスの耐磁性能・50時間パワーリザーブ)を達成しています。NASAの公式装備品という揺るぎないブランドストーリーと、世界中で常に安定した需要があるため、ステンレス製の定番モデルは中古市場でも安定した需要を保ち、リセール率が落ちにくい傾向があります。なお、ヘサライト風防の310.30.42.50.01.001と、サファイアガラス仕様の310.30.42.50.01.002では後者がやや高値で推移する傾向がありますが、定価の差を加味すると、ヘサライト風防の方がむしろリセール率は高いと言えるでしょう。
2024年新作として登場した、ホワイト文字盤仕様の 310.30.42.50.04.001(通称「パンダダイヤル」)も注目に値します。ブラック文字盤に比べて流通量が少なく、国内外で根強い人気があるため、中古実勢相場は1,089,000円〜1,298,000円前後と、定番のブラック文字盤モデルより高めに推移する傾向があります。

オメガ2026年新作 スピードマスター ムーンウォッチ ブラック ホワイト Ref. 310.30.42.50.01.004スペック・価格

オメガ2026年新作 スピードマスター ムーンウォッチ ブラック ホワイト Ref. 310.30.42.50.01.004

また、2026年に登場したばかりの新作310.30.42.50.01.004(通称「リバースパンダ」)も見逃せません。ブラック文字盤にホワイトのサブダイアルを配した、パンダダイヤルの配色を反転させたデザインで、定価は約1,470,000円。発売直後のため現時点では中古相場はまだある種の”ご祝儀価格”で流動的で徐々に落ち着いていくとは予想されますが、現時点ではホワイト文字盤モデルや定価を上回る価格(1,630,000円~1,830,000円前後)で中古市場にも流通し始めており、今後のリセール動向が期待される一本です。

シーマスター ダイバー 300M マスタークロノメーター

スピードマスターとの比較、という意味も込めて、シーマスターの相場観を確認しておきましょう。やはりスピードマスターと比較すると、リセールバリューは低くなり、6~7割前後の一般的なレベルとなっています。

シーマスター ダイバー 300M マスタークロノメーター
主なリファレンスナンバー 210.30.42.20.01.001(ブラック) / 210.30.42.20.03.001(ブルー)
キャリバー Cal.8800(自動巻き)
現行定価(目安) 946,000円
中古実勢相場(目安) 600,000円〜750,000円前後

【リセールが安定している理由】

映画「007」シリーズでジェームズ・ボンドが着用することで世界的な知名度を誇る、オメガの看板ダイバーズウォッチです。2022年から2025年にかけておおむね70万円前後で推移しつつも、需要の高まりや限定モデルの影響とみられる局地的な高騰も見られます。セラミックベゼルとマスタークロノメーター認定による高い実用スペックが幅広い層に支持されており、流通量は多いながらも需要が常に旺盛なため、オメガの現行モデルの中では安定感のあるリセールバリューを維持しています。

中でも2023年に登場したブルーグラデーションダイヤルが美しい”サマーブルー”シリーズ(210.30.42.20.03.003など)は実勢価格が7割以上で販売されており、ややリセールバリューが高めで推移しています。ただし、「比較的新しい」という点も大きいので、今後特に上昇する要素は見当たらず、恐らくゆっくりと下落傾向になるとは予想されます。

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【現行モデルを選ぶ際の注意点】
現行モデルは「定価を超えるプレ値」ではなく、「買った価格からの下落幅が比較的小さい」という性質のリセールバリューです。資産価値の最大化を狙うなら本記事で紹介したプレ値・ヴィンテージモデルが優位ですが、「実際に着けて楽しみながら、手放す際にも大きく損しない一本」を求めるなら、上記の現行モデルは非常に現実的な選択肢です。

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オメガ 310.20.42.50.01.001 仕様・価格

本記事のジャンル1・ジャンル2で解説してきたように、オメガのプレ値モデルを語る上で欠かせないのが「NASAとの関係性」というストーリーです。その中心にあるのが、アポロ計画の各ミッションを記念した「アポロシリーズ」です。

スピードマスターはNASAの公式装備品として1965年に認定され、アポロ計画のすべての有人月面着陸ミッションに携行されました。この歴史的事実を背景に、オメガは各ミッションの周年ごとに記念モデルを発売し続けており、それらはいずれも「生産本数が少ない」「宇宙開発という強力なストーリーを持つ」という本記事が解説したプレ値の2大条件を満たしています。

実際、アポロ11号50周年記念モデル(310.20.42.50.01.001)は発売当時の定価1,112,400円に対して中古市場では1,900,000円前後での取引が確認されており、定価超えが定着しています。また、スヌーピーアワードシリーズ(本記事ジャンル1参照)はアポロ13号の功績に由来するモデルであり、歴代で最も激しいプレ値を形成しています。

こうした背景から、アポロシリーズ全体は「オメガのリセールを考える上で最も重要なカテゴリ」と言っても過言ではありません。以下の早見表は、歴代のアポロ関連モデルを型番・発売年・限定数とともに整理したものです。購入・売却・コレクションの参照資料としてご活用ください。本記事で個別解説済みのモデルには ★ を付記しています。

アポロ8号(人類初の月周回軌道)

モデル名 型番(Ref.) 発表年 限定数・仕様
ダークサイド オブ ザ ムーン アポロ8号 311.92.44.30.01.001 2018年 レギュラー
ダークサイド オブ ザ ムーン アポロ8号(新) 310.92.44.50.01.001 2024年 スモールセコンドがサターンVロケット型

アポロ11号(人類初の月面着陸)

モデル名 型番(Ref.) 発表年 限定数・仕様
アポロ11号 10周年記念(初代シースルーバック) ST 345.0808 1980年頃 約1,000本(Cal.863搭載・カッパーメッキ仕様は特に希少・複数世代あり)
アポロ11号 20周年記念 ST 145.022 1989年 約6,250本(複数仕様あり)
アポロ11号 25周年記念(SSブレス) 3591.50 1994年 2,500本
アポロ11号 25周年記念(革ベルト) 3891.50 1994年 2,500本
アポロ11号 25周年記念(シースルーバック) 3592.50 1994年 500本
アポロ11号 30周年記念 3560.50 1999年 9,999本
アポロ11号 35周年記念 3569.31 2004年 3,500本(パンダダイヤル)
アポロ11号 40周年記念(SS) 311.30.42.30.01.002 2009年 7,969本
アポロ11号 40周年記念(プラチナ) 311.90.42.30.01.001 2009年 69本
アポロ11号 45周年記念(チタン/セドナG) 311.62.42.30.06.001 2014年 1,969本
アポロ11号 50周年記念(SS/ムーンシャインG) 310.20.42.50.01.001 2019年 6,969本
アポロ11号 50周年記念(ムーンシャインG) 310.60.42.50.99.001 2019年 1,014本

アポロ13号 & スヌーピーアワード(★本記事で詳細解説)

モデル名 型番(Ref.) 発表年 限定数・仕様
アポロ13号 25周年記念 3595.52 1995年 999本
スヌーピー アワード(初代)★ 3578.51 2003年 5,441本
シルバー スヌーピー アワード 45周年記念(第2世代)★ 311.32.42.30.04.003 2015年 1,970本
シルバー スヌーピー アワード 50周年記念(第3世代)★ 310.32.42.50.02.001 2020年 レギュラー(生産数極少)

アポロ15号(月面車初使用)

モデル名 型番(Ref.) 発表年 限定数・仕様
アポロ15号 35周年記念 3366.51 2006年 1,971本(レッドゴールドのベゼル・プッシャー)
アポロ15号 40周年記念 311.30.42.30.01.003 2011年 1,971本

アポロ17号(人類最後の月面着陸)

モデル名 型番(Ref.) 発表年 限定数・仕様
アポロ17号 30周年記念 3574.51 2002年 3,000本
アポロ17号 40周年記念 311.30.42.30.99.002 2012年 1,972本(シルバー925製エンボス加工ダイヤル)
アポロ17号 45周年記念(SS/ブルーセラミック) 311.30.42.30.03.001 2017年 1,972本
アポロ17号 45周年記念(イエローゴールド) 311.63.42.30.03.001 2017年 272本

アポロ・ソユーズ(米ソ共同宇宙ミッション)

モデル名 型番(Ref.) 発表年 限定数・仕様
アポロ・ソユーズ テストプロジェクト ST 145.022 1976年 500本
アポロ・ソユーズ 35周年記念 メテオライト★ 311.30.42.30.99.001 2010年 1,975本(本物の隕石ダイヤル)

【注記】 1997年発売の「ミッションズ・コレクション」(各ミッション号ごとに型番3597.XXが割り当てられた全22モデルのシリーズ)は、市場での単体流通が極めて稀なため上表から除外しています。

【免責事項】 本早見表は2026年3月執筆時点において確認できた主要モデルを掲載していますが、オメガのアポロシリーズは地域限定モデル・販売チャネル限定モデル・素材違いのバリエーションなど多岐にわたるため、すべてのモデルを網羅しているものではありません。型番の確認や購入・売却の判断にあたっては、オメガ公式サイトや信頼できる専門店・買取店への照会を併せてご活用ください。

本記事で見てきた通り、オメガにおいて「定価以上で推移するプレ値モデル」には、価格が高騰する明確なメカニズムが存在します。資産価値やリセールバリューを意識してオメガを選ぶなら、以下の4つの法則が鍵を握ります。

  1. ベースは「スピードマスター」一強であること
  2. NASAや宇宙開発、または特別なキャラクターとの「強力なストーリー」があること
  3. 生産本数が絞られている、または極端に少ないこと
  4. ヴィンテージであれば「Cal.321」などの歴史的価値と、オリジナル状態を保っていること

時計選びの基本は「心から気に入った一本を手首に巻くこと」。ただ、「資産価値」というフィルターを加えるなら、上記の条件を満たす特別なスピードマスターに的を絞るのが、市場の事実に基づいた最も確実な選択です。歴史的な背景と熱狂に裏打ちされた名機の価値は、これからも色褪せることはないでしょう。

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