更新日:2024年10月04日
オメガ公式SNSでもティザー動画が流れ、多くの人が注目していましたが、大方の予想通り、廃番となっていたFOIS(First Omega In Space)が復活しました!新作「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース 310.30.40.50.06.001」は、ヴィンテージのCK2998のルックスにオメガの最新技術を備えた新しい記念復刻モデルです。
レジェンドの再来
オメガが初めて宇宙へ行ったのは、1962年、宇宙飛行士ウォルター・シラーのミッションでした。この伝説的な「スピードマスター」が、新たな世代のために生まれ変わって戻って来ました。オリジナルのモデルにトリビュートを捧げ、「ドットオーバー90(90の上のドット)」、ヴィンテージのオメガロゴ、そして1962年のモデルがもつクラシックなドーム型を再現した新しいサファイアクリスタルを備えています。
本ブログでは、新作「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース 310.30.40.50.06.001」の魅力や注目すべきポイントについて、オリジナルの「スピードマスター CK2998」や、先代の2012年モデルの「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース 311.32.40.30.01.001」、スピードマスターの現行モデルとも違いを比較しつつ、ご紹介いたします。ご購入の参考になりましたら幸いです。
1962年10月3日
歴史が作られた時
1962年、宇宙飛行士ウォルター・シラーによる歴史的なシグマ7 ミッションで、宇宙に行った初めてのオメガとなった「スピードマスター」。9時間13分11秒におよんだこの歴史的飛行で、シラーは地球を6週しました。これを機に「スピードマスター」は、宇宙には欠かせないアイテムとなります。その後NASAからの認定を得て、すべての有人ミッションに必須となったオメガは、宇宙探査の歴史における確固とした地位を築いたのでした。現在の時計は、オリジナルモデル「CK-2998」をベースにデザインされています。
オリジナルは1959年発表のスピードマスターセカンドモデル、「CK2998」。1962年に宇宙飛行士のウォルター・”ウォリー”・シラー(Walter "Wally" Schirra)がマーキュリー計画の「シグマ7」ミッションで着用し、「初めて宇宙に行ったスピードマスター」として世界で最も人気を誇るモデルの一つです。
2024年に登場した今回の新作は、オリジナルをベースに最新技術も投入し、また、2012年モデルの流れも汲みつつ、わずかながら重要な変更が加えられています。詳しく見ていきましょう。
本作はポリッシュ&ブラッシュ仕上げのステンレススティール製のケースを採用。ケース径は歴代のCK2998復刻モデルと同様、39.7mm。微調整が可能なコンフォートリリースシステムを採用した“フラットリンク”ブレスレットは、いわゆる「キャタピラブレス」風で、小振りなサイズ感とともにヴィンテージな雰囲気をより高めていますね。
本作はブラックアルミニウム製ベゼルリングのタキメーターの、90の上のドットが施された「ドットオーバー90(DON)」が注目ポイントです。実は先代の2012年モデルのFOISは90の「横」にドットがあり、微妙に残念なポイントだったのです。
現行のスピードマスターではDONが採用されていますが、やはり復刻モデルとしてオリジナルに近いディテールになったというのは喜ぶべきポイントでしょう。
本作のガラス風防にはオリジナルのヘサライトを再現したかのような、ドーム型のサファイアクリスタルが採用されています。ヘサライトとは、プレキシガラスやアクリル樹脂と言ったプラスチック素材で、オメガではヘサライトという呼称を用いています。
現行のスピードマスターも「ドーム型強化サファイアクリスタルガラス」か「強化プラスチックガラス」がありますが、本作ではよりヘサライトに”寄せた”形状の、新たな「ヘサライト風サファイアクリスタル」という選択肢が用意されました。丸みを帯びたヘサライト風のヴィンテージ感と、サファイアクリスタルの耐傷性、耐久性が融合している点は魅力的ですね。
一見して分かりづらいところではありますが、本作のダイヤルはブラックではなく、CVDでコーティングされたサンブラッシュ仕上げの”グレーブルー”となっており、これは1960年代に制作された「CK 2998」ウォッチのトーンを再現しようとしたものです。
時計の世界でよく耳にする「PVDコーティング(physical vapor deposition)」が物理的に硬質皮膜を処理物表面に蒸着させる処理であるのに対し、CVDコーティング(Chemical Vapor Deposition)は熱的(化学的)に硬質皮膜を処理物表面に蒸着させる処理です。CVDはPVDより処理温度が高く、密着力に優れた厚めの膜が形成されます。と言ってもなんのこっちゃですが、オメガのブルーの「セイリング ブレスレット」にもCVD処理が施されていますので、あくまで想像ではありますが、性能というよりオメガが”出したいブルー”が出せる処理だったのかもしれませんね。
本作の”OMEGA”ロゴはヴィンテージ感のあるフォントが用いられています。これも2012年モデルよりオリジナルに忠実な部分ですね。
余談ながら、現在オメガのスピードマスターの手巻きモデルの文字盤には”PROFESSIONAL”の表記がありますが、本作はオリジナル同様ありません。文字盤の“PROFESSIONAL” の表記は、1964年頃、4thモデルのNASA正式採用を受けて入るようになったと言われており、セカンドモデルの頃にはなかったわけですね。
リューズにもヴィンテージなオメガロゴが施されています。
左)新作 右)レギュラーモデルのスピードマスター
本作のインデックス、アルファ型の時・分針にはヴィンテージのスーパールミノヴァを、バトン型の中央のクロノグラフ秒針には、ホワイトのニスを塗布しています。オメガファンの間では"fauxtina"とも揶揄される、ヴィンテージ風の夜光塗料については賛否両論ありますが、本作においてはまるで経年変化したようなこの温かな色味は非常にマッチしているように見えます。
3時位置に30分計、6時位置に12時間計、9時位置にスモールセコンド表示のサブダイアルを備えており、スモールセコンドにはアルファ型の針を採用しています。
本作のポリッシュ仕上げのSS製ケースバックには、通常モデルとは違う大きなシーホースのモチーフと、それを囲むように“THE FIRST OMEGA IN SPACE”の文字と、ミッションが実行された“OCTOBER 3, 1962”という日付が刻まれています。
2012年モデルも刻印の内容は同じでしたが、もっとデコラティブなデザインでした。好みもあるでしょうが、個人的には本作のほうがシンプルでよいなと感じます。
ただ、2012年モデルはナンバードエディションでしたので、シリアルナンバーの刻印もありました。今回はそうでない点だけがやや残念ではありますね。
本作にはブラウン、またはブラックのレザーストラップバージョンも用意されています。
ブラウンのカーフレザーストラップモデル 310.32.40.50.06.002
ブラックのカーフレザーストラップモデル 310.32.40.50.06.001
SSブレスレットモデルの定価は1,210,000円(税込)、カーフレザーストラップモデルの定価は1,166,000円です。
新作「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」は2019年にデビューした「Cal.3861」を搭載しています。
オリジナルの「CK2998」に搭載されていた「Cal.321」の系譜であり、2012年モデルにも搭載されていた「Cal.1861」をベースにコーアクシャル脱進機を組み込み、ストップセコンド機能とオメガ独自の耐磁性テクノロジーを採用することで、「マスター クロノメーター」の称号を獲得した最新ムーブメントです。
このムーブメントが搭載されるであろうことは多くの方が予想したところではありましたが、一方で、オメガは2019年に「Cal.321」の再生産を発表し、すでにいくつもの搭載モデルをリリースしています。再生産版の「Cal.321B」は、オリジナルを忠実に再現しつつも、主ゼンマイをより長いものとし、パワーリザーブを約55時間に延ばしています。本作に「Cal.321」を搭載する、という選択肢はなかったのでしょうか。
「スピードマスター キャリバー321ステンレススティール 311.30.40.30.01.001」
ただ18K セドナ™ゴールドコーティング仕上げが施されていることもあり、搭載モデルはSSケース採用の「スピードマスター キャリバー321ステンレススティール 311.30.40.30.01.001」でも230万円超え。価格のことも考えればやはり「Cal.3861」でよかった、というところでしょうか。
この時計は、“LEGENDARY MOONWATCH” と題したリーフレットと合わせて、特別仕様のボックスに収められています。
さて前述した通り、本作はSS製39.7mmケースに最新の「Cal.3861」を搭載した非限定モデルで、ブレスレットモデルの定価は1,210,000円、カーフレザーストラップモデルの定価は1,166,000円です。
同じ「Cal.3861」を搭載した、現行のスピードマスターと比べてどうかと言えば、強化プラスチックガラス&ソリッドバック仕様の「スピードマスタームーンウォッチ プロフェッショナル310.30.42.50.01.001」が1,078,000円、サファイアクリスタルガラス&シースルバック仕様の「スピードマスタームーンウォッチ プロフェッショナル310.30.42.50.01.002」が1,232,000円ですから、後者よりやや安い程度に設定されています。スペックを考えれば妥当な価格設定と言えるでしょう。
「スピードマスタームーンウォッチ プロフェッショナル310.30.42.50.01.001」
本作の資産価値・リセールバリューなども気になるところですね。
先代の2012年モデル「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース 311.32.40.30.01.001」のリリース当時の定価は50万円前後だったかと記憶しています。
中古腕時計市場での現在の販売相場価格を見てみましょう。
楽天市場で調べると、「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース 311.32.40.30.01.001」の販売相場は、2024年10月時点で69~82万円前後でした。
販売当時の定価よりは高いですが、買取価格を考えればさほどプレミアがついている、という状態でもありませんね。
今回の新作FOISは数量限定モデルではありませんし、当面は流通量が少なくややプレミアがつくかもしれませんが、流通量が増えてくれば自ずと価格も落ち着いてくるのではないでしょうか。まぁ実際どれぐらい生産するのか分かりませんので見通しづらい部分はありますが。
SNSに寄せられた新作「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」に対する口コミ、評判を抜粋します。
「完璧」
「価格は非常に適正で、モダンとヴィンテージの完璧なバランス」
「どうしてCal.3861?」
「素晴らしい。ホワイトスピーディと甲乙つけがたい」
「偽夜光はひどい。前作の方がよかった」
「前作の2倍の価格・・・」
「ここ数年で最も美しいムーンウォッチの1つだ」
さすが世界で愛されるスピードマスター、リリース直後にも関わらずコメントの数も多く、注目度の高さが窺い知れます。
「cal.1861の方がよかった」「ニセ夜光がばかげてる」等辛辣な意見もあれば、手放しで褒める向きもあり、評価は人によって真っ二つに分かれているようです。
とはいえ、リリース直後はオンライン在庫があったようで「ショッピングバッグに追加」ボタンを見かけたはず、ですが、1日と経たないうちに「ブティックに問い合わせ」の状態になっていますから、早速購入した方もいらっしゃるのでしょうね。
オメガ新作「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース 310.30.40.50.06.001」についてご紹介いたしました。39.7mmのスティールケースにアルミベゼルのドットオーバー90(DON)、ヘサライト風ドーム型サファイアクリスタル、グレーブルーのダイアル、ヴィンテージのオメガロゴ&夜光、と復刻の魅力満載ながら、最新キャリバー3861搭載で機能性もバッチリ、という新作でしたね。
筆者は熱心なスピーディファン、というわけではありませんので、細かいこだわりがない、という前提で、「古くも新しい」本作はなかなか魅力的な時計なのではないかな、と単純に感じました。ただホワイトスピーディとどちらが欲しいか、と問われれば、これまた難しいと言わざるを得ません。
オメガだったらやはり「スピードマスター シルバー スヌーピー アワード 50周年記念モデル 310.32.42.50.02.001」が一番欲しいですが、そういえばこちらも限定モデルではない・・・んですよね・・・買えませんけど。
ロレックスがあまりに買えない状況もあってか、オメガも人気が高まってきています。オメガの時計を高く売りたいなら、「時計買取のピアゾ」の一括査定サービスをぜひ一度ご利用ください。オメガの買取りに精通した国内外屈指の時計業者9社のバイヤーが査定を行い、高額買取を実現します。
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モデル | スピードマスター ファースト オメガ イン スペース
Speedmaster First Omega In Space |
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型番(Ref.) | 310.30.40.50.06.001 |
ケースサイズ | ケース直径:39.7 mm |
ケース | ステンレススティール |
ムーブメント | 手巻き キャリバー 3861 コーアクシャル エスケープメント搭載の手巻きクロノグラフムーブメント。METAS認定のマスター クロノメーター。15,000ガウスの耐磁性能。フリースプラングテンプにシリコン製ヒゲゼンマイ。ロジウム仕上げが施され、ブリッジにストレートのジュネーブウェーブ装飾。 |
パワーリザーブ | 50時間 |
クリスタル風防 | 内側に無反射コーティングを施した傷がつきにくいヘサライト風サファイアクリスタル |
ダイヤルの色 | ブルー ‑ グレー |
ストラップ | ステンレススティール、コンフォートセッティング付きフォールディングバタフライクラスプ |
防水性能 | 5 気圧 (50 メートル / 167 フィート) |
重さ | 133g |
価格(税込) | 1,210,000円 |
※掲載内容は2024年10月調査時点のものです。
※価格・仕様は予告なく変更される場合があります。
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