更新日:2026年02月16日

【2026年新作】オーデマ・ピゲ ロイヤル オーク クロノグラフ 38mm

1972年、ステンレススチールケースという大胆な選択で、高級腕時計の価値観を覆した“ラグスポの祖”「ロイヤルオーク」。完成されたデザインコードはそのままに、実用性の高いクロノグラフ機能を追加した「ロイヤル オーク クロノグラフ(ROC)」は1997年に初登場、来年には誕生30周年を迎えます。
2026年新作3モデルに自社製新型自動巻きクロノグラフムーブメント「Cal.6401」を搭載、節目の年を待たずしてロイヤル オーク クロノグラフが時計業界を賑わせています。

オーデマ・ピゲ2026年新作ロイヤル オーク クロノグラフ 38mmは自社製ムーブメントCal.6401搭載

38mmのロイヤル オーク クロノグラフは2019年にコレクションに仲間入り。38mm&41mmモデルともに、フレデリック・ピゲ社製エボーシュ「Cal.1185」をベースにした「Cal.2385」が長らく搭載されていましたが、2022年にROC 41mmへ自社製クロノグラフムーブメント「Cal.4401」を搭載、続いて今回、38mmモデルにも自社製ムーブメント「Cal.6401」が実装されました!熱心な時計好きにはたまらないトピックスでしょう。
ハイエンドなブランドに相応しい、ハイクオリティーなムーブメントが採用されたことで、ますます“高級ラグジュアリースポーツウォッチの王者”としての地位を盤石なものにしそうです。

本記事ではステンレススチールケース26450ST.OO.1356ST.01を中心に、各パーツの変化・改善点を解説していきます。

オーデマ ピゲ 2026年新作 38MMの「ロイヤル オーク クロノグラフ」新キャリバー6401を搭載する3モデル

1972年誕生のロイヤル オーク(RO)は“ラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)”の原点であり、“時計界のピカソ”ジェラルド・ジェンタがデザインを発案、ステンレススチール素材で高級腕時計に革命を起こす、など逸話が満載。
あえて表面に露出させた六角形のビス、潜水士のヘルメットから着想を得た八角形ベゼル、“ジャンボ”の愛称で呼ばれる39mmサイズ、貴金属並みの仕上げが施された極上のSS製ケース……規格外でありながら調和の取れたプロポーションは、スーツにもカジュアルにも似合う「オールマイティーな高級腕時計」として、50年以上も世界中の時計好きに愛されてきました。

2026年新作のロイヤル オーク クロノグラフも初代ROから続くデザインコードを忠実に継承。新しい自社製ムーブメントでも、トレンドに左右されない完璧なラグジュアリースポーツウォッチを体現しています。
2026年新作ROCの大まかな変更点は以下の通りです。

≪2026年新作ロイヤルオーククロノグラフのセールスポイント≫
  • 1997年から使用されていたキャリバー2385→自社製自動巻きクロノグラフキャリバー6401に
  • 伝説的なアイコンであるブルーのグランド・タペストリー文字盤&ステンレススチールケースはそのまま、外観が更に洗練されたデザインに
  • トリプルフォールディングバックルを搭載するなど細かな変化が盛り沢山

待望の自社製ムーブメントが搭載されたロイヤル オーク クロノグラフ38mmですが、プッシャーの間隔が広くなり、サブダイヤルの大きさが均一化されたことで、シンメトリー(対称)な美しさが増しましたね。
伝統と革新の融合、というキーワードはオーデマ・ピゲの企業理念でありブランドの真髄でもあるのですが、2026年ROCは「外観=洗練、中身=機能美」を追求しており、第一印象よりも大胆な変化を遂げています。ロイヤル オークの系譜ですし、ステンレスモデルの新作が発売されたのも、ファンにとっては嬉しいトピックスですよね。

ROC2026年新作の魅力を少しでも分かりやすくお伝えするために、読者様が一番知りたいであろう従来モデルのRef. 26715ST.OO.1356ST.01からどのように変化したのか、に絞り「ムーブメント・ダイヤル・サイズ・ブレスレット」の違いを解説していきます。

自社製自動巻きクロノグラフキャリバー6401

26450ST.OO.1356ST.01のムーブメントは、開発に約5年の歳月を費やした自社製自動巻きクロノグラフ キャリバー6401。エネルギー伝達方式はCal.2385同様「コラムホイール式×垂直クラッチ方式」を採用、部品数は304個→348個、石数は37個→44個、振動数は毎時21,600回→28,800回、パワーリザーブは40時間→55時間へ増加。実用において、特にこのパワーリザーブの向上は大きな改善点ですね。一部見識者からは「時代遅れ」と揶揄されることがあった“時計の心臓部”も、現代的なスペックへとグレードアップしました。

26450OR.OO.1356OR.01の裏ぶたはシースルーバック仕様

26450OR.OO.1356OR.01の裏ぶたはシースルーバック仕様

特筆事項として、プッシュボタンの操作感が改善し使い心地が良くなったのもポイントです。オーデマ・ピゲが特許を保有するクラッチメカニズムをキャリバー6401へ導入したことで、リターンスプリングが不要になり構造も簡素化。軽快なクロノグラフ操作を可能としています。

ムーブメントに対するこだわりは、2025年発表ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーにも通ずるものがありますね。同モデルに搭載された新キャリバー7138は、リューズ操作のみでパーペチュアルカレンダーを修正できる“オールインワン”リューズを初導入。こちらも約5年の年月を費やし、ユーザーフレンドリーな「使い勝手の良さ」を追求していました。

ムーブメントが生まれ変わり、“完全自社製ロイヤル オーク”へ進化した26450ST.OO.1356ST.01。時計選びの決め手として、「ムーブメントが自社製かどうか」にこだわるコアなAP愛好家には、今作のムーブメント変更は前向きに捉えられそうですね。

ムーブメントの変更により、ダイヤルレイアウトも刷新。従来モデル26715ST.OO.1356ST.01の「9時位置=時積算計、3時位置=クロノグラフ分積算計」から、本作では「9時位置=クロノグラフ分積算計、3時位置=時積算計」へ配置転換されています。

他にも、5時位置に寄っていたデイト表示が4時5時の中間へ移動。26715ST.OO.1356ST.01より対称性が増したことで、全体がより整った印象へ変化しました。ロイヤル オークのデザイン自体が、規則正しい正方形のブロックを羅列したタペストリー模様、均整の取れた八角形ベゼル&六角形の8つのネジなど、秩序だったデザインが持ち味ですし、「デザイン的な歪みを減らす」のは、ROらしいベクトルでしょう。
ダイヤルの主な変更点をピックアップしてみました。

26450ST.OO.1356ST.01と26715ST.OO.1356ST.0デザイン比較

≪26450ST.OO.1356ST.01と26715ST.OO.1356ST.01のデザインの違いと変化≫

  • 文字盤カラーが深みのある青色に
  • プッシャー間のスペースが広くなった
  • 3つのサブダイヤルがすべて同じサイズに
  • 12時間積算計と30分積算計の位置が入れ替わった
  • スモールセコンドがバー目盛のみから20、40、60のアラビア数字を追加
  • 日付表示窓がアワーマーカーの中央へ配置

プッシャー位置やサブダイヤルのバランスの変化、スモールセコンドへのアラビア数字の追加は顕著で分かりやすいですね。ダイヤルカラーがダークブルー寄りに、分目盛りの間隔が広がるなど、全体的にパキッとした味付けへ変化したのも特徴です。レイアウト間隔を広めにしたことでスッキリな外観、色合いはクッキリ、とメリハリが際立っています。
ただし、左右のサブダイヤルの位置がやや上がったことで、よく見ると2時と10時のインデックスの長さが短くなっています。その点では対称性をやや損なっているものの、これも全体でのバランスを考慮した結果、ということでしょう。

新作26450ST.OO.1356ST.01が秩序だったシンメトリーの美しさが強化されたのに対し、26715ST.OO.1356ST.01はアシンメトリー(非対称)というほどではないにしろ、絶妙な「抜け感」があるのも事実。見る人の主観も影響すると思いますが、通になれば好みが分かれそうな味付けなのも完成度が高いですね。

デザインについて一つだけ難癖をつけるとすると、ROの基本的なデザインコードが完成されている分、デイト窓を取り除いたり、6時位置のスモールセコンドは数字なしのまま、など無駄を省いた「引き算の美学」があってもよかったかもしれません。レイアウト配置自体は広々としましたが、サブダイヤル付近の情報量が少し多く、ダイヤル下半分がごちゃごちゃしているのは少々気になるところです。

26240BC.OO.1320BC.04はCal.4401搭載18KWGケース

26240BC.OO.1320BC.04はCal.4401搭載18KWGケース

こちらは41mm径の18Kホワイトゴールド製ケースを採用したスモークブルー文字盤の26240BC.OO.1320BC.04。2022年発売の同モデルは完全自社開発製造のムーブメント キャリバー4401が内蔵されており、デザインは本作とほぼ同じです。こちらのモデルも、整ったシンメ顔がクールビューティーですね。

アシンメトリーなフォルムが美しいリ・マスター02 オートマティック 15240SG.OO.A347CR.01

APは1960年代に非対称ケースを多数手掛けているアシンメトリーウォッチのスペシャリストである

2024年新作の目玉に、12の三角形で形作られた非対称ケース「リ・マスター02」を据えて、オーディエンスの度肝を抜いたオーデマ・ピゲのこと、計算し尽くした上での本作のレイアウトでしょう。「対称or非対称」は、ここ数年のAPの気になるキーワードです。ロイヤル オーク55周年&ロイヤル オーク クロノグラフ30周年の2027年に、どのようなデザインがリリースされるのでしょうね。

2026年新作ロイヤル オーク クロノグラフ 38mmの厚さは、ケース厚11.1mm、防水性能はシリーズ共通の50m防水性能です。キャリバー2385搭載ROCはケース厚11mmで、サイズ面ではほぼ変更がありません。
ムーブメント自体の大きさはキャリバー2385が幅 26.2mm×厚み 5.5 mm 、キャリバー6401が幅 27mm×厚み 5.7mmとわずかにサイズアップしているのですが、ケースサイズへの影響がほぼないのは素晴らしい企業努力です。

26450ST.OO.1356ST.01は38mmケースサイズ、やや小さめ

26450ST.OO.1356ST.01は38mmケースサイズ、やや小さめ

デザインの変化自体は目新しさが少ない本作ですが、38mmケースサイズという属性は、時計業界のトレンドである“小型化”の流れに乗っており、「サイズ感」そのものが一つの武器となり得ます。プレミア連発の超人気モデル ロイヤル オークの新作ですし、世界中のウォッチマニア達からも賞賛を浴びそうです。

本作ではAPフォールディングバックからトリプルフォールディングバックル(三つ折れ式バックル)へ改良、ロイヤル オークのアイデンティティーである「一体型ブレスレット」は本作も顕在です。
APのブレスレットは複雑かつ丁寧な仕上げが施されており、1980~90年代のロイヤル オークは「ケースがブレスレットに合わせていた」と公式サイトに記載されるこだわりぶりです。

 公式サイト「AP Chronicles」

ロイヤル オークの一体型ブレスレットは仕上げの評判が良い

2011年のAPへのインタビューでジェラルド・ジェンタ氏が、ウォッチの識別にはブレスレットが重要だ、と力説しており、本作も相当作りこまれた一体型ブレスレットへ仕上がっていることでしょう。百聞は一見に如かず、ですので運よく実機を見かけた際には、従来モデルとの違いを掘り下げられればと思います。

26450ST.OO.1356ST.01の値段は税込価格5,940,000円、ピンクゴールドはいずれも要問合せとなっております。
海外サイトではSSモデルが34,000スイスフラン、PGモデルが66,700スイスフラン、ダイヤベゼル付きPGモデルが72,400スイスフランと紹介されています。SSモデルの594万円という定価から単純計算すると、PGモデルは約1165万円、PGダイヤモデルが約1265万円となりますね。あくまで概算ですので、ご参考までに。

さて読者の皆様としては、幾らで売られるのか、リセールバリューも気になるところでしょう。

26715ST.OO.1356ST.01の資産価値はプレミア状態で入手困難が続く

先代機26715ST.OO.1356ST.01の相場は800~1000万円前後、人気プレミアモデルの“ジャンボ“エクストラ シン Ref.16202ST.OO.1240ST.02(※39mm、SS製、3針モデル)、Ref.15510ST.OO.1320ST.06(※41mm、SS製、3針モデル)ほどではないにしろ、本作もプレミア待ったなしの状況です。
今後のROC新作は自社製ムーブメントを搭載していくことでしょうし、エボーシュ搭載ロイヤルオークは、需要次第では逆にますますプレミア価格になる可能性もあります。キャリバー2385搭載モデルが生産終了した際には、どのようなリセールバリューになるのか、皆目見当がつきません・・・

ロイヤル オーク クロノグラフ 26450OR.OO.1356OR.01

ロイヤル オーク クロノグラフ 26450OR.OO.1356OR.01

今回はステンレスモデル26450ST.OO.1356ST.01のほか、ピンクゴールドモデル26450OR.OO.1356OR.01&26450OR.ZZ.1356OR.01もリリースされています。
グレーダイヤルにシルバーの三つ目クロノグラフを組み合わせた26450OR.OO.1356OR.01、ピンクゴールドベゼルに40個のブリリアントカットダイヤモンドをセッティングしたサンドゴールドダイヤルの26450OR.ZZ.1356OR.01。

ロイヤル オーク クロノグラフ 26450OR.ZZ.1356OR.01

ロイヤル オーク クロノグラフ 26450OR.ZZ.1356OR.01

洗練された外観を放つ新ROCのデザインコードは、ピンクゴールドの柔らかな色味にも見目好く馴染んでいますね。

Audemars Piguet 26450ST.OO.1356ST.01の仕様・価格
26450ST.OO.1356ST.01のスペック
モデル ロイヤル オーク クロノグラフ
Royal Oak Chronograph
型番(Ref.) 26450ST.OO.1356ST.01
ケース素材 ステンレススティール
反射防止加工のサファイアクリスタルとケースバック
ケースサイズ 38mm
ブレスレット&バックル ステンレススティールブレスレット、トリプルフォールディングバックル。
文字盤 ブルーグランドタペストリーダイヤル、トーンオントーンのサブダイヤル、蓄光加工を施した18Kホワイトゴールドのロイヤル オーク針とアワーマーカー、ロジウムカラーのインナーベゼル。
ムーブメント 自動巻きキャリバー6401
パワーリザーブ 55時間
機能 クロノグラフ、時、分、スモールセコンド、デイト
防水性 50 m防水
価格 5,940,000 円(税込)

※掲載内容は2026年02月調査時点のものです。
※価格・仕様は予告なく変更される場合があります。

Audemars Piguet 26450OR.OO.1356OR.01の仕様・価格
26450OR.OO.1356OR.01のスペック
モデル ロイヤル オーク クロノグラフ
Royal Oak Chronograph
型番(Ref.) 26450OR.OO.1356OR.01
ケース素材 18Kピンクゴールドケース、反射防止加工サファイアクリスタルガラスの風防とケースバック。
ケースサイズ 38mm
ブレスレット&バックル 18Kピンクゴールドブレスレット、トリプルフォールディングバックル。
文字盤 グレーグランドタペストリーダイヤル、ベージュサブダイヤル、蓄光加工を施した18Kピンクゴールドのロイヤル オーク針とアワーマーカー、ピンクゴールドトーンのインナーベゼル。
ムーブメント 自動巻きキャリバー6401
パワーリザーブ 55時間
機能 クロノグラフ、時、分、スモールセコンド、デイト
防水性 50 m防水
価格 要問合せ

※掲載内容は2026年02月調査時点のものです。
※価格・仕様は予告なく変更される場合があります。

Audemars Piguet 26450OR.ZZ.1356OR.01の仕様・価格
26450OR.ZZ.1356OR.01のスペック
モデル ロイヤル オーク クロノグラフ
Royal Oak Chronograph
型番(Ref.) 26450OR.ZZ.1356OR.01
ケース素材 18Kピンクゴールドケース、ベゼルに40個のブリリアントカットダイヤモンドをセット(約0.92ct)、反射防止加工サファイアクリスタルガラスの風防とケースバック。
ケースサイズ 38mm
ブレスレット&バックル 18Kピンクゴールドブレスレット、トリプルフォールディングバックル。
文字盤 サンドゴールドカラーグランドタペストリーダイヤル、ベージュサブダイヤル、蓄光加工を施した18Kピンクゴールドのロイヤル オーク針とアワーマーカー、ピンクゴールドカラーのインナーベゼル。
ムーブメント 自動巻きキャリバー6401
パワーリザーブ 55時間
機能 クロノグラフ、時、分、スモールセコンド、デイト
防水性 50 m防水
価格 要問合せ 円(税込)

※掲載内容は2026年02月調査時点のものです。
※価格・仕様は予告なく変更される場合があります。

「素晴らしいブランドだがお金があっても入手できない」
「Code1159がロイヤル オークを手に入れるための入場券に過ぎないのが問題だ」
「APのクライアントに対する態度は賛同できない」

人気・資産価値・高級感・完成度、全てのジャンルで業界最高水準を誇るオーデマ・ピゲですが、ここ数年口コミの評判がイマイチなのが懸念事項でしょうか。顧客との結びつきはブランドの更なる繁栄にも影響しますし、幾つかの販売手法は改める時期に来ているのかもしれません。

26715ST.OO.1356ST.01よりも均整の取れたプロポーションに変化したロイヤル オーク クロノグラフ 38mm。心理学的な研究によると、人間は本能的に左右対称な形を美しいと感じる傾向があり、安定感・調和・秩序などのイメージ効果を生み出すのに役立つとか。ヴェルサイユ宮殿やタージ・マハル、国会議事堂などの左右対称建築は、見る者に安心感と重厚感を与え、「権威」「格式」の象徴として用いられていきましたし、“世界三大時計ブランド”のオーデマ・ピゲにはうってつけのデザイン美学でしょう。

ただし、完全なシンメトリーは生命感に欠ける“静止した秩序”の状態で、時に「冷たい」という感情を見る者に与えてしまう弱点を内包しています。となれば、インデックスの長さの不均衡はあえての選択、という可能性もありますね。今後の新作では、意図的にシンメトリーを崩した“躍動感のある動的な美しさ”を極めたロイヤル オークも見てみたいものです。

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