更新日:2026年03月17日

【2027年発売予定】GS9 Club オリジナルモデル第二弾とは?ベースモデル・カラー候補・第一弾との違いを徹底解説

GS9 Club 第二弾オリジナルモデルとは?

GS9 Club(グランドセイコー オーナーズクラブ)は、2024年に発売した第一弾オリジナル限定モデル「SBGW319」の大好評を受け、第二弾プロジェクトを始動させました。
今回は日本国内にとどまらず、アメリカ・ヨーロッパ・アジアを含むグローバルのGS9 Club会員を対象とした、初の世界規模の限定モデルとなります。発売は2027年初春を予定しています。本記事では、公式プロジェクト記事をもとに、現時点で判明している第二弾の詳細を余すことなく解説します。

GS9 Clubとは、グランドセイコーを正規購入したオーナーのための会員組織です。2015年に発足し、2024年に9周年を迎えた節目に、初のオリジナル限定モデル「SBGW319」を発売しました。

グランドセイコー Heritage Collection GS9 Club 限定モデル
GS9 Club オリジナルモデル第一弾 SBGW319 グリーンダイヤル 44GS現代デザイン

ベースには「44GS 現代デザイン」を採用し、ムーブメントは手巻メカニカル「キャリバー9S63」です。ダイヤルはGS9 Clubならではのアイコン「9」のアラビア数字インデックスを配し、「キャリバー9S 20周年記念限定モデル」で使用された螺旋模様の型打ちパターンを鮮やかなグリーンで復活させています。国内150本の限定製作で、購入申し込み開始からわずか数分で上限に達するほどの大反響となりました。

第二弾プロジェクトは、この成功を受けてスタートしています。

第二弾が第一弾と根本的に異なるのは3点です。

第一に、販売対象がグローバルに拡大した点です。 第一弾は国内150本限定でしたが、今回はアメリカ・ヨーロッパ・アジアを含む世界のGS9 Club会員が対象となります。GS9 Clubがアメリカを中心に急速に広がっていることを踏まえた、プロジェクトとして過去最大規模の試みです。

第二に、ムーブメントの変化です。 第一弾の手巻メカニカルに対し、第二弾は手巻スプリングドライブを採用します。スプリングドライブはグランドセイコー唯一のメカ×クオーツハイブリッド技術であり、海外での販売実績においても圧倒的な人気を誇っています。

第三に、ダイヤルの表現方針の違いです。 第一弾の型打ち螺旋模様から一転、第二弾はソリッドカラー(テクスチャーなし)という、グランドセイコーとしては異例の挑戦に踏み込んでいます。江戸の伝統色という日本らしさを保ちながら、世界市場のトレンドであるニュアンスカラーに応えた設計です。

第二弾オリジナルモデルは、日本チーム3名と米国チーム2名による議論のもとで制作が進められています。

江頭康平氏 セイコーウオッチ株式会社 商品企画担当。2011年からグランドセイコーの商品企画を手掛け、「44GS 現代デザイン」や「ブラックセラミックスモデル」、「エボリューション9 コレクション」のスポーツモデルなど数多くのエポックメイキングなモデルを生み出してきました。プロジェクト全体のとりまとめ役として、モデル選定からカラー方針まで幅広く主導します。

安藤夏樹氏 GS9 Club日本版ウェブサイト編集長。GS9 Club発足の2015年より会員誌の編集を担当し、毎年スイスの国際腕時計見本市「Watches and Wonders Geneva」を取材するウオッチジャーナリストでもあります。200本以上の腕時計を所有するコレクターかつヴィンテージウオッチの愛好家として、GS9 Club会員目線の要望を積極的に発信します。

久保進一郎氏 セイコーウオッチ株式会社 プロダクトデザイン部。2003年よりグランドセイコーのデザイン開発を担当し、回転ベゼル搭載モデルやクロノグラフなどグランドセイコー初となるモデルに多数携わってきました。今回のベースモデルに採用されているデュアルカーブサファイアガラスの発案者でもあり、第二弾のデザインを直接担当します。

Joseph Kirk氏(Joe) Grand Seiko Corporation of Americaにてブランドキュレーター兼マーケティングディレクターを務めます。20年以上にわたる時計業界でのキャリアを持ち、日本への度重なる訪問と匠との交流を通じてグランドセイコーへの深い理解を培ってきました。米国市場の動向と顧客ニーズを代表してプロジェクトに参加しています。

Jonathan Bues氏(Jon) グランドセイコーのブランドコミュニケーション兼ブランドアドバイザー。以前は時計専門メディア「Hodinkee」に勤務し、長年時計業界に携わってきた経験をもとに、グランドセイコーの価値をグローバルな視点で世界に発信するためのサポートを担っています。

第二弾のベースに選ばれたのは、エレガンスコレクション「SBGY007」です。真冬に見られる自然現象「御神渡り」をイメージした薄型ドレスウオッチで、手巻スプリングドライブムーブメント「キャリバー9R31」を搭載しています。ケース径は38.5mm、ノンデイト仕様です。

グランドセイコー2021年新作 エレガンスコレクション 御神渡り(おみわたり) Ref. SBGY007
グランドセイコー エレガンスコレクション SBGY007 御神渡り 手巻スプリングドライブ

プロジェクトチームが語った選定理由は、大きく3つあります。

  • 小径トレンドへの対応:「Watches and Wonders Geneva 2025」でも顕著だった40mm未満への潮流に合致しています
  • 複数本オーナーへの配慮:ノンデイト設計により、使い分けの際に日付合わせが不要です
  • スプリングドライブの世界的人気:グランドセイコーの販売データで、スプリングドライブは海外販売総数で圧倒的なシェアを誇っています

また、プロジェクトデザイン担当の久保進一郎氏は、このモデルに採用されたデュアルカーブサファイアガラスを自ら発案した人物です。1960年代の柔らかなアクリル風防の温もりを現代の堅牢なサファイアガラスで再現したこのガラスは、フラットなダイヤルをボンベダイヤルのように見せる視覚効果も持っています。

ポイント:デュアルカーブサファイアガラスはサファイアの屈折率を利用し、ダイヤルに自然な丸みを持たせて見せる久保氏発案の独自設計です。
グランドセイコー SBGY007 風防 クローズアップ
SBGY007のデュアルカーブサファイアガラス

第二弾の最大のテーマが、ダイヤルカラーです。プロジェクトチームが注目したのは「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」と呼ばれる日本の伝統色体系です。江戸時代後期、贅沢禁止令(奢侈禁止令)が出された後の町人文化の中で生まれたカラーパレットで、微妙なニュアンスを持つ色が数多く存在します。

グランドセイコーがこれまでほとんど用いてこなかったソリッドカラー(テクスチャーなし・型打ちなしの塗装色)を採用するという、ブランドにとっても挑戦的な試みです。米国グランドセイコー現地法人のチームも「そういうモデルがもっと必要だ」と大賛成しており、世界のトレンドであるニュアンスカラーとの親和性も確認されています。

プロジェクトの議論の場には、ソリッドカラーの質感をイメージするための既存モデルのサンプルも持ち込まれました。

ソリッドカラーのダイヤルのサンプルはヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 銀座限定2022「SBGH297」、エレガンスコレクション「SBGM221」
  • ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 銀座限定2022「SBGH297」:銀座の街並みをグリッドパターンで表現した2022年発売の限定モデル。放射目も型打ちも入らないシンプルな塗装ダイヤルが特徴で、グランドセイコーの中では数少ないソリッドカラー表現の先例です。
  • エレガンスコレクション「SBGM221」:海外で根強い人気を持つモデルで、こちらもテクスチャーを排したソリッドカラーのダイヤルを採用しています。

これらを参照しながら、第二弾でどのようなソリッドカラーの質感を目指すかが議論されました。いずれも既存ラインナップの中では異色の存在であり、今回の第二弾がグランドセイコーの新しいダイヤル表現の可能性を切り開く1本になることへの期待が、プロジェクトチームの言葉からも伝わってきます。

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デザイン担当の久保進一郎氏が「四十八茶百鼠」の中からモダンな感性に合う5色を選び、レンダリング(PC上で描いたイラスト)として提案しました。いずれも「御神渡り」ベースの薄型ドレスウオッチに載せた姿で、シボなし・スムースレザーのストラップで描かれています。

色名 特徴
A案 湊鼠(みなとねずみ) グレイッシュなトーンのブルーグリーン
B案 深川鼠(ふかがわねずみ) 同じくブルーグリーン系だが、より明るめ
C案 柳鼠(やなぎねずみ) 緑を帯びたグレー
D案 銀鼠(ぎんねず) わずかに青みを含む銀色がかったグレー
E案 紅消鼠(べにけしねずみ) 赤紫がかった暗めのグレー
GS9 Club 第二弾 当初レンダリング A案湊鼠 B案深川鼠 C案柳鼠 D案銀鼠 E案紅消鼠 5色カラー候補

この段階ではA・B案の「9」のアラビア数字インデックスと針・ロゴはシルバーで統一されており、ストラップはシボなしのスムースレザーです。

レンダリングを一目見た米国チームのJoe氏は「どの色もすごく良くて選ぶのが難しい」と絶賛。議論を経て評価が高かったのはA案の湊鼠とE案の紅消鼠でした。

  • A案(湊鼠)支持の理由:既存コレクションに類似色がなくユニーク。特別感があり、受け入れられやすいとJoe氏が評価
  • E案(紅消鼠)支持の理由:Jon氏が個人的に最も気に入った色。「ユーザーをあっと言わせられる」という点でも候補に

なお、B案の深川鼠については、2022年にアメリカで発売したGS9 Club限定モデル「SBGY023」がニュートラルなグレー系だったことから類似感を指摘する声もあり、差別化の観点から評価がやや分かれました。

また、C案(柳鼠)とD案(銀鼠)はこの段階で選考から外れ、最終的にA案の湊鼠とE案の紅消鼠を軸に検討が進むことになりました。

議論の中で、編集長の安藤氏が「E案ではすでに『9』のアラビア数字とGSロゴがゴールドになっていて、とてもかっこいい。A案の湊鼠にも同じくゴールドを入れることで、ぱっと見た時のインパクトをもう少し足せないか」と提案しました。

当初、久保氏はA案についてシルバーで統一した方がスッキリして美しいと考えていましたが、「華やかさが加わるかもしれない」としてゴールド仕様での再描画を引き受けました。

さらに、ストラップについても米国チームから「クロコなど通常使うものではなく、ユニークな素材やカラーで特別感を付加してほしい」という要望が出ました。ダイヤルにテクスチャーがない分、ストラップにシボ(革表面の不規則なシワや模様)を加えることで全体のバランスを取る方針が固まりました。

GS9 Club 第二弾 アップデートレンダリング F案湊鼠チョコブラウン G案湊鼠ライトグレー H案紅消鼠ダークブラウン 最終3候補

数週間後、久保氏によってアップデートされたレンダリングが完成しました。ダイヤルはより特別感と華やぎのある湊鼠に決定したとのこと。ただし、インデックスの分目盛りが黒であるため、視認性を確保する意味で若干明るめのカラーでも試作することになりました。ストラップには全案にシボが加えられ、色違いで3パターンで試作を進めることとなっています。

「湊鼠」はグレイッシュなトーンのブルーグリーンで、A案からのアップデート版です。「9」のアラビア数字インデックスとGSロゴをゴールドに変更し、華やぎを添えています。ストラップはシボ入りのチョコレートブラウンで、温かみのあるコントラストを演出しています。

GS9 Club 第二弾 F案 湊鼠ダイヤル チョコレートブラウンストラップ ゴールドインデックス レンダリング

注目ポイント:いわゆる「ティファニーブルー」との類似性

湊鼠のブルーグリーンは、近年の時計業界で大きな話題を呼んだパテック フィリップ ノーチラスやロレックス デイトナの「ティファニーブルー」ダイヤルを連想させる色味です。ティファニーブルーモデルはオークションで高騰するなど注目を集めた一方、「ブームに乗りすぎ」という声もある色です。湊鼠はあくまで日本の伝統色に由来するソリッドカラーであり、より落ち着いたグレイッシュなトーンですが、こうした連想が生まれやすい色でもあります。

F案と同じ湊鼠のダイヤルに、ライトグレーのシボ革ストラップを合わせた案です。ストラップの色を明るくすることで、F案よりも軽やかで現代的な印象になっています。

GS9 Club 第二弾 G案 湊鼠ダイヤル ライトグレーストラップ ゴールドインデックス レンダリング

G案もF案と同様に「ティファニーブルー」を連想させる可能性があり、好みが分かれそうな色です。一方でF案・G案ともに「既存のグランドセイコーにはない色」という点では日米チーム全員の意見が一致しており、コレクターから見た希少性は高いと言えます。なお、分目盛りの視認性に関しては明るめカラーで試作を行い、実物で確認する予定です。

「紅消鼠」は赤紫がかった暗めのグレーです。E案をベースにシボ入りのダークブラウンストラップへアップデートした案で、深みと落ち着きのある重厚な印象を持っています。

GS9 Club 第二弾 H案 紅消鼠ダイヤル ダークブラウンストラップ ゴールドインデックス レンダリング

注目ポイント:SBGY023との類似性

GS9クラブ US限定299本モデル スプリングドライブ「松本城」 SBGY023
GS9クラブ US限定299本モデル スプリングドライブ「松本城」 SBGY023

H案の紅消鼠については、2022年にアメリカで発売したGS9 Club限定モデル「SBGY023」に似ているという見方もあります。SBGY023はニュートラルなグレー系のダイヤルを持つ同じSBGY007ベースのモデルです。色味の方向性として近い面はあるものの、「紅消鼠」はより赤みを帯びた独自のニュアンスを持っています。

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第二弾のレンダリングが時計メディア「plus9time」のInstagramアカウントに公開されると、フォロワーからさまざまなコメントが寄せられました。全体としてはF案(湊鼠×チョコレートブラウン)がやや人気を集めていますが、一方でいくつかの率直な意見も目立ちます。

デザインへの疑問

GS9 Clubのアイデンティティでもある「9」のアラビア数字インデックスについて、「グランドセイコーらしくなく、デザインとして少し奇妙に感じる」という声が一部に見られます。確かに、インデックスに数字が入るグランドセイコーは多くなく、見慣れない印象を受ける方もいるようです。ただし「9」はGS9 Club第一弾から引き継がれたアイコンであり、このモデルの固有のアイデンティティとして意図的に採用されているものです。

ストラップへの要望

「レザーストラップだけでなく、メタルブレスレットの選択肢も欲しい」という意見も複数見受けられます。ドレスウオッチらしい薄型ケースとメタルブレスレットの相性を期待する声は理解できますが、現時点の公式情報ではレザーストラップのみが想定されています。今後の正式発表で追加オプションが設けられるかどうか、注目したいところです。

色味への賛否

F案・G案の湊鼠については、「ティファニーブルーやロレックス オイスターパーペチュアル ピスタチオグリーンみたいでいまいち」という辛口の意見も届いています。近年の時計業界でブルーグリーン系ダイヤルが相次いで登場したこともあり、「またその系統か」と感じる方がいるのは確かです。湊鼠は江戸の伝統色に由来するソリッドカラーであり、ティファニーブルーとは由来も質感も異なりますが、レンダリングの段階では色の微妙なニュアンスが伝わりにくい面もあります。実物の試作が公開された際に改めて判断されることをおすすめします。

ロレックス オイスターパーペチュアル 2025年新色追加
ロレックス オイスターパーペチュアル 2025年に追加されたマットなラッカーダイヤル

こうした意見も含め、最終的なデザインは2025年6月公開予定の第3回プロジェクト記事で明らかになります。試作モデルを実際に見た上での評価が、購入判断の最終材料となりそうです。

第一弾 SBGW319 第二弾(製作中)
ベースモデル 44GS 現代デザイン エレガンスコレクション SBGY007系
ムーブメント 手巻メカニカル 9S63 手巻スプリングドライブ 9R31
ケース径 40mm 38.5mm(小径トレンド対応)
デイト なし なし
ダイヤル グリーン(型打ち螺旋模様) ソリッドカラー(湊鼠/紅消鼠)
限定本数 150本 未定
販売対象 日本GS9 Club会員のみ グローバルGS9 Club会員
カラー決定方法 会員投票 プロジェクトチーム選定
発売時期 2024年秋 2027年初春予定
価格 814,000円(税込) 未発表
※参考 SBGY007: 1,155,000 円(税込/2026年3月時点)

現在(2026年)は試作モデルの確認・細部検討フェーズにあります。今後のステップは以下のとおりです。

  1. 2026年6月(予定):第3回プロジェクト記事公開・試作モデルの最終確認と決定
  2. 決定後:各国GS9 Club公式ウェブサイトにて購入申し込み受付開始
  3. 2027年初春:発売
注意:販売店への直接申し込みはできません。必ず各国のGS9 Club公式サイトからの手続きとなりますので、ご注意ください。
  • 手巻スプリングドライブ搭載の薄型ドレスウオッチ(38.5mm・ノンデイト)
  • 江戸の伝統色「四十八茶百鼠」を起源とするソリッドニュアンスカラーダイヤル
  • 当初5色(A〜E案)から議論を経て、F・G・H案の3択に絞り込み、ダイヤルはF・G案(湊鼠)に決定。少し明るめのカラーでも試作。
  • plus9time Instagramでは「9インデックスが奇妙」「メタルブレスも欲しい」「ティファニーブルーっぽい」といった意見も。
  • 初のグローバル展開。日本以外のGS9 Club会員も購入対象
  • 購入申し込みはデザイン確定後・GS9 Club公式サイトのみで受付
  • 発売は2027年初春予定

詳細が確定次第、GS9 Club公式サイトで情報が公開される予定です。関心のある方は、GS9 Club会員資格を確認した上で最新情報をお待ちください。

※本記事はGS9 Club公式プロジェクト記事(全3回)の第1回・第2回をもとに構成しています。スペックや発売詳細は今後の公式発表で変更となる場合があります。最新情報はGS9 Club公式サイトにてご確認ください。

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