更新日:2025年07月08日
洗練されたデザインと確かな品質、国内随一の知名度を誇る「セイコー(SEIKO)」。海外でも評価されている高級ブランド「グランドセイコー(Grand Seiko)」は、2017年に独立するまでセイコーのフラッグシップとして知られていました。
そんなセイコーのアンティークやヴィンテージ時計は、歴史と技術が詰まった大人の逸品です。この記事ではダイバーズウォッチを除き、1950~70年代前半に販売されていたセイコーの名作モデルと中古相場を紹介します。また、中古品を選ぶ際のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
セイコーヴィンテージ、通称「オールドセイコー」とはどのようなものなのでしょうか。ここではまず、セイコーというブランドが積み上げてきた歴史や技術をご紹介します。また、セイコーのヴィンテージ品に対する海外評価や資産価値についてもまとめています。
セイコーは「シチズン(CITIZEN)」「カシオ(CASIO)」と並ぶ、日本を代表する時計メーカーの一つです。1881年に「服部時計店」として創業されたのが始まりで、1892年に時計製造工場「精工舎」を設立し、1913年に国産初の腕時計「ローレル」を完成させました。そんな中、1923年の関東大震災で被災した服部時計店は、1924年より「セイコー」ブランドを冠して新たなスタートを切ることとなります。ブランド名は精工舎設立時から定められていた「精巧な時計を作る」というポリシーのもと名付けられたものです。
1950年代は、国産初の自動巻腕時計「オートマチック」や、より高品質で生産性の高い「マーベル」を発売するなど、精度向上と多様化が進みました。さらに精度を追求し、組立・調整・外装仕様・検査に至るまで当時の最高技術を結集したのが、1960年に誕生した「グランドセイコー」です。これはスイスのクロノメーター優秀級基準に準拠しており、厳密な社内検査をクリアした上質な個体のみが市場に出されました。グランドセイコーはセイコーの最高級ラインとして海外にまで知名度を拡大し、2017年に独立ブランド化を果たしました。
その後も数々の歴史的モデルを世に出してきたセイコーは、時計の精度を競うスイスの「ニューシャテル天文台コンクール」にも挑戦。1963年から参加し、1967年には機械式腕時計で企業賞2位・3位、水晶式懐中時計で1~4位を獲得しました。セイコーが世界に名を轟かせるきっかけとなった時代です。
1950年代以降、欧米メーカーが機械式時計の高精度化を競う中、セイコーは機械式・電子式よりも高精度なクオーツ式腕時計の開発を進めました。そうして誕生したのが、1969年12月に発売された世界初のクオーツ腕時計「クオーツ アストロン」です。この革新的な金無垢モデルの登場は人々を驚かせ、時計史に革命をもたらしました。クオーツ式の開発技術は特許を持つセイコーによって公開され、その後世界中に普及していくこととなります。しかし、この発明によって世界的に「クオーツショック」が引き起こされ、機械式時計に特化していたスイスの伝統的なメーカーは危機に瀕することとなりました。
このように、世界に影響を与えたセイコーのアンティークやヴィンテージモデルは、近年海外の時計愛好家やコレクターからも大きな注目を集めています。特に欧米の時計専門メディアや投資ガイドでは、セイコーの歴史的モデルや限定品、廃盤モデルの持つ価値と将来性が高く評価されています。
例えば、2025年の海外投資ガイド「The Luxury Playbook」では、「セイコーの一部のヴィンテージモデルは、その卓越したクラフトマンシップと豊かなヘリテージ、そして安定した市場価値の維持力によって、コレクターや投資家にとって最良の選択肢の一つとなっている」と紹介されています。特に「セイコー5」や「アルピニスト」などは、長年にわたり高い人気を誇り、その価値は上昇し続けているようです。限定モデルや廃盤モデルは特にプレミアが付きやすく、投資対象としても注目されています。
また、海外のコレクター市場では1970年代から1990年代のヴィンテージセイコーに関心が寄せられており、状態の良い個体やオリジナルパーツが揃ったモデルは高額で取引されるケースも増えています。一部の希少モデルについては、年間10~20%ほど価値が上がることもあります。「セイコー5」の「SKXシリーズ」などは、廃盤後の二次市場において価格が倍増した例もあり、世界的な需要の高まりが顕著です。
さらに2025年の最新トレンドとして、海外の時計専門サイトでも「セイコーは伝統や革新、コストパフォーマンスを兼ね備えており、時計に造詣の深いコレクターから初めてのバイヤーに至るまで、信頼できる選択肢であり続けている」と紹介されています。また、スイス製高級時計に比べて手頃な価格でありながら、将来的な価値上昇も期待できると評価されています。
このように、セイコーヴィンテージの魅力は日本国内にとどまることなく、世界中の時計ファンや投資家からも注目を集めています。「伝統・歴史的価値」「資産価値」「デザインの多様性」などの多方面において世界と競えるブランドの一つです。
ここでは1950年代以降に発売されたセイコー ヴィンテージについて、主要モデルの特徴と中古相場をご紹介します。
1950年(昭和25年)発売の「スーパー(SUPER)」。6時位置のスモールセコンドが主流だった時代に、セイコーで初めて本中3針ムーブメント(センターセコンド)を搭載したモデルです。既存のムーブメント設計を応用した山車式ではなく、一から開発が行われました。12時位置に配置された独特のS字ロゴは「蛇S」と呼ばれています。
1956年にマーベルが登場するまで、スーパーはセイコーの主力ムーブメントとして活躍してきました。モデルのバリエーションは非常に豊かで、日付表示を搭載した「スーパー・セルフデーター」や、曜日を表示する「スーパー・ウイークデーター」なども存在します。丸型のみならず角型モデルも販売されていました。また、当時のケースサイズは27~30mm程度でしたが、後の大型ブームに合わせて33mmまで拡大されています。
中古相場は2万円~40万円前後です(2025年6月調査時点)。
1956年(昭和31年)に発売された「マーベル(MARVEL)」。セイコーが初めて独自設計したモデルで、生産性の高さや整備のしやすさに加え、精度の高さやデザインの美しさをも兼ね備えています。特にムーブメントの精度においては、1957年に開催された米国時計学会のコンクールでも1位を獲得するほどの品質を誇りました。セイコーの機械式腕時計の基礎を築き、国産時計の名誉を回復させた歴史的な品です。
マーベルはケース大型化のトレンドを取り入れ、直径26mmの大ぶりなムーブメント(11・1/2型)を搭載しました。そのため文字盤は余白が大きく、すっきりとして見えます。視認性が高く洗練されたデザインは現在のグランドセイコーにも通じており、当時多くの日本人に愛されました。ケースや文字盤のバリエーションも豊富です。マーベルはその後、高級ラインである「ロードマーベル」や自動巻きモデル「ジャイロマーベル」などの派生商品へとつながっていきます。
中古相場は2万円~13万円前後です(2025年6月調査時点)。
「マーベル」の派生モデルとして、2年後の1958年(昭和33年)に登場した「ロードマーベル(LORD MARVEL)」。マーベルの精度や外観の美しさを最大限に引き上げ、まさに国産腕時計の頂点に立っていたハイエンドモデルです。歯車やブリッジは美しく仕上げられ、ムーブメントには手巻きの限界に近い23石がセッティングされています。また、初期モデルでは文字盤のロゴを彫り込み仕様にしたり、シリアルナンバーを刻印したりと、最高級品ならではの工夫が施されてきました。小ぶりでクラシカルなデザインが特徴で、初めてのアンティークにもおすすめです。
画像はロードマーベルの最終型である「ロードマーベル36000」です。1967年(昭和42年)、国産初の高振動ムーブメント(36000振動/時、Cal.5740C)を搭載したハイビートモデルとして発売されました。ロードマーベルはオリジナルから最終型まで様々に形を変えつつも、約20年にわたって愛されていたロングセラーモデルです。
中古相場は2万円~55万円前後です(2025年6月調査時点)。
1958年(昭和33年)に誕生した「クロノス(CRONOS)」。第二精工舎・亀戸工場による初の男性用本中三針モデル(センターセコンド)です。諏訪精工舎の「マーベル」よりも0.4mm薄型で、高性能な時計を目指して設計されました。この薄型ムーブメントは後の「キングセイコー」や「44GS」のベースにもなっています。
クロノスはベゼルや針、植字インデックス、ロゴ表記に至るまで、細身で繊細なデザインが特徴的です。薄型ケースのスマートなフォルムに相応しいですね。ムーブメントにはブリッジ型のテンプ受けや曲線的な地板を使用しています。
中古相場は2万円~16万円前後です(2025年6月調査時点)。
1959年(昭和34年)に登場した「ジャイロマーベル(GYRO MARVEL)」。セイコー独自の巻き上げ方式である「マジックレバー方式」を初めて搭載した自動巻腕時計です。マジックレバーはぜんまいを効率よく巻き上げることができるうえ、構造がシンプルで価格も安いため、自動巻きを世に広める大きな一助となりました。
中古相場は4万円~16万円前後です(2025年6月調査時点)。
1959年(昭和34年)に登場した「クラウン(CROWN)」。1956年に発売された「マーベル」をさらに大型化(12・1/2型)し、高精度化や安定性の向上を図ったモデルです。翌年に発売される「グランドセイコー」のベースにもなっています。
3時位置や6時位置に日付表示がある「クラウン・セルフデーター」や、上級品として美しく仕上げられた「クラウン・スペシャル」など、派生モデルも存在します。
中古相場は3万円~14万円前後です(2025年6月調査時点)。
1960年(昭和35年)に登場した「ゴールドフェザー(GOLD FEATHER)」。最高峰の薄型ドレスウォッチを目指して作られたモデルです。「羽のように軽く美しい時計」をコンセプトに据え、厚みわずか2.95mmの極薄ムーブメント「Cal. 60」を搭載しています。これは当時の中3針腕時計としては世界最薄の記録でした。丸みを帯びたやわらかなフォルムで、着け心地も上品です。
1958年にシチズンが発売した本格的薄型男性用中3針腕時計 “デラックス” が爆発的に売れ、それに対抗して作られた、とも言われています。ぱっと見そっくりですよね。
ケースは金無垢とステンレススティールの2パターンで展開されており、金無垢はアプライドインデックス、SSは文字盤に直接彫り込む手法でインデックスが施されています。
2023年にはセイコー社のブランド「クレドール」より、復刻モデル「クレドール ゴールドフェザー」の発売が発表されました。スペックとデザインにアップデートが加えられ、より繊細でエレガントな雰囲気に仕上がっています。
ゴールドフェザーは流通数が少なく、相場は難しいところですが、金無垢モデルは8~13万円前後で販売された記録があります。金価格が上昇していますし、状態によってはもっと高くなる可能性もありますね。
前述した「クラウン」をベースに、部品精度・組立技術・調整技術のすべてを最高峰に磨き上げて誕生したのが「グランドセイコー(Grand Seiko)」です。1960年(昭和35年)に発売された初代グランドセイコーは、時計愛好家が「諏訪」と呼び親しむ「諏訪精工舎(現セイコーエプソン)」で作られました。その歴史的価値の高さから、中古市場でも安定した人気と資産価値を誇っています。当時の価格は大卒初任給の約2倍でしたが、品質の良さと信頼性により多くの支持を集めました。2014年、日本機械学会より「機械遺産」に認定されています。
初代「グランドセイコー ファースト」の中古相場は28万円~128万円前後です(2025年6月調査時点)。
グランドセイコーでは、世界最高の精度基準である「スイス・クロノメーター検査基準規格(B.O.)」よりも厳格な「グランドセイコー規格」を制定し、非常に高精度な個体のみを販売しています。また、1967年には「グランドセイコースタイル」という独自のデザイン文法を編み出し、唯一無二の地位を確立していきました。2017年にはセイコーから独立を果たし、世界に通用する国産高級時計ブランドとして歩みを続けています。
セイコーの系譜とは別に、グランドセイコーにもいくつかの歴史的モデルが存在します。例えば1967年に発売された「44GS」は、現在まで受け継がれるデザイン文法「グランドセイコースタイル」を確立したモデルです。多面カットのインデックスやケースサイドの逆斜面など、ブランドらしさを際立たせるためのポイントが設定されました。ケース表面は、歪みのない平面を生み出す「ザラツ研磨」によって磨き上げられています。
1968年に完成した「61GS」は、国産初の自動巻き10振動モデルです。高振動モデルは姿勢差や外乱に強く、安定した精度を誇ります。マジックレバー方式を採用しており、ぜんまいの巻き上げ効率も向上しました。続いて発売された「45GS」は、手巻き式の10振動モデルです。61GSと同じく外的影響を受けにくいため、高い水準で精度が安定しています。日付表示があるものには瞬間日送り機構が搭載されていました。この「45GS」のうち、「天文台クロノメーター(Ref. 4520-8020)」の金無垢モデルの価値が急騰しています。現在の中古相場は980万円~1398万円前後です(2025年6月調査時点)。
1969年には「グランドセイコーV.F.A.」が登場。「V.F.A.」は「Very Fine Adjusted(特別調整品)」の略で、機械式時計としては超高精度の「月差±1分」を実現したモデルです。同年に自動巻きハイビートの「61GS V.F.A.」、手巻きハイビートの「45GS V.F.A.」が販売され、そのうち「61GS V.F.A.」は、翌年の大阪万博を記念して作られた「タイム・カプセル EXPO'70」に収蔵されました。
「61GS V.F.A.」にもいくつか種類があり、例えば「銀パラ(Ref.6185-8010/Cal.6185A)」はケース素材に銀パラジウム合金が使用されたモデルです。金槌を打ち付けたような「槌目仕上げ」や、ベルトの付け根が見えない「カバードラグ」など、独特のデザインや仕上げが施されています。「Ref.6185-8021/Cal.6185B」は、超立体的なインデックスと内側に寄せられたミニッツトラックが特徴的です。「Ref.6185-7000/Cal.6185B」はVFA唯一の金無垢モデルで、上品な絹目仕上げのシャンパンダイヤルを楽しむことができます。「Ref.6186-8000-G/Cal.6186B」はVFA唯一のデイデイト表示モデルであり、VFAシリーズの最終モデルとも言われています。
そのほか、第二精工舎(亀戸)が製造した最初のVFAである「45GS VFA(Ref.4580-7000/Cal.4580)」は、ケースとラグが一体となった独特のデザインで、高騰している「45GS(Ref. 4520-8020)」と同じムーブメント「Cal.4580」を搭載しています。また、「19GS VFA(Ref.1984-3000/Cal.1984)」はVFA唯一の女性用モデルであり、製造期間が短いことから市場にはあまり流通していません。「56GS」は高精度な自動巻き8振動を搭載しつつ、薄型化を追求して心地よい装着感を実現したスマートなモデルです。
2025年4月に開催された「Watches&Wonders 2025」にて、グランドセイコーの2025年新作モデルが発表されました。各モデルのスペックやデザインの特徴をご紹介します。
1961年(昭和36年)に登場した「キングセイコー(KING SEIKO)」。クロノスの系譜を引き継ぎ、グランドセイコーに並ぶ高級ラインとして展開されたものです。グランドセイコーが圧倒的な精度で支持を得たのに対し、キングセイコーは細かな調整によって価格を抑え、「手に取りやすい高級腕時計」というコンセプトを確立していきました。また、グランドセイコーが長野の諏訪精工舎で作られているのに対し、キングセイコーは「亀戸」と呼ばれる東京の「第二精工舎 亀戸工場」で作られています。クオーツウォッチが台頭した影響もあり、1970年代に生産終了となりましたが、2022年に50年ぶりの復活を果たしました。
キングセイコーは高精度なムーブメントや力強く堂々としたデザインが魅力で、現代でもコレクターズアイテムとして人気です。当時としては珍しいフラットな文字盤で、表面には放射仕上げが施されています。裏蓋には盾をモチーフにしたクレストマークがあしらわれており、風格を感じさせます。
キングセイコーの中でも、手巻きハイビートの「45KS Cal. 45系」は非常に高い評価を得ています。「Cal. 45系」はクロノメーターコンクールに出品したムーブメントを市販用に作り替えたもので、厳格な基準をクリアした高精度な逸品です。また、1968年に発売された「56KS」はキングセイコー初の諏訪精工舎製で、後述する「ロードマチック」の「Cal. 5606A」を高振動化した「Cal. 5625A」が搭載されています。さらに、1972年に登場した「バナック」はキングセイコーの中でも異端児と呼ばれており、多面ケースや多面カットガラス、カラーダイヤルなどの個性的なデザインが特徴です。こちらは2025年に復刻を果たしました。
キングセイコー初代モデルの中古相場は、6万円~30万円前後です(2025年6月調査時点)。
1963年(昭和38年)に発売された「スポーツマチック 5(SPORTSMATIC FIVE)」。名前に「5」を冠した初めての製品で、現在でも続く「セイコー5」シリーズの原型となっています。「5」の意味は現在と少し異なりますが、当時は5つの特徴(ダイヤフレックス、ダイヤショック、自動巻き構造(マジックレバー)、デイデイト表示、防水構造)を表していました。日付と曜日を一つの窓で表示するデザインや、衝撃に強いダイヤショック機構など、革新的なアイディアで大ヒットを記録したモデルです。諏訪精工舎によってトータルデザインされており、1964年には時計分野初のグッドデザイン賞を受賞しました。
発売翌年に東京オリンピックの公式計時を担当したセイコーは、海外にもその名を知られるようになります。その結果として「スポーツマチック 5」の海外輸出が激増し、国内外にセイコーの品質と信頼性の高さを示すこととなりました。世界の自動巻き時代を拓いたとも言われるこの歴史的なモデルは、実用時計としての魅力とデザイン性があり、コレクターからの人気も高いです。
中古相場は5,000円~10万円前後です(2025年6月調査時点)。
1964年(昭和39年)の東京オリンピックで公式計時を務めたセイコーは、同年に国産初のクロノグラフ「クラウン クロノグラフ(CROWN CHRONOGRAPH)」を発売しました。グランドセイコーと同様、大型の「クラウン」をベースにデザインされています。2時位置のボタンと秒針を用いて計測を行う「ワンプッシュクロノグラフ」を搭載しており、分計測には回転ベゼルを使用します。初代のブラックベゼルはプラスチック製、2代目以降はステンレススティール製です。スポーツモデルということで、ブレスレットは金属製のものを採用しました。
中古相場は9万円~38万円前後です(2025年6月調査時点)。
1967年(昭和42年)に登場した「セイコーベルマチック(BELL-MATIC)」。自動巻き機構、防水性能、カレンダー機構に加え、世界で初めて「ベルアラーム機構」を備えた腕時計です。公式サイトでは「ビジネスベル(BUSINESS BELL)」と記載されていますが、文字盤に表記されている「ベルマチック」の方が浸透しています。リューズと文字盤外周の矢印によって時刻の調整、2時位置のボタンでアラームの設定が可能です。アラームは音質が良く、周囲の迷惑にならない適度な音量で時刻を知らせてくれます。
視認性が高く華やかなデザインで、ベルマチックは10年以上のロングリリースとなりました。中古市場で10万円を超える個体もあり、人気が高いです。4005はデイト表示、4006はデイデイト表示が付いています。
中古相場は3万円~19万円前後です(2025年6月調査時点)。
1968年(昭和43年)に発売された「ロードマチック(LORD MATIC)」。自動巻き時計の携帯性を極めるべく、薄型化・小型化を追求しました。一つの窓に配置されたデイデイト表示は前後両方に回転可能で、容易に修正が可能です。曜日表示は和英2か国語から選べるバイリンガル仕様で、このような機能を持つモデルが販売されたのは初めてのことでした。
中古相場は1万円~15万円前後です(2025年6月調査時点)。
1969年(昭和44年)に登場した「5スポーツ(FIVE SPORTS)」。活動的な若者をターゲットに据えており、硬度の高いハードレックス風防や70mの強化防水によって耐久性を高めています。インデックスには夜光を塗布し、回転リングを取り付けました。販促キャンペーンの効果もあり、海外でも爆発的にヒットした商品です。
中古相場は1万円~20万円前後です(2025年6月調査時点)。
1969年(昭和44年)に発売された「5スポーツスピードタイマー(FIVE SPORTS SPEEDTIMER)」。垂直クラッチ(断面摩擦方式)および動作を滑らかにするコラムホイールを同時に取り入れた、世界初の自動巻きクロノグラフ(Cal. 6139)です。ストップウォッチ機能に加え、日付・曜日表示の小窓が配置されています。実用性が高くコンパクトなフォルムは大きな反響を呼びました。
中でも通称“ポグ”と呼ばれる「6139-6002」は高い人気を誇っています。これはNASA宇宙飛行士のウィリアム・ポーグ氏が宇宙飛行の際に所持していた同モデルに由来します。宇宙のロマンに加え、無重力下でも正確な時刻を示すポテンシャルを備えた腕時計です。
中古相場は4万円~43万円前後です(2025年6月調査時点)。
1969年(昭和44年)に登場した「セイコー U.T.D.」。「U.T.D.」は「ウルトラ・シン・ドレス」の略で、厚さ1.98mmの極薄ムーブメント「キャリバー68系」を搭載した2針ドレスウォッチです。ゴールド製のケースおよびシャンパンカラーの文字盤には、絹目のような繊細な加工が施されています。実用品よりも工芸品としての価値が高く、高級感のある逸品です。「U.T.D.」 という名称はその後も周年記念モデルやクレドールなど、ごく限られた薄型メカニカルウオッチに引用されています。
「セイコー U.T.D.」は流通数が少なく、中古相場は難しいところですが、SS製の「Ref.68-6020」は10~20万円前後で販売されていた実績があります。
1969年(昭和44年)12月25日に発表された、世界初のクオーツ腕時計「クオーツ・アストロン(Quartz Astron)」。クオーツ時計が世界中に普及するきっかけとなり、その後の時計業界に多大な影響を与えた伝説的モデルです。機械式時計に大きな打撃を与えた「クオーツショック」の引き金でもあります。2004年には米国電気電子技術者協会(IEEE)の「企業革新賞」「マイルストーン賞」を受賞し、2014年には日本機械学会より「機械遺産」に認定されるなど、世界的に重要な意味を持つ一本です。ムーブメントには独自開発の音叉型水晶振動子やオープン型ステップモーターを搭載し、時間精度1ヶ月±5秒以内の超高精度を実現しました。
初代モデルの「クオーツ・アストロン 35SQ」は18金の特別仕様ケースで45万円で販売されました。翌年登場したステンレスモデルは、175,000円と低価格化しましたが、それでも当時としてはかなりの高額でした。
金無垢の「クオーツ・アストロン 35SQ」の中古相場は198万円前後です(2025年6月調査時点)。
1964年(昭和39年)に発売された「ワールドタイム(WORLD TIME)」。GMT24時針とワールドタイム表示機能を兼ね備えた国産初の腕時計です。同年の東京オリンピックにより、国際的な機運が高まったことから設計されました。文字盤のリングは2色に塗分けられており、昼が青、夜が黒と定められています。インナーベゼルには世界26都市のリングが配置されており、4時位置のリューズによって回転させることが可能です。
ワールドタイムにもバリエーションがあり、特に「ファースト 6217-7000」「セカンド 6117-6010」「サード 6117-6400」モデルの人気が高いです。
中古相場は15万円~40万円前後です(2025年6月調査時点)。
1968年(昭和43年)に発売された「ナビゲータータイマー(NAVIGATER TIMER)」。ムーブメントは「ワールドタイム」と同じものを搭載していますが、文字盤に都市名表記のないGMTウォッチです。目盛り付きの回転ベゼルと24時間針によって別タイムゾーンの時刻を表示します。ナビゲータータイマーでは「6117-8000」や「6117-6410」などのモデルが人気です。
中古相場は8万円~28万円前後です(2025年6月調査時点)。
1970年頃に製造されていた「デュオタイム(DUO TIME)」。56系の自動巻きムーブメントを搭載したGMTモデルです。GMT針は一般的な24時間針ではなく、12時間針を採用しています。限りなくシンプルで実用的な一本です。
中古相場は16万円~17万円前後です(2025年6月調査時点)。
1970年頃に製造されていた「シングルクロノグラフ(SINGLE CHRONOGRAPH)」。5スポーツと同じムーブメントを搭載したクロノグラフウォッチです。6時位置に一つのカウンターを配した「シングルパンダ Ref. 7018-7000」は、そのルックスから高い人気を誇っています。
中古相場は12万円~19万円前後です(2025年6月調査時点)。
1961年(昭和36年)に発売された「ディズニータイム(Disney Time)」。ディズニーとライセンス契約を結んだ日本初のキャラクターウオッチで、日本国内で販売されていました。1960年代のモデルは「Cal. 6640(旧375)」を搭載しており、ミッキー、シンデレラ、ドナルド、ダンボ、バンビなどのイラストが描かれています。また、1970年代のモデルは「Cal. 50C」を搭載しており、ミッキー、ミニー、キングルーイ、チェシャ猫などの文字盤がラインナップしています。
中古相場は1万円~12万円前後です(2025年6月調査時点)。
このように、セイコーのヴィンテージモデルは歴史的・デザイン的に大きな魅力を持っています。ここではオールドセイコーの購入を検討している方に向けて、ヴィンテージおよび中古品の選び方を解説します。
まずは、自分がヴィンテージ品を購入する目的を明確にします。コレクションとして眺めたいのか、日常使いしたいのかによって、選ぶべきモデルが異なるためです。
大前提として、自分の好きなものを選びましょう。デザイン、素材、機能性、品質、歴史的背景など、重視するポイントは人それぞれです。たとえ人気の薄いモデルでも、自分が気に入ったものであればそれが正解になります。
また、日常使いの場合は身に着けるシーンを想定する必要があります。ビジネス用であれば華美すぎないフォーマルなデザインで、時間を視認しやすいものがよいですね。パーティーやオケージョンであれば華やかなデザインがよく似合います。そのほか、普段の服装に合うカラーを選んだり、水に濡れる場所ではダイバーズモデルを着用したりなど、自身の趣味趣向に合わせるのもよいでしょう。サイズ感や着け心地の良さも大切なポイントです。古い時計は防水性や耐震性が十分ではない可能性もあるため、性能の確認もしておきましょう。
上記とは異なり、資産目的で購入する場合は、資産価値の高いモデルを選びましょう。資産価値の高いモデルとは、「長期的に価値が安定している」「リセールバリューが高く、損が少ない」「購入時より高く売れる(投機可能)」などの条件を満たしているものです。このようなモデルを探すためには、中古市場の価格推移を確認する必要があります。数年間の傾向を見て価格が安定または上昇している場合、値崩れしにくく、資産価値の高いモデルだと言えるでしょう。セイコーのヴィンテージでは、「グランドセイコー」や「キングセイコー」などの定番モデルを選ぶのが堅実です。
価格推移の他にも、「デザインの高級感や高性能な内部機構を有している」「卓越した技巧が施されている」「話題性があり人気が高い」など、価格高騰につながりやすい条件をチェックしておくとよいでしょう。限定モデルや復刻モデルなどの希少モデルも価値が上がりやすい傾向にあります。
モデルを選んだら、販売されている個体ごとに状態を確認します。状態とは時計の破損や経年劣化の度合いのことで、保管状況や扱い方、メンテナンスの有無によって大きく変わります。長く愛用したい、または売却を考えている場合は、できるだけ状態の良いものを選んで購入しましょう。具体的にはケースやガラスの傷、凹み、錆びなどの外的欠陥に加え、ムーブメントのオーバーホール履歴や精度、防水性なども確認しておくとよいでしょう。裏蓋周りの腐食具合や文字盤の劣化も、本体の状態を見極める有力な指標です。
状態に加え、文字盤や針、リューズ、ムーブメントなど、オリジナルのパーツが残っているかどうかもチェックしましょう。モデルの生産終了からしばらく経つと、メーカーが保有するパーツの在庫が切れてしまうことがあります。そのため、ヴィンテージ品は純正以外のパーツや新しいパーツで修理されている可能性も大いにあります。交換部品が多い個体は価値が下がる傾向にありますので、製造当時の味わいを大切にしたい方はもちろん、資産として購入される方も注意してみてください。
近年はネットオークションやフリマアプリでも気軽に時計を購入できますが、誰でも出品できる現代においては「当たり外れ」が多いのが現状です。長年運営していて実績のある中古時計専門店や、ヴィンテージウォッチ・メンテナンスに詳しいスタッフが在籍しているお店など、信頼できる販売店を選ぶとよいでしょう。
また、保証書・歩度証明書付きの個体は比較的安心です。箱も含め、購入時の付属品が揃っている商品の方が価値も高い傾向にあります。高額な精密機器ですので、保証期間やアフターサービスの内容も事前に確認しておきましょう。
モデルごとの価格相場を把握しておくことで、お買い得な個体を見極めることができます。例えば、初代グランドセイコー(グランドセイコー ファースト)の中古価格は年々上昇傾向にあり、販売当時の定価25,000円(金張りケース)に対し、現在は箱・保証書付きで70万円台後半~100万円台で販売されており、リセールバリューも高水準です。グランドセイコー ファーストの文字盤デザインには、大きく分けて前期型(初期型)、中期型、後期型があり、コレクターの中には細部の違いにこだわってコレクションする人もいるようです。また、グランドセイコーでは比較的安価なクオーツモデルにおいても10万円超えの買取実績があり、安定した資産価値があると言えます。
このようにモデルの販売相場や買取相場を調べ、どの価格帯であれば購入するべきか、あらかじめ検討しておくとよいでしょう。良い個体は売り切れてしまう可能性もあるため、こまめに市場をチェックすることも大切です。
セイコーのアンティークやヴィンテージ時計は、歴史的価値・高い精度・デザイン性の三拍子が揃った逸品揃いです。特に1950年代以降のモデルは資産価値も安定しており、中古市場でも高い人気を維持しています。中古時計の購入を検討されている方は、ぜひセイコーのヴィンテージモデルを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。時計選びを通じて、時代を超えた価値と自分らしさを手に入れましょう。
オールドセイコーが初めてという方も、信頼できる専門店で状態や付属品をしっかりと確認し、自分だけの一本を見つけてください。
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