2016年に新登場した「ハミルトン カーキ ネイビー」の「フロッグメン」シリーズ。中でも「究極のフラッグシップ」と呼ぶにふさわしい、Ref.H77805335。これまでの42mmモデルとは一線を画す、圧倒的なオーラを放つモンスターウォッチ!今回は「海中の巨獣」ともいうべきこのタイムピースの正体に、マニアックな視点で迫ります。
ハミルトンのダイバーズウォッチ史上、最も過酷な環境を想定して作られたのが、このRef.H77805335。一見するとこれまでのモデルと同じ系譜に見えますが、その中身は全くの別物。一般的な高級ダイバーズが300m防水であるのに対し、このモデルはその3倍以上、驚異の1000m防水を誇ります。これはもはや「時計」というより、飽和潜水にも耐えうる「潜水装備」の一部。
このスペックを実現するために、ケース左側面にはヘリウム・エスケープバルブ(減圧時に時計内部のヘリウムガスを排出する機構)を搭載しており、ガチ勢が愛してやまない「プロ機材」の風格を漂わせています。ケース径は圧倒的な46mm。しかし、手に取った瞬間に誰もが驚くのがその「軽さ」です。素材に高硬度かつ軽量なチタニウムを採用したことで、ステンレススチールでは実現不可能なサイズと軽さの両立に成功しました。金属アレルギーも起こしにくいチタンは、海水にさらされるダイバーズにとって理想的な選択と言えます。
このモデルのアイコンは、何と言ってもベゼルとリューズ周りに配された鮮烈なレッド。これは単なるデザインではなく、水中での警戒や注意喚起を促す「警告色」のメタファーでもあります。マットなブラックダイヤルに浮かび上がる赤い差し色は、無骨な計器に情熱的な命を吹き込んでいます。
更に1000m防水という超高圧に耐えるため、裏蓋はスケルトンではなく堅牢なソリッドバック仕様。そこには、1950年代のフロッグマンを彷彿とさせる潜水士のモチーフが深く刻印されており、所有者だけが知る密かな悦びを提供してくれます。
内部には、もはや熟成の域に達した Cal.H-10 を搭載。標準持続時間80時間のパワーリザーブはそのままに、この過酷な環境下で動作するモデルには、最新のNivachron™(ニヴァクロン)製ヒゲゼンマイが導入されています。温度変化に強く、磁気の影響を極めて受けにくいこのパーツの採用により、どんな極限状態でも止まることを許されない「サバイバル・ツール」としての完成度を高めています。
このモデルをブティックで見る際、ぜひ見てほしいのが「風防の厚み」。1000mの圧力に耐えるため、サファイアクリスタルは他のモデルよりも格段に厚く設計されています。斜めから文字盤を覗き込んだ時の、分厚いクリスタル特有の光の屈折こそが、この時計が「1000mの深海に耐えうる」という物理的な証拠なのです。
46mmというサイズに躊躇するかもしれませんが、チタンの軽さとラバーストラップのフィット感により、実は「毎日着けられるモンスター」に仕上がっています!本格的にマリンアクティビティを楽しんだ後、時計はそのままラフなセットアップと上質なレザーサンダルに着替えて、オレンジ色に染まる海が見えるレストランでちょっと早めのディナー…なんてシーンでもバッチリ決まりそうですね。気になった方は是非、ブティックへ足を運んでみてくださいね。