2019年2月12日（火）放送の日経スペシャル 「ガイアの夜明け」では、 「あなたの"愛用品"その行方」と題して、中古ブランド品の買取合戦の模様が特集されます。

例えばあなたが「腕時計を売りたい」、と考えたとき、イマドキはどんな方法があるのでしょうか？

駅前にある「ブランド買取店」、
日用品もまとめて売れる「リサイクルショップ」、
自宅まで査定に来てくれる「出張買取」、
ネットで申し込みできて、箱に詰めて送るだけの「宅配買取」、
メルカリのような「フリマアプリ」、
ヤフオクのような「インターネットオークション」

などなど、実に選択肢は様々です。

今回の「ガイアの夜明け」では、インターネットオークションやフリマアプリの普及、そして2018年10月の古物営業法の改正などを背景にリユース市場が様々な変化をする中、買取業者の新たな取り組みなどが紹介されます。

また、「ソーシャル・バイヤー」呼ばれる、中国本国にいる消費者のために「買い物代行」をする在日中国人たちについても取材。

そして今回の「ガイアの夜明け」で特にクローズアップされる企業は、「コメ兵」（名古屋市）と「なんぼや」運営会社「SOU」（東京・港区）です。

「コメ兵」による海外進出を見据えた真贋判定の強化の内容や、百貨店内や香港への進出を狙う「SOU」の戦略、そのほか中国国内の消費者の買い物代行をする在日中国人たちによる市場への影響など、時計買取業界の裏側も覗けそうな内容ですね。

「コメ兵」は名古屋市に本社を置く創業71年の老舗、ブランド品リユース最大手。

今や全国に店舗展開し、店舗以外にも宅配買取や出張買取も対応、販売も行っており、
東京証券取引所第2部と名古屋証券取引所第2部に上場しています。

■コメ兵株価情報（2019年2月12日時点）

■コメ兵店舗一覧　（2019年2月現在）

コメ兵は買取実績をデータベース化し、真贋鑑定にも力を入れています。
そして「収益力強化」を目指し、海外拠点の整備・構築による海外事業の強化や新規取引先の開拓による法人事業の拡大を図るなど、海外進出も見据えているようですね。

また、2017年に開発されたのがフリマアプリ「KANTE」など、新規事業へも意欲的に取り組んでいるようです。



店舗買取はもちろん、出張買取、宅配買取、LINE査定など様々な形態で買取を行うコメ兵ですが、
そういったB to Cだけではなく、C to C　のサービスにも着手しています。

「コメ兵」はC to Cの最たるものであるメルカリやラクマなど、他のフリマアプリに対抗すべく、
2017年に消費者同士でブランド品の売買ができるフリマアプリ「KANTE（カンテ）」をリリースしています。

最大の特徴は、年間140万点以上の買取実績をデータベース化しているコメ兵の鑑定技術を活用した「KOMEHYOカンテイ」という真贋判定機能を備えている点です。

これは購入者の依頼のもと、KOMEHYOが真贋の判定を行うサービスで、
売買成立後、コメ兵に商品を一旦送り、鑑定してから手元に届ける、という流れになるようです。

スマホで商品写真を撮ったら即座に「本物」「ニセモノ」と判定してくれるのかと思ったら違いました（＾＾；）
てっきり今流行りのAIが商品写真から真贋鑑定してくれるのかと・・・。

出品・発送のお手軽さ・スピード感が圧倒的支持を集めるメルカリに対抗するには、
それぐらい簡単でないと、ちょっと面倒に感じる層が多いのではないでしょうか。

そして気になるカンテの利用料は、登録料・使用料は無料で、販売価格に応じて販売手数料がかかります。
一律10%のメルカリよりも少し高い金額が設定されているのがまた・・・（＾＾；）

インターネットオークションやフリマで個人間での売買には、
「本物か偽物か分からない」という不安がつきものですが、
そこを解消してくれるサービスとなっているわけですね。

現状ではまだまだ目標とするダウンロード数に達していないようですし、
同業者から見ても正直「微妙」なサービスかな、と感じますが、
とはいえ金額が数十万、数百万円以上するような超高額商品であれば、鑑定つきサービスを利用したい、というニーズも実際はあるでしょうから、
そのあたりにどううまくリーチしていくのかが課題でしょう。



今回の「ガイアの夜明け」では、

「王者コメ兵、人工知能で”ニセモノ”を見分ける」と予告で紹介されていました。
社内的にはAIを駆使した「真贋鑑定機能」が活用され始めているようですね！

中古ブランド品買取業界1位のコメ兵は、売上年間455億円、
圧倒的なデータ量と、バイヤーの豊富な経験を武器に、AI判定を実現したとのこと。

４割を占めるヴィトンを中心に開発を進め、縫い目、金具など細部をマイクロスコープで撮影すると、
そのデータはサーバーに送られ、AIが照合を行い、その判定の正確さは97％だとか。

コメ兵ではこのAIによる真贋判定を活用することにより、
鑑定・査定時間の短縮し、接客の質をあげることを目的としているのです。



一方「SOU」はブランド品、貴金属、時計、地金、宝石及び骨董品、美術品などの買取、販売を主としたリユース事業を展開しています。
ブランド買取専門店「なんぼや」や「ブランドコンシェル」、
会員制の「スターバイヤーズオークション」などを運営し、創業わずか7年で東京証券取引所マザーズ市場へ株式上場を果たした注目の企業です。

ガンバ大阪でMF(ミッドフィルダー)を務めていた元Jリーガーの嵜本晋輔(さきもとしんすけ)氏が代表取締役社長を務めていることも話題になりましたね。

■SOU株価情報（2019年2月12日時点）

嵜本氏はコメ兵を追い抜くべく、リユース市場の様々な可能性を事業化しているようです。

「SOU」の主な事業は以下の通り。

商品の仕入れは、「なんぼや」「BRAND CONCIER」などの全国展開する買取店舗での一般消費者からの買取がメイン。
一方、販路は自社開催の「スターバイヤーズオークション」など国内外オークションを主としつつ、国内外業者への卸売、世界の逸品ヴィンテージセレクトショップ「ALLU」、古美術品の「古美術八光堂」などの小売店、ECサイトでの一般消費者向け小売販売も行っています。

また珍しいところでは、「持ち物の価値」がチェックできるスマートフォンアプリの「miney」も提供しています。

2019年2月12日(火) PM10:00～ 放送のテレビ東京「ガイアの夜明け」では、「SOU」の事業や新たな取組、そして嵜本社長の理念が紹介されます。

10月に「古物営業法」が改正され、これまで「自社店舗」か「訪問先への出張」に限られていた買取が、届けを出せばどこでも可能になったため、
「SOU」はこれまで出店が困難だった百貨店にも進出を果たしています。

また、ブランド品のオークションは順調に登録業者数を増やし、東京のほか、香港でも3カ月に一度オークションを開催しているそうです。

香港では2013年から「WATCHES & WONDERS（ウォッチズ＆ワンダーズ、W&W）」というSIHHやバーゼルワールドのような高級腕時計見本市も開催され、また、サザビーズ（Sotheby's）、クリスティーズ（Christie's）や フィリップス（PHILLIPS）といった名門オークションハウスが定期的に時計オークションを行うなど、時計業界ではアジア市場の中心地とも言える地位を確立しています。

今回ガイアの夜明けで紹介されたSOUの香港オークションは、ビジネス街にある雑居ビルの一室に、インド・イタリアなど世界から集まったバイヤー相手に開催されていました。
バイヤーたちも驚く品揃えでしたが、
実は「日本では売れにくい派手なデザインの腕時計」を中心にセレクトされたもの。
落札率は35％と国内オークションには遠く及びませんでしたが、
「香港で売れやすい」商品を見極め、今後の改善に繋げていくとのこと。

日本で成功した同業者オークションに販売する手法で、香港に活路を見出していけるのか、これからが勝負ですね！！

2/12放送の「ガイアの夜明け」では、「ソーシャル・バイヤー」（代理購入/代購/海淘（ハイタオ））呼ばれる、中国本国にいる消費者のために「買い物代行」をする在日中国人たちについても紹介される予定。

中国人の「爆買い」はよくテレビなどメディアで取り上げられていましたが、
日用品から電化製品をはじめ、高級腕時計やバッグなどブランド品などを日本で購入する中国人の中には、
転売を目的としているいわゆる在日中国人の転売ヤーや、買い物代行（代購：代理購入）によって購入手数料を得るソーシャルバイヤーなども含まれているのです。

今回の「ガイアの夜明け」でも、先述のSOUが店頭販売を行っているALLUが紹介されましたが、
こちらは主に中国人をターゲットとしています。

ALLU店内ではスマホ片手にしゃべりながら写真や動画を撮影し、 SNSを通じて交渉するソーシャルバイヤーの姿が紹介されました。
2割ほどの手数料をプラスするなど、転売の差額で儲けているということです。

しかしここにきてこの「爆買い」にブレーキをかける大きな出来事がありました。
2019年1月1日に中国で施行された「電子商務法（通称：電商法）」です。

「インターネットビジネスの適正化」という名目で施行された「電子商務法（通称：電商法）」は実質ソーシャルバイヤー規制法とも言われており、代理購入業者は個人であっても「電子商務経営者」と定義され、中国国内での登録と納税が必要となります。
また、これまでECとして扱われていなかった「WeChatのタイムラインを通じた商品の販売」や「ライブ配信の形式を用いた商品の販売」についても越境EC事業とみなされるようになります。

これによって今後日本国内の小売ショップやメーカーは少なからず、影響を受けることになるでしょうが、
逆にこれをビジネスチャンスと捉え、中国市場に打って出る戦略もあるでしょう。

実際、ＳＯＵもコメ兵も海外進出は中国から、とそれぞれ戦略を練っていることがわかりましたね。



自宅に眠っている動かない時計でも、もしかしたら世界のどこかにそれを欲しいと思っている人がいるかもしれません。
生前整理して旅行の資金に、と高額なブランド品を処分する方もいらっしゃいます。
今はさまざまな方法、さまざまな業者が群雄割拠するブランド買取戦国時代。
今が売り時、ともいえるかもしれません。
ガイアの夜明けを見て、自分の商品も直接オークションに出せたらなー、なんて思いませんでしたか？！

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