ノモス・グラスヒュッテ(NOMOS Glashütte)のリファレンス(型番)について
ロレックスやオメガほどメジャーではないけれど、お洒落通な時計好きには有名(?!)な、ドイツの時計ブランド、
ノモス・グラスヒュッテ(NOMOS Glashütte)。
ハイブランドとは一線を画す、バウハウス調のシンプルかつミニマムでスタイリッシュなデザイン。
ドイツ時計産業の中心地であるグラスヒュッテに本拠を置くノモス(NOMOS)の腕時計は、いまや高性能かつシンプルで量産可能なムーブメントを自社生産し、2014年からヒゲゼンマイの自社製造も開始、2015年に数枚の切手と比べればその薄さが分かる、超薄型ムーブメントCal.DUW3001を発表しています。
またデザインの美しさは世界に認められ、 国際的プロダクトデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」をはじめ、国内外で数々の賞を受賞しています。
ノモスの時計には「シンプル・機能的・リーズナブル」という3つの大きな魅力があり、近年日本でも人気が高まりつつあります。
ここ数年カジュアルな腕時計の中でもダントツ人気を誇る「DW」(ダニエル・ウエリントン)も、デザインがなんとなく似ているような・・・。(個人的感想です!)
ノモスの型番ルールについて検証してみる
実はノモスの型番は公式HP等にも掲載されている
「世界共通の型番」と、「日本独自の型番」の2種類が存在します。
例えば、一番定番人気の「タンジェント」の1本を見てみましょう。
■ノモス タンジェント(TANGENTE)139。
世界REF:
139
日本REF:
TN1A1W2
ケース素材:SS
ムーブメント:アルファ(α)
世界のどこでも通用する「品番:139」のほかに、
日本独自のリファレンス(品番)「TN1A1W2」というのがあるんですね。
他のモデルもご紹介します。
次にこちらも人気の「アホイ」を見てみましょう。
■ノモス アホイ アトランティック (AHOI ATLANTIK)552。
世界REF:552
日本REF:AH1E1AT2
ケース素材:SS
ムーブメント:EPSILON (ε)
ケース素材にゴールドを使用した、高級ラインのラムダ&ラックス。
■ノモス ラムダ ローズゴールド(Lambda) 930
世界REF:930
日本REF:NMLA3DR3W2
ケース素材:RG
ムーブメント:DUW1001
■ノモス ラックス ホワイトゴールド(Lux) 920
世界REF:920
日本REF:NMLU4DT3BW2
ムーブメント:DUW 2002
薄型自動巻きキャリバーを搭載した小さめサイズのミニマティック。
■ノモス ミニマティック 1203
世界REF:1203
日本REF:MM130011W2
ケース素材:SS
ムーブメント:DUW 3001
・・・さて、ここまでで型番について何か気づかれました??
一番分かりやすいところで、
先頭のアルファベットが「モデル名」を示しているのだろう、ということはなんとなく想像がつきますね。
タンジェントは「TN」、アホイは「AH」、ラムダは「NMLA」、ミニマティックは「MM」。
ラムダは「LA」で始まるものもあり、他のモデルでも見られますが、「NM」は「NOMOS」から取っているのでしょう。
また、ノモスの世界共通のリファレンスナンバー(REF、型番)は、モデルごとに何番台かが決まっているようです。
現状で発番されているのは3ケタ、または4ケタで、
タンジェント(Tangente)は100番台、アホイ(Ahoi)は500番台、ラムダ(Lambda)は900番台、ミニマティックは1200番台といった感じです。
さて、先頭のアルファベットの次は??
数字の「1・3・4」がほとんどです。
タンジェント TN
1A1W2 →「1」
アホイ アトランティック AH
1E1AT2 →「1」
ラムダ NMLA
3DR3W2 →「3」
ラックス NMLU
4DT3BW2 →「4」
他のモデルも確認しつつそれぞれの共通項を見ますと、
先頭のアルファベットに続く数字は「ケース素材」を表しているようで、
1はSS(ステンレススティール)、3がRG(ローズゴールド)、4がWG(ホワイトゴールド)と推測されます。
ん?なんか足りない?!そうですそうです。
腕時計では定番のあの素材が抜けてますよ!
現行モデルでは「2」がないようですが、過去のモデルで調べますと、やっぱり、ありました。
■ノモス タンジェント TN2A1M2
ケース素材:18KYG
文字盤色 :モカ
ムーブメント:アルファ(α)
型番は 「TN
2A1M2」。TNのあとが「2」ですね!
つまり、
「2」はYG(イエローゴールド)なんですね。
ではその後ろは、とみてみますと、
タンジェント TN1
A1W2 →「A」
アホイ アトランティック AH1
E1AT2 →「E」
ラムダ NMLA3
DR3W2 →「DR」
ラックス NMLU4
DT3BW2 →「DT」
ミニマティック MM1
30011W2→「3001」
ほかにも種類があるのですが、
A、E、DR、3001などは「ムーブメント」を示している、ということです。
上記の例ですと、
ALPHA (α)が「A」、EPSILON (ε)が「E」、DUW 1001が「DR」、DUW 2002が「DT」、DUW 3001が「3001」と対応しています。
ではDUW 1001がなぜ「1001」ではなく「DR」なのか?という疑問が湧きます。
はっきりした答えは不明ですが、DUW 1001は「ラムダ」のために作られたムーブメントだそうです。
ちなみにDUW 2002は「ラックス」のためにDUW 1001をベースに作られたトノー型のムーブメントで、型番では「DT」。
DRと、DT・・・。
ラウンド(Round)で「DR」と、トノー(Tonneau)「DT」ってことでしょうか?
なんて思うんですが、あくまで推測ですので・・・。
さてムーブメントの次の数字は?
タンジェント TN1A
1W2 →「1」
アホイ アトランティック AH1E
1AT2 →「1」
ラムダ NMLA3DR
3W2 →「3」
ラックス NMLU4DT
3BW2 →「3」
ほかのモデルを見てもタンゴマット、クラブ、テトラは「1」、
オリオンは「3」でした。
「2」ってないの?と調べてみたところ、ありました!
■ノモス ラドウィグ 205 LD1A
2W2
「2」です。
「ラドヴィグ」には明らかにノモスの他のモデルにない特徴が!!そう!!
ローマンインデックスです。
という仮説で見てみると、
「1」はアラビア数字インデックス、
「2」はローマンインデックス、
「3」はバーインデックスだと推測されます。
じゃあ「4」はあるの?と調べてみると・・・やっぱりありました。
■メトロ 1101 MT1D
4W2
あとチューリッヒ ワールドタイマーも「4」ですね。
メトロのインデックスはドットインデックス、チューリッヒは外周サークルの目盛りのみ。
こういうタイプが「4」になるようです。
その次は?
タンジェント TN1A1
W2 →「W」
タンジェント TN2A1
M2 →「M」
アホイ アトランティック AH1E1
AT2 →「AT」
ラムダ NMLA3DR3
W2 →「W」
ラックス NMLU4DT3
BW2 →「BW」
これらを写真を見つつ確認すると、どうやら
WやAT、Mなどのアルファベットは文字盤色(ダイヤルカラー」を表しているようですね。
「W」はもちろん「ホワイト」、「M」は「モカ」、「AT」は「アトランティック」、「BW」は「ブルー&ホワイト」といったところでしょう。
ほかにも多数あるので後ほどまとめます。
ではいよいよ最後、
末尾の1桁は?!
あ、これまでご紹介してきたモデルはすべて「2」でした(^^;)
全体的に「2」が多いようですが、「1」のモデルを探してみますと、ありました!
上の写真の左側「タンジェント 101 TN1A1W1」
は型番の末尾が「1」ですね。
右の「TN1A1W2」と比較すると、お顔はまったく同じです。
その違いは↓の写真の通り、
「裏蓋」だけ!
タンジェント 101 TN1A1W
1 →「スチールバック」、
タンジェント 139 TN1A1W
2 →「サファイアクリスタルバック」
なんですね。
では次項で表にまとめていきます。
ノモスの型番の見分け方・ルールのまとめ
①モデル
②ケース素材
③ムーブメント
④インデックス
⑤文字盤色
⑥裏蓋仕様
以上を対応するコードと共にまとめていきます。
メーカーに正式に確認したものではありませんので、ご参考までに。
①ノモス モデル型番コード(REF)対応一覧
モデル名 |
日本REFでのコード |
世界共通REF |
タンジェント(Tangente) | TN (NMTN) | 100番台 |
ラドウィッグ(Ludwig) | LD | 200番台 |
オリオン(Orion) | OR | 300番台 |
テトラ(Tetra) | TT | 400番台 |
アホイ(Ahoi) | AH | 500番台 |
タンゴマット(Tangomat) | TN | 600番台 |
クラブ(Club) | CL | 700番台 |
チューリッヒ(Zurich) | ZR | 800番台 |
ラムダ(Lambda) | LA (NMLA) | 900番台 |
ラックス(Lux) | LU (NMLU) | 900番台 |
メトロ(Metro) | MT | 1100番台 |
ミニマティック(Minimatik) | MM | 1200番台 |
タンジェントとタンゴマットは同じ「TN」でこれだけでは見分けがつきません。
実際は自動巻きか手巻きか、という違いがありますので、後ろのムーブメントを見れば分かるっちゃ分かります。
また、ラムダとラックスは同じ900番台です。
この2つのモデルはケース素材にゴールドを採用した「ゴールドコレクション」という大きな括りに属しますので、
分けられていないのかな、と推測します。
②ノモス 型番コード(REF)ケース素材 対応一覧
ケース素材 |
REF対応コード |
SS(ステンレススティール) | 1 |
YG(イエローゴールド) | 2 |
RG(ローズゴールド) | 3 |
WG(ホワイトゴールド) | 4 |
③ノモス 型番コード(REF)ムーブメント 対応一覧
ムーブメント |
REF対応コード |
ALPHA (α) | A |
BETA (β) デイト表示 | B |
GAMMA (γ)パワリザ | G |
DELTA (δ )デイト+パワリザ | D |
DUW 4101 | B |
DUW 4301 | G |
DUW 4401 デイト+パワリザ | D |
DUW 1001 パワリザ | DR |
DUW 2002 | DT |
EPSILON (ε) | E |
ZETA (ζ)デイト表示 | Z |
Xi (ξ)ワールドタイマーGMT | X |
DUW 3001 | 3001 |
DUW 5001 | E |
DUW 5101 | 5101 |
DUW 5201 | X |
④ノモス 型番コード(REF)インデックス 対応一覧
インデックス |
REF対応コード |
アラビアインデックス | 1 |
ローマンインデックス | 2 |
バーインデックス | 3 |
ゴールドバーインデックス | 3G |
ドットまたは短めバーインデックス | 4 |
インデックスの種類は、コード「4」の定義がいまいちハッキリしませんが、消去法的な感じでしょうか。
⑤ノモス 型番コード(REF)文字盤色 対応一覧
文字盤色 |
REF対応コード |
ホワイト | W |
ブルー | BL |
ブラウン | BR |
カラット | KR |
グレー | G |
ライトグレー | LG |
アーバングレー | UG |
アトランティック | AT |
レッド | RD |
ローズ | R |
シャンパン | CH |
シグナルブルー | SB |
シグナルレッド | SR |
ブルー&ホワイト | BW |
ノモスの腕時計の文字盤カラーはもちろんこのほかにも存在しており、あくまで一例です。
一部アクセント的に使われているカラーが表示されている場合もあるようです。
⑥ノモス 型番コード(REF)裏蓋仕様 対応一覧
裏蓋仕様 |
REF対応コード |
スチールバック | 1 |
シースルーバック | 2 |
ここまで理解すると、ノモス・グラスヒュッテ(NOMOS Glashütte)のほとんどの腕時計は、
日本用型番を見ただけでどんな時計か想像ができてしまうわけですね。
また上記に挙げたルールのほかに、型番後半にケースサイズと思われる「33」「38」といった数字が入っているものもあります。
新作の「クラブ 38 キャンパス」のようなタイプでは「CL1A1W138CP」と末尾に「キャンパス」を表しているらしき「CP」がついていたり。
気づけばもう11月も後半戦。
ノモス・グラスヒュッテ(NOMOS Glashütte)の2018年新作も楽しみですね!
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