更新日:2026年02月20日
目の肥えた時計愛好家が最後に辿り着く場所。それは、派手な広告や流行の影に隠れた、静謐で誠実な時計作りを続けるメゾンかもしれません。今静かに、しかし熱く、多くの時計コレクターが注目し、憧れを抱いているスイス時計ブランドがあります。
「パテック フィリップの黄金期を支え、ル・マンを駆け抜けた男が、人生の集大成として作る時計」。 これほどまでに時計好きの心を揺さぶるストーリーが他にあるでしょうか。その名は、Laurent Ferrier(ローラン・フェリエ)。
一見すると、極めてシンプルなクラシックウォッチ。しかし、その裏側には「独立系メゾン」の枠に収まらない組織的な強さと、親子二代で受け継がれる圧倒的な技術、そして年間400本程度という絶妙な製造数に込められた哲学が隠されています。
この記事では、ローラン・フェリエがなぜ世界中の目利きたちを唸らせているのか、その理由を解き明かします。さらに、購入を検討されている方のために、日本国内の正規代理店情報から最新の価格、気になる中古市場の動向まで、2026年時点の最新情報を網羅してお届けします。
果たしてローラン・フェリエは「第二F.P.ジュルヌ」となりえるのか?の少し長い旅になりますが、読み終える頃には、あなたの「上がり時計(人生最後の1本)」の候補に、このブランドが加わっていることを約束します。
高級時計の世界には、「派手さ」で勝負するブランドと、「静けさ」で勝負するブランドがあります。
ローラン・フェリエは間違いなく後者の最高峰です。
無駄な装飾を極限まで削ぎ落とし、残ったのは「完璧なプロポーション」と「恐ろしいほどの手仕上げ」だけ。
しかし、ただの懐古趣味ではありません。中身は最新の技術と古典的な理論を融合させた驚異的な機構が詰まっています。
2010年 GPHGメンズウォッチ賞「ガレ クラシック トゥールビヨン」
2010年にGPHGメンズウォッチ賞を受賞した「ガレ クラシック トゥールビヨン」がその好例です。表側からは極めてシンプルな2針(あるいは3針)の時計にしか見えませんが、裏蓋を返すとそこには息を呑むような美しさのトゥールビヨンが鎮座しています。「複雑機構をあえて見せない」という選択は、持ち主だけがその価値を知っているという、究極の贅沢を体現しています。
ローラン・フェリエはスイスの独立系高級時計ブランドで、伝統的なクラシック美学と現代的な実用性を融合した、モダンクラシックなタイムピースを特徴とします。
ブランドは少量生産による高い仕上げ品質と、時計師である創業者の哲学に基づく設計思想で支持されており、一般的なラグジュアリーブランドとは一線を画す位置づけです。
コレクターや時計通にとっては“職人的な美しさ”と“着用のしやすさ”が評価され、結果として市場での希少性と高価格帯化につながっています。
ローラン・フェリエの文字盤は驚くほどシンプルです。細く繊細なインデックスと、静かに佇むブランドネーム。この引き算の美学と、スモールメゾンならではの徹底した手作業による仕上げなど、「見えない部分への偏執的なこだわり」が、トレンドに敏感な層ではなく、本質を理解する目利きたちを惹きつけるのです。
ひと昔前のラグジュアリーウォッチ市場は、一目で”それ”とわかるアイコニックなデザインや、巨大なケース、派手な素材使いが注目されがちでした。しかし、近年、ラグジュアリー市場を席巻しているのが「クワイエット・ラグジュアリー(控えめな贅沢)」という概念です。ロゴやブランド名を大々的に主張するのではなく、素材の良さや仕立ての美しさ、そして「知る人ぞ知る」という知的な優越感を重視するこの潮流は、まさにローラン・フェリエが設立当初から守り続けてきた哲学そのものです。
「誰かに見せるためではなく、自分のために着ける時計」。
それがローラン・フェリエです。
この動画では、ジュネーブの工房でローラン・フェリエ氏自身が時計作りへの想いを語っており、彼の謙虚な人柄とブランドが大切にする「控えめな美学」が、まさにクワイエット・ラグジュアリーの精神そのものであることがよく分かります。
ローラン・フェリエの時計を「普通」に見せない理由は、以下の3つの特徴に集約されます。
ブランドの代名詞が、フランス語で「小石」を意味する「Galet(ガレ)」ケースです。 川底で数十年、数百年の歳月をかけて水に洗われ、角が削ぎ落とされた小石。その滑らかで有機的なラインを時計のケースに再現しています。リューズもまた、その曲線を邪魔しない美しい玉ねぎ型(あるいは円錐型)で、指に吸い付くような操作感を実現しています。
現代の時計の多くが「エッジの効いたシャープな加工」を競う中で、あえて「丸み」を追求する。これは、一見簡単そうに見えて、実はごまかしが効かない非常に高度な成形技術を必要とします。
ここからは少しマニアックになりますが、彼らは天才ブレゲが考案しながらも実用化を断念した「ナチュラル脱進機(エシャップメント・ナチュレル)」を現代に蘇らせました。 クリスチャン・フェリエ氏の設計により、シリコン素材を駆使して「ダブル・ダイレクト・インパルス(両方向直接衝撃)」を実現。エネルギーロスを最小限に抑え、高精度と長期的な安定性を両立しています。これは、単なる「復古」ではなく、現代の技術で過去の理想を追い越した証です。
「クラシックな見た目なのに、中身は超ハイテク」。このギャップが愛好家を狂わせる要因の1つなのです。
ローラン・フェリエは、パーツの製造を外部の専門メーカーに委託する「エタブリスール」のスタイルです。しかし、ムーブメント部品の「装飾」と「仕上げ」については、自社の工房で徹底的に、手作業で行うことにこだわっています。
コート・ド・ジュネーブ、入り角(職人がヤスリで磨き上げる、鋭いV字の面取り)、ブラックポリッシュ(鏡面を極限まで平滑にし、特定の角度で黒く輝かせる技法)といった装飾技法が仕上げ専門の職人によって施されています。
「餅は餅屋」で最高の部品を調達し、そこに自社工房で「魂(仕上げ)」を吹き込む。この伝統的なスイス時計作りの分業制と、内製仕上げの融合こそが、彼らの美学なのです。
ルーペを持っていないなら、ローラン・フェリエを買うと同時に購入することをお勧めします。裏側だけでお酒が飲めるレベルです。
さらに、ひとりの時計師がひとつの時計の組み立てから調整、装飾まで一貫して行う、という原則が守られて続けています。
ローラン・フェリエの価格が高めに設定される背景には、少量生産によるスケールメリットの欠如、手作業を重視した仕上げコスト、独自キャリバーや高度な機構の開発費用、そしてブランドのポジショニング戦略が関係します。
さらに正規ルートでのサポート体制やアフターサービスの品質保持のためのコストも価格に反映されます。
加えて市場では独立系高級ブランドとして希少性が評価され、コレクター需要が価格を押し上げる傾向があります。
ブランドの背景を知ることは、その時計の価値を理解する最短の近道です。創業者ローラン・フェリエ氏の経歴は、まるで映画のようにドラマチックです。
1946年生まれのローラン・フェリエ氏は、時計師の家系に生まれました。彼はジュネーブの時計学校を卒業後、時計業界の最高峰である「パテック フィリップ」に入社し、技術部門のトップ(テクニカルディレクター)まで上り詰めました。
特に、現代パテックの最高傑作の一つとされる「ノーチラス」のプロトタイプ開発にも関わったと言われています。つまり、彼は「伝統的なドレスウォッチ」と「ラグジュアリースポーツウォッチ」の両方の頂点を知る人物なのです。
ここが非常にユニークな点ですが、彼はただの時計師ではありません。一時はモータースポーツの世界に魅せられ時計業界から離れ、なんと1979年のル・マン24時間レースでポルシェ935のドライバーの一人として総合3位に入賞しています。このとき彼がノーチラスを贈り、「いつか時計ブランドを立ち上げよう」、と夢を語り合ったチームメイトが、のちに共同経営者となる実業家、フランソワ・セルヴァナン氏です。
余談ですが、その時のレースの2位は、あのポール・ニューマンです。ポール・ニューマンが着けていたロレックス デイトナが数十億円で落札されたのは有名な話ですね。その彼と一緒に走っていた男が作る時計、と考えるとなんともロマンがあります。
再びパテック フィリップに戻り、30年ほど時がたち、いよいよ定年が近づきます。そこで彼は悠々自適な隠居生活…ではなく、セルヴァナン氏から資金と経営面でのサポートも得て、「自分の理想の時計を作る」ために2009年、自身の名を冠したブランドを立ち上げる、という道を選びます。
そして翌2010年、デビュー作である「ガレ クラシック トゥールビヨンダブルスパイラル」が、時計界のアカデミー賞と言われるGPHG(ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ)で、いきなり「メンズウォッチ賞」を受賞。
彗星の如く現れたこのブランドは、瞬く間に独立系メゾン(インディペンデントブランド)のスターダムに駆け上がりました。
ここで忘れてはならないのが、息子のクリスチャン・フェリエ氏の存在です。彼は、独創的かつアヴァンギャルドな複雑時計で知られる「ロジェ・デュブイ」で長年キャリアを積んだ、極めて優秀なムーブメント設計者です。
父・ローランはパテック フィリップが培った「クラシックの美学」と「伝統的な手法」を、息子・クリスチャンはロジェ・デュブイで培った「現代的な設計思想」と「高度な複雑機構の構築力」を。
この父子のタッグこそが、ローラン・フェリエの時計に「古き良き美しさと、現代の信頼性」を共存させている核心です。クリスチャン氏は現在、プロダクト開発の責任者として、ブランドの技術的アイデンティティを牽引しています。
スクエア・マイクロローターでは、ムーブメント設計だけでなく、ケースデザインにも関与しており、さらなる進化の一助を担っています。ローラン・フェリエ氏はすでに80歳近く、ファミリービジネスらしさを残していくためにも彼の役割は今後ますます大きくなっていくのかもしれません。
設立当初はジュネーブ郊外に位置するプラン・レ・ワット地区の一軒家を製造拠点としていましたが、各部門が別々の部屋に分散しており、やや生産性に欠ける構造でした。2024年末に大きなビルにアトリエを移転の際には、時計師自身が円滑な導線を考え、広いワンフロア構造となったことで、快適性と生産性が向上しました。とはいえ、その規模は決して大きすぎるものではなく、2025年時点で工房に所属するスタッフは40名程度で、年間生産本数は450本程度とされています。
CEOのシルベール・ゼナロ氏は、自らを「マイクロメゾン(極小工房)」と呼ぶのではなく、あえて「スモールメゾン」と称していますが、仕上げのクオリティを維持するために、今後も数千本単位に増やす可能性は極めて低いと考えられます。
ローランフェリエは「良い時計を作るには、まず時計師が幸せでなければならない」という考えをブランドの基本理念として掲げています。その言葉には、クワイエット・ラグジュアリーを追求するファッション界の巨頭、イタリアの「ブルネロ・クチネリ」のブランド姿勢に通じるものを感じます。快適な作業環境を整え、時間と手間をかけて技術を育み、丁寧に製品を仕上げていく誠実な姿勢こそが、現代においては最高に「贅沢」なものを生み出すのです。
そういえばローラン・フェリエは2025年にイタリアの高級生地メーカーであるチェルッティのCEOを務めていたフローラン・ペリション氏を新しいCEOとして迎えましたね。今後どういう方向性を狙っているのか・・・ちょっと気になるところですね!
ローラン・フェリエは、時計界のカンヌ・アカデミー賞とも称されるGPHG(ジュネーブ時計グランプリ)において、これまでに計5度の部門賞を受賞しています。
特筆すべきは、ブランド創設初年度に最高位に近い部門賞を受賞している点であり、その実力は設立当初から世界的に認められていました。
ブランド創立直後、初発表モデルのひとつであるこのトゥールビヨン搭載モデルが、ローラン・フェリエの名を世界に知らしめた受賞でした。
パテック フィリップでの経験を活かし、裏側にトゥールビヨンを隠した「控えめな美学」と、2本のヒゲゼンマイ(ダブルスパイラル)による高精度が絶賛されました。
オロロジカル・レヴェレイション賞(Horological Revelation)は最初のモデルが商品化されてから10年未満という若いブランドの時計に贈られる賞です。
ブランドのアイコンである「小石(ガレ)」の概念をスクエアケースに落とし込んだ独創的なデザインと、マイクロローター機構の美しさが評価されました。以前のモデルよりもはるかにスポーティになっただけでなく、ローラン・フェリエの時計としては初めてステンレススティールを採用しました。
ローラン・フェリエ氏が学生時代に製作した「スクールピース(卒業制作)」から着想を得たモデル。アニュアルカレンダーという実用的な複雑機構を、1940年代風のクラシックな佇まいで表現した傑作です。完全な自社生産であること、高度な機械設計と仕上げが評価されました。
搭載されている手巻きキャリバー「LF619.01」は、二つのヒゲゼンマイとトゥールビヨンを併せ持つ独創的な構造をもっています。2010年の「ローラン・フェリエ ガレ クラシック トゥールビヨン」に搭載されたムーブメントと同じムーブメントですが、タイムピースのスポーティな雰囲気をさらに引き立てるよう、より現代的な仕上げが施されています。
ブランド初のムーンフェイズ搭載モデル。天体への敬意を感じさせる静謐なデザインと、自社製ムーブメントの圧倒的な仕上げが評価され、カレンダー&アストロノミー(天文時計)部門を受賞しました。
2025年大会においても、「クラシック オート ホライゾン」(メンズ部門)と「スポーツ オート 79」(スポーツ部門)の2作が最終ノミネート(ファイナリスト)に選出されました。惜しくも受賞は逃しましたが、毎年のように最終選考に残るその安定したクオリティは、現代の「スモールメゾン」の中でも突出しています。
「どれを選べばいいの?」という方のために、ローラン・フェリエの代表的なモデルをご紹介します。
ローラン・フェリエの時計には全部で6つのファミリーがあり、そのうち4つは現在のカタログに掲載されています。ローラン・フェリエは「小石」を意味する「ガレ」という用語を現在使用していませんが、中古市場などではまだこの呼び方が使用されており、「ガレ」は現在「クラシック」モデルと呼ばれ、「ガレ スクエア」は単に「スクエア」と呼ばれています。
その名の通り、クラシカルなドレスウォッチ然とした面持ちの「クラシック」は「ガレ(小石)」の哲学を最も体現したブランドの顔であり、永遠の定番コレクションです。静謐な高級感を湛え、パテック フィリップ カラトラバを彷彿とさせます。
「クラシック マイクロローター」はローランフェリエの名声を高め、2020年にブランド10周年を記念して発売された「クラシック オリジン」は、その手巻きモデルです。「クラシック トラベラー」もGMT時計として魅力的な選択肢です。
スーツの袖口にスッと収まる上品さと、裏返した時のメカニカルな凄みのギャップ。本当の時計好きが選ぶ一本です。
クッションケース(四角と丸の中間)を採用した「スクエア マイクロローター」は、おそらく同社の最も魅力的かつ有名な時計であり、先述の通り、2015年の発売時に「時計の革新」を称えるGPHG賞を受賞しました。
スクエア型でありながら、角を感じさせない滑らかな曲線美が特徴的で、パネライ ラジオミールのケースと非常によく似ていますね。
「丸型時計は飽きたが、奇抜なものは嫌だ」という層に刺さるデザインで、文字盤のバリエーションも豊富で、遊び心があります。
2022年に登場し、ブランドの知名度を一気に押し上げたモデル。ローラン・フェリエ氏のレーサーとしてのアイデンティティと、高級時計のトレンドである「ラグスポ(ラグジュアリースポーツ)」が融合。一体型ブレスレットを備えた1970年代の雰囲気を強く漂わせるフォルムは「H.モーザー・ストリームライナー」の強力なライバルとなりそうです。現在、スポーツ・オートは、マイクロロータームーブメントを搭載した日付表示モデルのみで展開されています。スイスレバー式脱進機を搭載している点は賛否両論あるところですが、スポーツウォッチとしては妥当な選択でしょう。
パテックのノーチラスやオーデマ ピゲのロイヤルオークが入手困難な中、「人と被らない最高のラグスポ」とし注目を集め、現在最も入手困難なモデルです。
スポーツ・オートの兄貴分とも言える、トゥールビヨン搭載の超弩級スポーツモデルで、2019年にル・マン24 時間耐久レースへの出場40周年と、ブランド初のトゥールビヨンの誕生10周年を祝して12 本限定でリリースされました。搭載される手巻きムーブメントLF 619.01は、2010年GPHG受賞モデルの「ガレ クラシック トゥールビヨン」と同じものです。
サーキットの夜明けの記憶を文字盤に表現した『グランドスポーツ トゥールビヨン パシュート』は、2023年にGPHGのトゥールビヨンウォッチ賞を受賞しています。
ムーブメントの耐久性も高く、スポーツウォッチなのにトゥールビヨンという贅沢が味わえる至極の逸品です。希少性が高く、価格も超高額なため「上がり時計」の最終地点の一つです。
「エコール」は学校の意味。時計師が学校で初めて作る懐中時計(スクールウォッチ)をモチーフにしたデザインで、ラグの形状が独特で、ワイヤーラグのようなクラシカルな雰囲気を持っています。
ラインナップは現在では製造中止となっていますが、エコール アニュアルカレンダーは2018年にGPHGアワードの「メンズ コンプリケーション」部門を受賞したことで知られています。
ヴィンテージウォッチのような佇まいがあり、よりマニアックな層に支持されています。
2019年発表の「ブリッジワン」は、わずかに広がったラグを備えたレクタンレギュラーケースは、1920年代から1930年代に人気の時計を彷彿とさせます。お馴染みのオニオン型のリューズは、当時の美学によく合っています。ブリッジワンのために、新しい角型の手巻きキャリバー(LF107.01)が開発されましたが、残念ながら製造開始からわずか5年で廃盤となりました。
ローラン・フェリエの「セリエ・アトリエ(Série Atelier)」は、熱狂的なコレクターやブランドのファンに向けて展開される完全数量限定の特別エディションです。
最大の特徴は、通常の正規販売店を経由せず、公式ウェブサイトのみで直接販売される点にあります。これは、より短期間で届けること、そしてメゾンが顧客とより親密でダイレクトな関係を築くことを目的とした戦略的な試みです。
生産本数はモデルごとに極めて少なく、多くの場合世界限定20本~30本程度。レギュラーラインにはない独創的な文字盤カラーや特別な素材が採用され、発表と同時に即完売することも珍しくありません。
独立系ブランドとしての希少価値をさらに高めた、まさに「選ばれしファンのための」エクスクルーシブなラインといえます。
| No. | 発表年 | モデル名 | ケース素材 | 限定本数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2020 | >クラシック オリジン グリーン | チタン | 30本 |
| 2 | 2021 | >エコール・アニュアルカレンダー ネイビー | ステンレススチール | 10本 |
| 3 | 2022 | >クラシック・トラベラー マグネティック・グリーン | チタン | 15本 |
| 4 | 2023 | >クラシック・マイクロローター マグネティック・グリーン | チタン | 20本 |
| 5 | 2023 | >スポーツ オート 40 | チタン | 40本 |
| 6 | 2024 | >クラシック・オート サンドストーン | ステンレススチール | 20本 |
| 7 | 2025 | >クラシック・トゥールビヨン ティール | プラチナ | 5本 |
ローラン・フェリエの新品価格帯はモデルや素材によって幅がありますが、比較的ハイエンドに位置するため数百万円台からの設定が多く見られます。高額な腕時計だけに、新品定価にはなかなか手が届かない、という場合は中古や並行輸入品を検討するのも1つの方法です。
ただし、それぞれにメリット・デメリットがあることは理解しておく必要があります。
正規店で購入する最大のメリットは一言で言えば「安心感」。メーカー保証や正規アフターサービス、そして購入記録が残ることによる将来的な証明性の確保です。
限定モデルや特別素材のモデルは価格が上がりやすく、正規店での入手は信頼性の面で有利です。
並行輸入や中古店は価格面で有利になることがありますが、保証の範囲や純正部品の供給可否、正規修理時の対応条件に差が生じる可能性があります。
中古市場では新作発表や限定品、製造数の少ないモデルに需要が集中して相場が上昇する傾向があります。
中古品の購入時にはケースの状態、ムーブメントの稼働状態、サービス履歴、純正パーツ(ブレス、バックル、箱・保証書)の有無を確認することが重要です。
個体評価は外観のコンディションとメンテ履歴が中心で、オーバーホール履歴の有無は価格交渉に大きく影響します。
ここでは、2026年2月調査時点での国内参考定価、およびスイスフラン(CHF)ベースの価格目安を紹介します。
※為替レートの変動やブランドの価格改定により、実際の店頭価格とは異なる場合があります。必ず正規店で最新情報をご確認ください。
※日本円価格は税込(10%)です。
| モデル名 | 素材 | 型番 | 日本国内参考価格 (税込 |
|---|---|---|---|
| クラシック・オリジン | チタン | LCF036.TI.CG.1 | 7,018,000円 |
| スポーツオート ブルー | チタン | LCF040.T1.C1GC5.1 | 9,790,000円 |
| スポーツオート 79 | 18Kレッドゴールド | LCF040.R5.GR1C1 | 17,710,000円 |
| クラシック マイクロローター エバーグリーン | ステンレス/チタン | LCF004.AC.VG1.2 | 10,285,000円 |
| クラシック マイクロローター エバーグリーン | 18Kゴールド | LCF004.R5.VR1.2 | 14,520,000円 |
| クラシック・オート ホライゾン | ステンレス | LCF046.AC.CG1 | 9,295,000円 |
| グランドスポーツトゥールビヨン パシュート | チタン | LCF044.02.T1.RN1.2 | 34,760,000円 |
| クラシック ムーン ブルー | ステンレス | LCF039.AC.C1WC.2 | 14,245,000円 |
2025年新作「クラシック・オート ホライゾン」。2024年のGeneva Watch Daysにあわせてセリエ アトリエシリーズとして発表された最新モデルをベースにレギュラー化した。自動巻きムーブメントLF 270.01搭載。
【価格についての考察】
エントリーモデルでも700万円台~という、非常に高価なブランドです。しかし、F.P.ジュルヌやフィリップ・デュフォーといった他の独立系トップメゾンの価格高騰ぶり(数千万円~億クラス)と比較すると、このクオリティで1000万円前後というのは、ある意味で「適正」あるいは「割安」と見る専門家もいます。特にチタン製のスポーツオートは、ブレスレット付きでこの価格帯なので、パテックのノーチラス(定価は近いが実勢価格が異次元)と比較検討されることが多いです。
結論から言えば、ローラン・フェリエの中古市場での評価は「極めて堅調、かつ流動性が高まっている」と言えます。
以前は「定価の半分」と言われることもありましたが、現在はその希少性と仕上げの美しさが再評価され、状態の良い個体は高値で安定して取引されています。独立系ブランド特有の流動性の低さゆえ、価格が下がっている個体もありますが、投機的なマネーが入りにくい分、純粋に時計を楽しみたい人にとっては、「極上の中古を安くで手に入れられる」絶好のチャンスとも言えます。F.P.ジュルヌのようにある日突然相場が倍になる可能性も秘めていますが、現状は「通好みの安定資産」といった立ち位置です。
EveryWatch「Q3 2025 Secondary Market Movements Report」の2025年第3四半期のデータによれば、F.P.ジュルヌやH.モーザーと並び、ローラン・フェリエは「ヘリテージ・メゾン(伝統的大手ブランド)を凌ぐ在庫回転率」を記録しています。 投資目的の投機マネーが抜けた後の時計市場において、純粋なコレクターたちが「真に価値のある手仕事」を求めて独立系へと回帰しており、その受け皿としてローラン・フェリエが選ばれています。
「買ってもすぐに値段が下がるのでは?」という心配は、高級時計を買う上で無視できません。ローラン・フェリエの中古市場の動向をお伝えします。中古相場は日々大きく変動しており、あくまでも調査時点のものですので、参考程度にご覧ください。
| カテゴリ | 新品相場 | 中古相場 |
|---|---|---|
| クラシック | 約500万~900万円 | 約500万~800万円 |
| スクエア | 約1000万円 | 約670万~990万円 |
| スポーツオート(チタン) | 約790万~980万円 | 約800万~860万円 |
| グランスポーツ | 約3,000万~3,300万円 | 約2,500万~3,000万円 |
いずれも定価に近い、あるいは同等の価格で取引され、定価に対して非常に高いリテンション(価値維持)を誇ります。特に「スポーツオート」のブルー文字盤のチタンモデルは人気で、日本定価9,790,000円に対し、2026年現在の中古相場は約780万~900万円前後となっています。
一方で、クラシックなドレスウォッチ系は、中古市場では比較的落ち着いたものもありつつ、高い換金率を維持しています。販売相場は定価の45%~70%程度とばらつきが見られます。
例えば「クラシック・マイクロローター アイスブルー」は日本定価14,520,000円に対し、2026年現在の中古相場は610~990万円前後。また、「スクエア・マイクロローター」は日本定価10,285,000円に対し、2026年現在の中古相場は約670万~1,000万円前後です。
ローラン・フェリエは限定生産や高品質な仕上げ、独自の技術を背景にコレクター評価が高く、一部モデルではリセールバリューが安定または上昇傾向にあります。とはいえ全モデルが投資対象になるわけではなく、人気モデルや限定性のある個体、トラディショナルな美しさを保つモデルが相対的に強いです。
中古市場での希少性や状態、サービス履歴が価格を左右するため、投資目的での購入は慎重な個別判断が必要です。
「一攫千金の投資対象」として見るなら、他のハイプなブランドの方が向いているかもしれません。しかし、「長期的に価値がゼロになることはなく、所有する満足感が極めて高い実物資産」として見るなら、ローラン・フェリエは非常に優秀です。
初心者がローラン・フェリエを選ぶ際は、まず着用シーンと好みのスタイルを明確にしてください。
フォーマル中心であればクラシック系の薄型モデルが扱いやすく、カジュアルやアクティブな日常使いにはスポーツ系の堅牢モデルが適しています。
初めての一本は視認性とメンテナンスのしやすさを重視し、できれば実機を試着してフィット感や操作感を確かめることをおすすめします。
中古購入時のチェックポイントは次の通りです。
ムーブメントの稼働状態と日差、オーバーホール履歴の有無、ケースの過度な研磨や深いキズの有無、ガラスの状態、リューズとプッシュボタンの動作、カレンダーやムーンフェイズなどの表示切替の正常性、箱や保証書の有無です。
これらを確認することで購入後の想定外コストを抑えられます。
ローラン・フェリエは大量生産を行わないため、取り扱い店舗は極めて限定されています。
2026年現在、日本国内でローラン・フェリエの実機を見たり、オーダーしたりできる主な正規販売店は以下の通りです。
(※最新の取り扱い状況は、訪問前に必ず電話等で確認することをお勧めします)
アワーグラス銀座店
住所: 東京都中央区銀座6-6-5 HULIC &New Ginza Namiki6. 8階
公式サイト: thehourglass.co.jp
タカシマヤ ウオッチメゾン
住所: 東京都中央区日本橋 2-4-1
公式サイト: takashimaya.co.jp
カミネ トアロード本店
住所: 兵庫県神戸市中央区三宮町3-1-22
公式サイト: kamine.co.jp
アイアイイスズ 本店
住所: 香川県高松市多肥下町1523-1
公式サイト: eye-eye-isuzu.co.jp
大丸 福岡天神店
住所: 福岡県福岡市中央区天神1-4-1
公式サイト: watch-fukuoka-tenjin.com
ここまで、ローラン・フェリエというブランドについて長旅をしてきました。
最後に、このブランドの魅力を一言で表すなら、それは「成熟」です。
「誰かに自慢したい」
「値段が高そうに見られたい」
そういった承認欲求から解き放たれ、純粋に「良いモノ」を愛でたいと思った時、ローラン・フェリエは最高のパートナーになります。
触れるたびに癒やされる「ガレ」の感触。
耳元で響く「ナチュラル脱進機」の静かな鼓動。
裏蓋にまで広がる、溜息が出るほど美しい手仕上げの宇宙。
この時計は、あなたの時間を刻むだけでなく、あなたの人生の質そのものを、静かに、しかし確実に高めてくれるはずです。
もし、あなたが今、1000万円の予算で「一生モノ」を探しているなら。
そして、人と同じものを持ちたくないという天邪鬼な(でも審美眼のある)心を持っているなら。
迷わず、ローラン・フェリエの正規代理店のドアを叩いてみてください。
そこには、大量生産品には決して宿らない「魂」との出会いが待っています。
あなたの時計、今いくら?チャットで即答
本気で最高値を狙うなら一括査定(無料)